来年開催されるサッカーW杯の予選が各地域で進んでおり、ヨーロッパではW杯優勝4回を誇るイタリア代表が1次予選を突破できず、プレーオフステージに進むなど一部で混戦模様となっているようです。
イタリア代表は現在2大会連続でW杯出場を逃しており、今回も予選落ちとなれば3大会連続の緊急事態となります。
こういったこともあってか、イタリア代表のジェンナーロ・ガットゥーゾ監督はヨーロッパ(欧州サッカー連盟=UEFA)に比べ南米(南米サッカー連盟=CONMEBOL)のW杯出場枠が多く公平でないと主張し、海外の反応サイトでも話題になっていました。
このことについて単純にUEFAの出場枠を増やすべきという意見も多く見られたのですが、この意見に私は大きな違和感を覚えます。
むしろこの問題は、UEFAのW杯出場枠が多いからこそ起こっていると言えるのです。
もし100のサッカーチームの中から1番強いチームを選ぶとしたら、単純にトーナメントを行って勝ち残ったチームを選べばいいだけです。
組み合わせがランダムであっても、理論上勝ち残ったチームが1番強くなるはずですので不満は出にくいと思われます。
しかし、100チームから30チームを選ぶとなると、多くの人が選出方法を苦慮するはずです。
10チームごとでリーグ戦を行い上位3チームを選べば30チームを選出できますが、リーグによる実力差が出てくるため公平性の担保ができません。
これがW杯のヨーロッパ予選で今まさに起きていることで、W杯出場枠が多いからこそ予選の組み合わせによる有利不利が発生しやすく不満を感じる国が出てきてしまうわけです。
ですので、出場枠を増やしたところで問題の解決には繋がらないと思います。
どうしても公平性を保ちたいのなら全チーム参加のリーグ戦を行うしかないですが、UEFAは参加国が1番多い地域連盟のため(55カ国)、試合数の観点から全チーム参加のリーグ戦を行うことは現実的ではありません。
逆にCONMEBOLは最も少ない地域連盟なので(10カ国)、ホーム&アウェー方式で全チームのリーグ戦を行っています。
| 地域 | 連盟名 | 参加国 | 出場枠 |
|---|---|---|---|
| ヨーロッパ | UEFA | 55 | 16 |
| アフリカ | CAF | 54 | 9 |
| アジア | AFC | 47 | 8 |
| 北中米 | CONCACAF | 41 | 6※ |
| オセアニア | OFC | 11 | 1 |
| 南米 | CONMEBOL | 10 | 6 |
※北中米は開催国の3国を含む
※この他にプレーオフ枠が2つある
同じ勝敗結果あるいは近い勝敗結果のチーム同士で戦っていくスイス式トーナメントという方式を採用すれば、全チームが参加しても試合数を抑えられ公平性も上がるのですが、試合結果により次戦の対戦相手が決まるため試合の事前準備が難しい他、馴染みのない方式で観ている人の納得感も低いため採用されることはまずないでしょう。
多くの地域では、FIFAランキングなどを利用したチーム分けと段階式のリーグ戦を行い公平性を高めていますが、W杯出場枠が多い(16国)ヨーロッパでは段階的なリーグ戦を開くまでもないので、少数チームのリーグ戦を1位抜けしたら即予選通過、そこを抜けれなかったチームがトーナメント型のプレーオフを行う形をとっています。
この少数チームのリーグ分けで1位が通過するという方式は、参加リーグによる有利不利が生まれやすくなるのです。
仮に60チームから実力の高い30チームを選出するとして、全チーム参加のリーグ戦を実施し、上位30チームを選ぶことが最も公平な方式となります。
逆に完全ランダムの1対1(2チームのリーグ戦と同じ意味)を行い、勝ったほうを選ぶ方式は運要素が極めて高くなるわけです。
以下に、ランダムに生成した1から60までの数字を2つ並べてみました。
この数字を実力の順位と過程した場合、かなりの不均衡な組み合わせが出てきてしまいます。
9-36
1-32
53-38
11-42
50-15
7-16
12-47
39-48
4-25
3-35
20-6
30-19
22-37
58-28
56-51
57-2
27-45
46-14
24-17
33-40
29-55
26-54
59-44
49-21
52-31
13-43
23-41
60-10
34-18
5-8
上記の組み合わせでは、56位と51位という順位の低い者同士が対戦したり、5位と8位という順位の高い者同士が対戦したりしており、30位以上でも勝ち上がれなかったり、31位以下でも勝ち上がれたりするケースが多発してしまいます。
このように、リーグ規模が小さければ小さいほど組み合わせによる運要素が強くなるわけです。
おそらくイタリアの場合は、ヨーロッパの出場枠が減ったほうが公平度の高い予選制度になって突破率が上がると思われます。
もちろん、ヨーロッパ全体で見れば減った分だけ損をしますが、今の予選リーグは不公平感がかなり強いので、必ずどこかの国が不満を言う展開になってしまいます。
イタリア代表のガットゥーゾ監督は、サッカー漫画『キャプテン翼』に登場する顔面ブロックで有名な石崎くんが好きなことで知られ、現役時代は根性プレーで人々を魅了しました。
しかし代表チームの監督になったわけですから、もう少し頭を使って発言をしたほうが良いように感じます。
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