親米政党が行う憲法改正に意味はあるのか? 日本の領土問題から考える憲法改正論

政治
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日本には、領土に関わる問題が主に4つあります。

1つ目は、中国との間で問題になっている尖閣諸島問題
2つ目は、韓国との間で問題になっている竹島問題
3つ目は、ロシアとの間で問題になっている北方領土問題
4つ目は、アメリカとの間で問題になっている在日米軍基地問題

これら4つの問題は、報道ベースですと、

中国>韓国>ロシア>アメリカ

の順で問題視される傾向があり、日本国民もこの順番で問題が大きいと思っている人が多いようです。
しかし政治的・歴史的な事実を考慮せず、日本をあるべき姿に戻すという極めて保守的な考えに立てば、この順位は変わってくるかもしれません。

では、1つ1つの問題を考えていきましょう。

尖閣諸島の問題は、中国の公船(中国政府が関係している船)が近海をうろつき、日本の海上保安庁が毎日のように対応する事態となっています。
とは言え、尖閣諸島を実効支配しているのは日本ですし、そもそも尖閣諸島は国境付近にある無人島です。

竹島の問題は、韓国が戦後の混乱期に不当な形で実効支配し、日本が主張する国際司法裁判所での解決にも韓国は一切応じません。
しかし竹島は人が住むのに適さない岩礁で、面積は0.21k㎡しかありません。

北方領土の問題は、終戦直後、日本がポツダム宣言の受け入れ表明しているにもかかわらず、当時不可侵条約を結んでいたソ連に占拠されました。(不可侵条約はポツダム宣言受諾直前にソ連が一方的に破棄)
そして知らない人も多いかもしれませんが、北方領土には沖縄本島よりも広い島が2つもあり、ものすごい広い範囲の土地を現在ロシアに奪われている状況です。
しかし極寒の地である北方領土は人が住むのには適さず、歴史上、人口は常に少ない状態でした。

在日米軍の基地面積は現在264.405k㎡ですが、これは政令指定都市の千葉市の面積(271.8k㎡)とほぼ一緒で、1つの国であるモルディブより少し小さい程度となっています。
尖閣諸島の総面積が5.5k㎡程度ですから、在日米軍がいかに日本の土地を広く利用しているかがわかります。(ただし尖閣諸島には広い海洋面積がある)
他の領土問題は、どれも国境付近にある島の話でしたが、在日米軍基地は日本の公的機関が集まる首都・東京の近郊にもあり、横須賀や横田などの大規模な基地も東京からすぐ近くにあります。
更に在日米軍の軍人は、日本国内で犯罪を犯しても日本の法律で裁かれないことが多くなっています。
以上の点を踏まえれば、在日米軍の基地問題が1番大きな問題と考えるのが自然でしょう。

そもそも別の国の軍隊が駐留している時点で、他の領土問題より大きな問題であることは確実です。
日本に在日米軍が駐留していることは当然歴史的な背景があるわけですが、しかし、もし中国軍が日本に駐留し犯罪を犯しても日本の法律で裁けないといった状況を想像したら、日本の保守主義者が発狂するほどの大きな問題なわけで、日本の領土に関わる問題は本質的に、

アメリカ>>>ロシア>>>韓国>>>中国

の順で大きいと考えるのが妥当であり、報道ベースで与える印象とは真逆の順で問題が大きいのです。

現在の日本では、自民党を中心に憲法改正をしようという動きが本格化していることはみなさんもご存知のことでしょう。
しかし、自民党は結党依頼一貫して親米政党で、沖縄の在日米軍基地の諸問題でも自民党は在日米軍の代弁者であるかのように振る舞い、自国民である沖縄県民の意見を無視し続けています。
憲法改正主義者は、アメリカが作った憲法ではなく自国民で新たな憲法を作るべきだと主張していますが、憲法改正を主張しているのは親米政党の自民党であり、逆に反米的な左側の政党が“護憲”などという聞いたこともない言葉を使って現在の憲法維持を主張しています。
これは明らかな矛盾と言えます。

憲法を改正するということは、ハッキリと言ってしまえば自衛隊を正規軍として扱うということです。
この自衛隊を正規軍にするという主張の先には、当然、在日米軍の撤退あるいは縮小という考えがなければ意味がありません。
しかし親米政党の自民党が行う憲法改正では、在日米軍追従の軍隊ができるだけで、在日米軍基地も縮小されず思いやり予算も今まで通り払い続けるのでしょう。

これでは今の状況と何ら変わらない意味もない憲法改正になってしまうのではないでしょうか?

本来、もっとも憲法改正を主張するべき政党は日本共産党です。
日本共産党には期待しなくとも、左派政党こそが憲法改正(自衛隊の正規軍化)を訴えるべきだと私は思います。

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