日本にあるナポリタンスパゲティに対して海外の方から様々な意見ありますが、大半がネガティブな意見で、
・美味しそうじゃない
・そんなパスタ偽物だ
・そもそもナポリにそんなスパゲッティはない
などの意見がありました。
しかし、日本人はそんなこと百も承知でナポリタンスパゲッティを食べているのです。
なぜ、日本人がそこまで美味しいとはいえないナポリタンスパゲティを食べ続けているのか?
この疑問には、ナポリタン誕生にまつわる深い深い話があります。
日本は、明治時代以降(19世紀後半以降)に西洋文化を積極的に取り入れ、西洋の食べ物もどんどん食べるようになりますが、その中にはスパゲッティ=パスタもありました。
しかしその後、日本は太平洋戦争に負け貧しい時代を過ごすことになります。
そんな貧しい時代に、なんとか低価格で美味しいパスタを提供したいと思った料理人が、トマトピューレを安価なトマトケチャップで代用し、野菜も手に入りやすいもの、肉類もウインナーとできる限り身近なもので簡単にできるスパゲティを考案し提供し始めました。(ナポリタンスパゲティの発祥は不明だが、戦後の貧しい時代に現在の形になったことはほぼ間違いない)
戦後の日本は食糧難でメニューも乏しかったため、当時の日本人はこれでも十分美味しく感じたのです。
そしてこれが定着し、更に誰でも作れる手軽さからナポリタンスパゲッティは家庭で作られるパスタの定番となっていきました。
ナポリタンという名前の由来は、ナポリにあるトマトベースのスパゲティを真似たからなどと言われていますが、実際はハッキリせずイタリアをイメージする名前なら何でも良かったのかもしれません。
正直、今の日本では、ミートソースだろうとカルボナーラだろうとペペロンチーノだろうと、美味しいパスタは手軽にいくらでも食べることができます。
しかし、日本人にとってナポリタンは昔懐かしい味として愛着があり、また家庭の味でもあるのです。
私自身、ナポリタンスパゲティがそんなに好物ではないのですが、たまに無性に食べたくなることがあります。
おそらく日本人の多くの人が、このような感覚でナポリタンスパゲッティを食べていると思います。(普通に好きな人も多いが)
もし海外の方がナポリタンスパゲティを食べて美味しくないと感じたとしても、このような事情があることをご考慮いただけたら幸いです。
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