今年の冬に海外の反応サイトで、ヨーロッパのサッカーリーグに移籍した日本人選手は、なぜJリーグに戻ろうとしないのかということが議題となっていました。
ここ最近、ヨーロッパで活躍していた武藤嘉紀選手と大迫勇也選手が立て続けにヴィッセル神戸への移籍が決まり状況が少し変わってきていますが、今回はこのことについて考えていきたいと思います。
※武藤嘉紀選手と大迫勇也選手のJリーグ移籍が決まる前に書きかけていた記事なので、2人の移籍はあまり考慮されていません
確かに1度海外リーグに移籍した日本人選手には、Jリーグの復帰を嫌う傾向があるように感じます。
中にはJリーグよりもレベルが低く環境も悪いと思われるような海外のリーグに移籍してまで、日本への帰国を拒否する選手もいます。
本田圭佑選手などは正にそういった選手と言えるでしょう。
浅野拓磨選手は、セルビアのチームに所属し給料の未払い問題というトラブルに遭っています。
こういったことはメジャーリーグに挑戦したプロ野球選手にも見られる傾向で、野茂英雄さんもイチローさんも松井秀喜さんも頑なに日本球界への復帰を拒否していました。
ただ、野球の場合はメジャーリーグの給料がえげつないレベルに高く、昨年にMPB史上最高となる9億円の年俸で日本球界に復帰した田中将大選手ですら、メジャーリーグ時代より年俸が半減しているほどですから状況が少し違うのかもしれません。
一方、サッカーでは上記したように給料の未払いが起こるようなリーグに行ってまでも海外リーグに留まろうとする選手が多く見受けられます。
もちろん、ヨーロッパのリーグにいたほうがスペインのラ・リーガやイギリスのプレミアリーグなどといった世界最高レベルのサッカーリーグへ移籍しやすいのかもしれませんが、それだけの理由ではなく、そこには日本人特有の事情もあるような気がします。
日本では自国以外のことを言い表すときに、国外ではなく海外と言うことが一般的です。
海外とは海の外側という意味で、日本が島国であることを示しています。
つまり、日本は陸続きに多数の国があるヨーロッパとは環境が全然違い、海外のリーグにチャレンジする覚悟のレベルもまるで変わってくるのです。
海外で大きな成果を上げずに帰国した選手に対する周囲の目も、夢にチャレンジして負けた人というイメージを持ちやすいように感じ、選手のJリーグ復帰を妨げているように感じます。
言語的に考えても、南米の選手がスペインやポルトガルに行くのとは全く違うことは言うまでもありません。
結局日本人選手は海外のリーグへ挑戦するハードルが高い分、自国へ戻るという判断もしにくくなっているものと思われます。
こういったマインドは、日本人の脳裏に強く染み付いているようです。
国内でも東京などの都心で仕事をした後に田舎へ戻った人に対し、都会の生活に負けて田舎に逃げ帰ったみたいなイメージを持ちやすいように感じますし、そういったことがよく歌にされています。
このことには良い面も悪い面もあるわけですが、いずれにせよ“海外”の人には理解しがたい感覚なのかもしれません。
以上、日本人サッカー選手の海外移籍とJリーグ復帰という問題を考えてみました。
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