日本の全盛期はいつなのか?

経済問題
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少し前に、韓国系の海外の反応サイトで日本の全盛期はいつなのかということが議論されていました。
その中では第二次世界大戦の直前と1980年代後半のバブル期という2つの意見で割れており、それ以外の意見はほとんど目にしていません。
今回は、日本の全盛期はいつなのかについて考えてみたいと思います。

日中戦争(第二次世界大戦)前の日本は、千島列島はもちろん日露戦争に勝利した関係で樺太の南半分を自国の領土としていた他、朝鮮半島は併合、台湾は植民地、満州国は傀儡国家、上海の一部は租借地、パラオなど太平洋のいくつかの島は委任統治と、広大な範囲を支配下に置いていました。
当時の日本は俗に言う列強国に数えられており、現在の国際連合にあたる国際連盟(League of Nations)発足時の4カ国しかない常任理事国にも選ばれています。

一方、1980年代後半の日本に訪れたバブル経済では激しい地価の上昇が起き、最高値では山の手線の内側でアメリカ全土が買えるほどの状態となります。
日本のGDPはそれ以前から米国に次ぐ2位でしたが、全盛期(バブル期の少し後)は人口が倍近いアメリカの7割にまで迫っており、アメリカを追い越すことすらも本気で見据えていました。
当時はコロンビア・ピクチャーズやロックフェラー・センターなどのアメリカを象徴する企業や施設を日本企業が買収し、アメリカでは反日感情が沸き起こったほどです。
どちらの時代も、確かに日本の全盛期と言えるほどの繁栄です。

しかし私は別の2つの時代を、日本の全盛期として推したいと思います。
1つ目は、軍事力の面を踏まえ安土桃山時代です。
戦国時代末期の日本は、当時最強の武器だった銃の保持数が世界最高で(トルコが1番という説もある)、生産力はヨーロッパ全ての国を足しても敵わなかったと言われています。(参照
更に銃自体も独自進化していましたし、扱い方に慣れた軍人も多数いるなど、当時の日本は世界で1番軍事力が高かったと想定されているのです。
この軍事力の高さは日本国内で激しい戦いが起きていたからこそ成し得たわけで、そんな時代を全盛期と言うことには違和感があるので、戦いが落ち着いていた安土桃山時代を日本の全盛期の1番目に挙げたいと思います。

もう1つの時代が、幕末の混乱が始まる前の江戸時代後半です。
現在、六代目神田伯山(旧名:神田松之丞)の登場により講談が100年ぶりのブームとなっているそうですが、確かに神田伯山の講談は面白くストーリーもよく出来ています。
この講談は戦国時代に始まったと言われており、江戸時代後半になると庶民が楽しむものになっていました。
その他にも、江戸では落語や歌舞伎などを庶民が楽しんでいたそうです。
当時の江戸は、世界的に有名な日本文化である浮世絵もブロマイドのような感覚で誰でも気軽に買え、街には寿司や蕎麦、天ぷらなどの屋台が多数並んでいました。
庶民の衛生環境も、毎日のように銭湯に入っていたためとても良かったとされています。
更には花火を見たり、ペットを飼ったり、旅行に行ったりと、戦国時代の混乱が収まっって月日が経った江戸時代後半は、庶民がそれなりに楽しく暮らしていた様子が知られているのです。(農村部での暮らしはこのようなものではないだろうが)

江戸時代中期の1764年に大朝鮮国(李氏朝鮮)から日本に訪れた使者(朝鮮通信使)は、大阪のことをソウルより10000倍発展し北京以上の繁栄、京都のことを繁栄では大阪には及ばないものの天皇が住んでるためとても贅沢、名古屋のことを大阪と同じレベルとそれぞれ称しました。
そんな朝鮮通信使が最後にやって来た江戸のことを、全てのことが大阪や京都より3倍優っており、素晴らしさを文章で表現することが不可能だと書き残しているのです。
このことは、当時の日本の繁栄が窺えるエピソードとなっています。
特に注目すべきは、この時期に生まれて現在も残るような日本文化のほとんどが庶民から生まれていることです。
西洋の文化は身分の高い貴族や宗教などにより生まれたものが多く、庶民の暮らしは貧しかったと言われていますが、日本では逆に庶民のほうが活気があったと考えられています。
識字率なども江戸時代後半では江戸などの都市部に限れば80%を超えていたと言われ、同じ時代のロンドンは20%程度、パリは10%未満しかなかったと考えられているため、庶民ベースで考えれば江戸時代後半の日本は世界で1番豊かだったと想定されます。

アジア人(少なくとも日本人や韓国人)は、無意識的にヨーロッパを中心とした西洋文化のことを我々よりも進んでいたと思いがちですが、産業革命以前、とくに大航海時代以前の中世ヨーロッパは暗黒時代と呼ばれるような時期があるなど、思ったほどの繁栄はしていませんでした。
古代ローマ時代と大航海時代か産業革命以降に西洋文化は大繁栄しているため継続して発展していったように見えますが、実はイマイチ繁栄していなかった時代があり、この時期はむしろアジアのほうが発展していたと考えられているのです。

以上、安土桃山時代と江戸時代後半を日本の全盛期として紹介しましたが、いろいろ考えてみると日本はかなり昔から世界有数の国家であったということなのかもしれません。

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コメント

  1. より:

    今までにない視点で目から鱗でした。やはり200年戦争のなかった江戸時代はすごい時代だったのだなあと。江戸は当時世界一の都市(人口の多さや、その人口を捌ききれる衛生インフラなど)だったという話もありますよね。
    この土台があったからこその明治維新の成功ですし、江戸後期が日本の全盛期という案はかなり納得です。

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