日本にはアイヌという白人系(西洋系)の先住民族が存在していたと、海外で話題になることがあります。
この話は間違っているわけではないですが、相当正確性に欠きます。
まず、このような話題が出るときに使われる写真が、極端に白人っぽい写真を使われている事が多く誤解を生んでいるようです。
実際のアイヌ民族は、日本人から見ると白人っぽく、白人から見ると日本人っぽいぐらいの感覚で、個人差によって白人っぽい人も日本人ぽい人もいるようです。
ということで、以下に古い時代のアイヌ民族が写った写真をいくつか紹介します。
↓この方はとても白人っぽく見えます。
↓この写真の左の子供は、とても日本人(東アジア人)っぽく見えます。
↓おそらく平均的なアイヌ民族の容姿は、この方に近いかと思います。
このアイヌ民族が日本の先住民族であるかどうかという点には議論があります。(少数民族であることは間違いないが、先住民族であるかどうかは議論の余地が相当ある)
先住民族といえばアメリカ大陸のネイティブ・アメリカンなどを思い浮かべますが、アイヌ民族は日本人にとってのこのような先住民族と同じ感覚で語れる民族ではありません。
この問題は、そもそも人類がどうやって日本に渡ってきたかという問題に起因します。
氷河期だった3万年から1万年ほど前は海面が低かったため、サハリン島を経由してユーラシア大陸から北海道までは陸続きで、冬には津軽海峡が凍るので本州や九州・四国までも陸続きになりました。(九州や四国は本州と陸続きだった)
そのため人類は、ユーラシア大陸の北東部から日本へと歩いて流入し、次第に日本全体まで広がっていったという説が有力です。
その後、時代が進み今から2000年ほど前に、中国や朝鮮半島から多くの人が海を渡って日本にやってきて、元々日本にいた人たちと混血が進み、現在の日本人へと繋がっていきます。
この際に混血しなかったのが北海道を拠点としていたアイヌ民族であり(この頃は本州と北海道は完全に海で隔たれていた)、つまりアイヌ民族は古いタイプの日本人(縄文人)の末裔ということです。
このように、アメリカ大陸の例と違い、アイヌ民族と一般的な日本人(大和民族)は全く別のルートから人が流入してきたわけではないですし、当然、現在の大和民族にも古いタイプの日本人であるアイヌ民族の遺伝子も引き継いでいるので、アイヌ民族は単純に先住民族とは言えないのです。
あえてアメリカ大陸の例に合わせるなら、日本人(大和民族)とアイヌ民族の関係は、アメリカに住むネイティブ・アメリカンとメキシコに住むメスティー ソ(インディオとスペインの混血)のような関係性と言えます。
確かに13世紀以降に大和民族(混血した日本人)が北海道に進出していったため、その際の人の流れを見ればアイヌ民族は先住民とも言えますが、元を正せば同じ日本人であることには変わりありません。
以上が、日本人とアイヌ民族との関係性に関する説明ですが、おそらくこのことは日本人でもほとんど知られていないのが実情かと思います。
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