ベラルーシ在住のロシア人YouTuber『ナスチャ』さんが、日本在住時代にテレビを観て感じたこととして、日本のテレビ番組における文字テロップ(字幕)の多さを指摘していました。
指摘通り、日本のテレビ番組では、いつの頃からかやたらと文字テロップが流れるようになりました。
出演者が外国語で話しているわけでもなく、日本語を習い始めたばかりの外国人に向けて放送しているわけでもなく、日本人が日本人に向けて作った日本語で話している番組なのに、文字テロップが多用されるのは確かに意味不明と言えます。
しかし、そこには日本語特有の問題があるのかもしれません。
日本のテレビ番組でテロップが増え始めたのは1990年代後半ぐらいからと思いますが、これはデジタル技術の発展により多様なテロップを容易に入れられるようになり、番組の演出的な技法として取り入れられたためと思われます。
ただそういった技術面よりも、日本語は同音異義語が異常に多く、話している言葉の意味を読み取りづらいという言語的な問題があり、文字テロップの必要性が根本的に高かった可能性があるのです。
以前にも書いた通り、日本語は母音が少ないため同音異義語や類音語がやたらと多くなってしまいます。


この同音異義語や類音語は簡単に耳で聞いただけでは分かりづらいため、日本人は相手の表情や前後の話で言葉の意味を読み取るのですが、テレビ画面越しだと相手の表情が読み取れなかったり、録画放送の番組では編集などで前後の話が切られることもあるでしょうから、テレビ番組で聴く言葉の意味が分からないという場面に出くわすことが自ずと多くなります。
それを補足するのが、文字テロップだったと想定されるわけです。
例えば、『私は日本語が苦手です』という文章を誰かが話したとします。
これを音だけで表せば、『ワタシワニホンゴガニガテデス』となります。
この音だけでは、『私、ワニ、本、碁、蛾、苦手です』と言っている可能性も出てきてしまうのです。
『超良い感じ』などという若者の短い話し言葉も(今の若者は言わないかも?)、『腸・胃イカン、痔』と、消化器から肛門までに関する医学的な話をしている可能性もあるわけです。
このように同音異義語や類音語が多い日本語を使った番組においては、文字テロップが必要不可欠なのかもしれません。
しかし、バラエティ番組以外では、そんなに文字テロップが多くないと感じる人もいることでしょう。
実は、日本ではニュースを読む際に同音異義語に気を付けた原稿読みのルールが定義されており、文字テロップを流さなくても聞き取りやすいようになっているのです。
ドラマや映画では、出演している俳優陣が一般人より表情豊かなので、表情などから言葉の意味を読み取りやすいですし、そもそも脚本の時点で極端に間際らしい言葉は選ばないと思われます。
そもそもアナウンサーや俳優の人たちは滑舌もいいので、文字テロップを流す必要性が低いと考えられます。
以上のように、日本のテレビ番組(特にバラエティ番組)の文字テロップの多さには日本語特有の問題があり、外国人が単純に不思議に感じたことにも、その裏には日本の様々は事情が隠れていると思われるのです。
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