海外から日本にやってくる人の中に、福島第一原発原発事故による放射能汚染を気にする人がいるので、この問題についてまとめてみたいと思います。
福島第一原発という名前から、日本の行政区分である『福島県』全体が危険と感じる外国人が多いようですが、これは大きな間違いです。
この間違いが生まれる原因は、13,783.74k㎡という福島県の広大な面積にあります。
13,783.74k㎡といえばオランダの半分ほどで、ジャマイカやカタールなどの国よりも大きくなります。
同じ国際原子力事象評価尺度レベル7の原発事故を起きたチェルノブイリ地区は、現在事故の影響から行政区分がなくなっていますが、かつては約2,000k㎡ほどの面積だったそうです。
つまり、福島はチェルノブイリより6倍以上も広いのです。
では、実際に福島県の放射線量はどうなっているか調べてみましょう。
福島県の市街地は人口の多い市町村から、
いわき市
郡山市
福島市
会津若松市
と4つの地域に別れているのですが、この都市の中心地である駅周辺の放射能数値は以下の通りです。
いわき駅周辺:約0.1μSV/h
郡山駅周辺:約0.1μSV/h
福島駅周辺:約0.1μSV/h
会津若松周辺:約0.05μSV/h
ちなみに、福島県の放射能問題についてもっとも過剰に反応している韓国は、首都のソウルが0.1μSV/hを僅かに超える程度の放射線量だそうで、なんと福島県の中心地より放射線量が高くなっています。
当然、福島県内には放射線量の高い場所がありますが、そのような場所はしっかりと管理され立入禁止になっているので、一般人が行ける範囲の福島県は基本的に安全です。
このように福島県全体が危険であるという考えは間違いであり、特に福島県の中心的な場所は完全に安全と言っていいような放射線量レベルとなっています。(少なくともソウルよりは放射線量が低い)
そもそも福島第一原発が日本の他の原子力発電所のように市区町村単位で名前を付けていれば、海外の人も福島県全体に危険なイメージなど持たなかったことでしょう。
福島第一原発の放射能汚染については海洋汚染の危険性を指摘する人もいますが、このような汚染も現実的に大きな問題にはなりえません。
かつて太平洋の中心であるマーシャル諸島沖で幾度となく核実験が行われましたが、太平洋沿岸地域の人々が大きな健康被害を被った事実はありません。
海の希釈力はそれほどに強いのです。(当然、実験が行わた場所に近い地域では、核爆弾の直接的な影響による健康被害があったでしょうが)
核実験の話しで言えば、内陸部での核実験も考慮しなければなりません。
東アジア地域には、冬の終わりから春先にかけて黄砂と呼ばれる砂混じりの強風が吹きます。
この黄砂に混じる砂は、中国内陸部のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠からやってくるのですが、タクラマカン砂漠といえば中国の核実験場所として有名な砂漠です。
アメリカでも、かつての核実験はネバダ州の砂漠などで行われていましたが、遮へい物がほとんどないの砂漠で核実験を行えば、風が吹けばあっという間に放射能物質が広がってしまいます。
以上のように、現実的に世界の人たちは放射能を日常的に浴びてきた歴史があるわけです。
結局、福島第一原発の事故を放射能汚染の問題として大きくクローズアップすることには、あまり意味がないのかもしれません。(原発事故という意味でクローズアップすることは意味があるでしょうが)
若干話がズレましたが、福島第一原発の放射能汚染問題は、”福島県全体が危険”なのではなく、”福島県に危険な地域がある”という表現が正しいかと思います。
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