多すぎる日本の一人称に外国人は何を思うのか? 漫画アニメにおける一人称問題

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日本には自分自身を示す一人称が50種類以上もあり、外国人を混乱させる原因になっているそうです。
とは言え、現実的には3つ(私、僕、俺)程度覚えれば会話として事足りますし、5つ覚えれば十分日本通として認識されると思います。
しかし、日本が海外に発信する代表的な文化である漫画やアニメにおいては、5つなどでは事足りず数十種類の一人称が普通に使われています。

例えば、ルパン三世の石川五エ門が使う『それがし』や、うる星やつらのラムが使う『うち』などは、現実世界の日常会話で使われることはまずありませんが、漫画やアニメの中ではキャラクターの特徴を表す言葉になっています。
それ以外にも、忍者物や歴史物でよく出てくる『拙者』、高位な女性キャラが使う『わらわ』、気の強い女性キャラの定番一人称『あたい』など、漫画やアニメでは一般的ではない一人称が大量に使用されるのです。
更に地域的な特性のある一人称として、鹿児島出身男性キャラなどは決まって『おいどん』と言いますし、コテコテの関西人キャラとして『わて』というレアな一人称が使われることもあります。
それ以外にも『小生』や『拙僧』など、日常ではまず100%聞くことのない一人称までも漫画やアニメでは使われるのです。

以上のように、日本の漫画やアニメでは一人称の違いがキャラクターの特徴として重要なポイントとなっています。
しかし、これを英語に訳されると全てが『I』になってしまい、日本人からするとなんとも味気がありません。
と言っても、英語には一人称が1つしかないのだからどうしようもありません。(英語以外のほとんどの言語も一人称はそう多くない)
そして外国人の多くは、日本人が本当にこんなに多い一人称を理解しているのか不思議に思うそうです。
確かに1つしか一人称がない国の人からすると、日本の一人称の多さは摩訶不思議なレベルに感じることでしょう。
その疑問に対する日本人としての答えは、

『理解してると言えばしているし、していないと言えばしていない』

です。

こんな答えでは外国人は余計に頭が混乱するかもしれませんが、例えばほとんどの日本人は石川五エ門の使う『それがし』という一人称の深い意味など知らないでしょうが、古風な話し方をする人であるということは理解ができるのです。
漫画やアニメにおける一人称で大事なのはニュアンス的な部分であって、深い意味を理解する必要はありません。
そして一人称に感じるニュアンスについては、ほとんどの日本人が理解しています。

現在はインターネットが整備され海外でも日本の漫画やアニメが気軽に見られるようになってきましたが、翻訳家たちはこの一人称の問題に対して四苦八苦しているのかもしれません。
例えば、現在日本で最も人気のある漫画『ONE PIECE』には、特徴的な一人称が大量に出てくることで知られています。
『ONE PIECE』の作中には、カクというキャラが自分のことを『わし』といい、爺さんみたいな話し方だと指摘されたシーンがあったと思うのですが、あれはどうやって訳したのでしょうか?
更に一昨年大流行したアニメ『君の名は。』では、入れ替わった男女が友だちと話す際に自身の一人称が分からず、私、僕、俺と順々に言うシーンがあるのですが、英語版では全部『I』と訳され、それが逆に面白いと海外の反応サイトで話題になっていました。

このように、日本の一人称の問題は漫画やアニメを海外に輸出する際にちょっとした問題になっています。
海外での上映も視野に入れているアニメ映画などでは一人称を単純化するのも1つの手段かもしれませんが、日本の漫画やアニメでは一人称の使い分けが欠かせないものになっているので、それはそれで難しいのかもしれません。
この漫画やアニメにおける一人称の問題はどうしようもないので、日本の漫画やアニメが好きな人には、日本には大量の一人称があり、それがキャラクターの特徴を表していると理解してもらうしかないのかもしれません。

ちなみに日本語には二人称も大量にあり、こちらも漫画やアニメのキャラクターの特徴を表す言葉として使われるのですが、キリがないので今回は一人称のみで話は終わりにしたいと思います。(^_^;)

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