日本映画は本当に滅んだのか? 日本映画と韓国映画の国際映画祭の受賞歴を比較する

芸能・エンタメ
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韓国系の反応サイトを見ていると、『日本の映画は滅んだ』という言葉をよくを目にします。
これは日本の実写映画の話で、近年の日本の(実写)映画界は“漫画作品の実写化映画”ばかりとなり、国際的な評価を著しく下げているというのです。

かつての日本映画は人間ドラマを美しく描いた作品が多ったのですが、確かに近年は、

・テラフォーマーズ
・進撃の巨人
・東京喰種
・キングダム

などといったバトル物の派手な漫画を基とした実写映画が多くなっています。

こういった作品にはCGなどといった新しい技術が欠かせないわけですが、新しい技術を使うには当然多額の予算が必要です。
現在の日本映画は、大作といわれる作品であっても製作費は10億円程度といわれており、製作費が200億円もあるハリウッドの大作映画とは文字通り桁違いな差があります。
結果、CGなどの新技術を多く使った作品において、日本の映画は陳腐感が否めません。
しかも漫画を原作にした映画は原作漫画を知らないと面白さがわからかったりする部分もあるので、外国人からしてみれば、この手の日本映画は面白くもなんともないただのB級映画にしか観えなくなってしまうのです。
このことは日本国内ですら大きな問題となっています。

かつて日本映画は、黒澤明、小津安二郎、市川崑といった名監督に代表される、国際的に評価の高い情緒的な映画作品が多数ありました。
こういった作品が鳴りを潜め、中途半端にCGを駆使した漫画の実写映画ばかりになれば、誰だって日本の映画は衰退したと感じることでしょう。
しかし、日本の映画は本当に国際的な評価を下げているのでしょうか?
韓国系以外の海外の反応サイトで、『日本の映画は滅んだ』などという意見を聞くことはほとんどなく、外国人は日本の映画をどのように感じているのかよくわかりません。

というわけで、21世紀以降(2001年以降)に、世界三大映画祭といわれる

・カンヌ国際映画祭
・ベルリン国際映画祭
・ヴェネツィア国際映画祭

において、新人賞や栄誉賞などを除いた主要な賞を獲得した日本映画を列挙したいと思います。
また、日本の実写映画を『滅んだ』と主張している韓国の映画も、同じく列挙します。

カンヌ国際映画祭

【パルム・ドール(最優秀作品賞)】
2018年:万引き家族(日本)
2019年:パラサイト(韓国)

【グランプリ(優秀作品賞)】
2004年:オールド・ボーイ(韓国)
2007年:殯の森(日本)

【監督賞】
2002年:イム・グォンテク(韓国)※作品は『酔画仙』

【男優賞】
2004年:柳楽優弥(日本)※作品は『誰も知らない』

【女優賞】
2007年:チョン・ドヨン(韓国)※作品は『シークレット・サンシャイン』

【脚本賞】
2010年:イ・チャンドン(韓国)※作品は『ポエトリー アグネスの詩』

【審査員賞】
2009年:渇き(韓国)
2013年:そして父になる(日本)

ベルリン映画祭

【金熊賞(最優秀作品賞)】
2002年:千と千尋の神隠し(日本)

【監督賞】
2004年:キム・ギドク(韓国)※作品は『サマリア』

【女優賞】
2010年:寺島しのぶ(日本)※作品は『キャタピラー』
2014年:黒木華(日本)※作品は『小さいおうち』
2017年:キム・ミニ(韓国)※作品は『夜の浜辺でひとり』

ヴェネツィア国際映画祭

【金獅子賞(最優秀作品賞)】
2012年:嘆きのピエタ(韓国)

【銀獅子賞(監督賞)】
2002年:イ・チャンドン(韓国)※作品は『オアシス』
2003年:北野武(日本)※作品は『座頭市』

以上が、今世紀以降の日本映画及び韓国映画の世界三大映画祭における主要な賞の受賞歴です。

この結果を見るとわかる通り、日本映画は世界三大映画祭の主要な賞を定期的に受賞しており、昔と比べて受賞歴が特段減っているようなことはありません。
一方、韓国映画の受賞歴は明らかに上昇しています。
現在の日本映画界に問題があるのは間違いないでしょうが、今回の問題については、日本映画の国際的な評価が下がったというより、韓国映画の国際的評価が上がったと見るべきかと思われます。

にもかかわらず、韓国人はなぜか『韓国映画の評価が上がった』とは言わず、『日本映画が滅んだ』と主張しているわけです。

韓国人は、様々な歴史的経緯から自国を評価するより他国を卑下したくなる国民性なのかもしれませんが、この問題は映画の話とは全く別な問題なので、今回はここまでとさせていただきます。

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