日本への外国人観光客が増えていることは周知の事実ですが、その観光目的の1つに『日本の食べ物(主に和食)を楽しむ』というものがあります。
今や日本食は世界のスタンダードになりつつあり、海外の人が本場である日本で日本食を食べたいと思うのは至って普通の考えです。
以前、当ブログでは外国人には理解しづらい日本人の複雑な1人称について記事にしましたが、今回は食べ物目的で日本へやってくる外国人に向けて、各種料理店ごとの料理人の呼び方についてまとめたいと思います。
基本的に、各料理店で、
『出された料理に意見などを言いたい場合に、何と言って誰を呼べばいいのか?』
という観点に立って料理人の呼び方をまとめます。
西洋料理のレストランの場合
フランス料理やイタリア料理などの西洋系の『レストラン』では、
シェフ
を呼びます。
日本式に改良された西洋料理である洋食屋も、大抵はシェフという呼び方でOKです。
インド料理などのアジア系レストランでもシェフで対応できると思いますが、中華料理の場合はシェフと呼ぶことはまずありません。(大きめの中華料理店では料理長を呼ぶのが適切かと思います)
また大規模なチェーン店の場合は、『料理人=店の責任者』ではないので、店長または店員を呼ぶことになります。
日本の伝統的な料理を提供するお店の場合
『寿司屋』の料理人の場合は、同じ料理を作る人であってもシェフと呼ぶことはありません。
日本人がカウンターのある寿司屋で、目の前の板前をシェフと呼んでいたら相当おかしい人と思われてしまいます。
ズバリ、寿司屋の料理人は
大将
と呼びましょう。
ただし、それはその店のオーナーである料理長に対してのみで、見習いの料理人については
板前さん
と呼ぶのが一般的です。
大将の弟子であることが明確である場合は、お弟子さんなどと呼んでも構いません。
ちなみにこの大将は、英語に直訳すると『General』という意味であり、料理人に使うには相当おかしく感じるかもしれませんが、なぜか寿司屋の料理責任者に対しては大将と呼ぶのが定番となっています。(そもそも大将という言葉は軍の階級として使われる以前から存在する言葉である)
大将という呼び方は、『天ぷら屋』や『うなぎ屋』などの日本の伝統料理を提供するお店全般に使え、個人経営の『居酒屋』や『ラーメン屋』などでも通用する場合があります。
ただしレストランのケースと同じで、チェーン店では店長や店員を呼ぶことになります。
※寿司屋やうなぎ屋の店主については、本来『親方』と呼ぶべきだという意見もあるそうですが、親方は基本的に近しい関係のときに使う呼び方で、食事を提供する側と提供される側の関係ではあまり使われない(実際に使われていない)と思います。
女性が個人経営する料理屋の場合
大将という呼び方は、基本的に女性に対しては使いません。
日本料理のお店で料理人が女性の場合は、
女将(さん)
と呼びます。
日本には、女性が個人経営する『小料理屋』と呼ばれる夜に一杯お酒を飲みながら食事をする料理店が多数のあるのですが、こういったお店などで女将という呼び方は多く使われます。
女性が個人経営する主にお酒を飲む店舗の場合
小料理屋と同じ女性が個人経営する料理店であっても、隣に女性が付いてお酒を作ってくれるお店は『スナック』と呼ばれ、そこで料理(またはお酒)を作る女店主に対しては、
ママ
と呼ばなければなりません。
ママが母親を意味する言葉出ることは説明するまでもありませんが、どういうわけかスナックというお店では女店主のことをママと呼ぶことになっています。
ただし、同じように女性がお酒を作ってくれるお店であっても、女性の個人経営店でない場合や店の規模が大きい場合(クラブやキャバクラ)は、食べ物に関係なく用事があれば、その店を獲り仕切っているマスターや支配人、あるいは一般店員のボーイを呼ぶことになります。
このことは男性がお酒を作って女性に提供する店の場合も同様です。
西洋由来の飲み物を飲むお店の場合
カクテルなどのお酒を提供してくれる『バー』や、コーヒーや紅茶を飲む『喫茶店』では、店主のことを
マスター
と呼ぶのが一般的です。
バーと同じお酒を提供するお店であっても『居酒屋』の店主のことをマスターとは呼びません。
料亭や旅館の場合
宿泊施設である『旅館』(日本旅館)や日本料理の高級店である『料亭』の場合は、小料理屋と同じで
女将(さん)
を呼びます。
しかし、ここでいう女将は基本的に料理を作っておらず、お客とのやりとりを取り仕切っているに過ぎません。
どうしても料理の責任者を呼びたい場合は
板長
を呼びましょう。
その他の料理店
西洋的な感じでない、個人経営の『蕎麦屋』や『うどん屋』、『定食屋』などの店主=料理人に対しては、大将でもいいですが、単純に、
ご主人
と呼んだほうがより適切かもしれません。
このご主人という呼び方は、料理に関係なく個人でやっている様々なお店の男性に対して使うことができます。
女性の場合は、ここでも女将さんという呼び方を使います。
男性に対するご主人はかなり幅広く使えますが(例えば文房具屋の店主などにも使える)、女将さんは日本の伝統的な文化がある程度残っている分野でしか使えないようです。(文房具屋の女店主を女将と呼ぶことはまずない)
これを外国人が使い分けるとなるとかなり至難の業でしょうが、間違ったところで、怒る人はほとんどいないので大した問題にはならないでしょう。
しかし、寿司屋の大将を女将さんと呼んだり、小料理屋の女将を大将と呼んだりするのは男女が入れ替わっている関係で怒られるかもしれません。
以上、料理店の料理人の呼び方について考えてみました。
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