海外において日本は治安が良い国というイメージがあるかと思います。
このことは紛れもない事実で、実際に日本の犯罪率は世界的にみてとても低いのですが、いくつかの犯罪は海外よりも多い状況となっています。
その1つが痴漢で、痴漢防止策として採用された女性専用車両などは珍しさから海外反応サイトでも度々話題になるなど、日本の痴漢の多さは海外でもある程度知られているようです。

大半の痴漢は、男性が加害者で女性が被害者となる性質の犯罪です。
そのため日本で痴漢が多い理由を、“日本人男性の性的な異常性”に原因があると考える人もいるそうですが、おそらくそんな理由ではありません。
痴漢が起こる場所はほとんどが電車内であり、そのほとんどが満員電車となっています。
ガラガラに空いた電車で痴漢をする人は、まずいないでしょう。
満員電車は日本（とくに首都圏）を象徴するものとして海外でも有名ですが、この満員電車が痴漢の温床になっていると考えられるのです。

この話を聞いて、他の国でも満員電車はあると思った人もいるかもしれません。
例えば、インドなどの国で電車内に乗り切れないほどの人が乗っている映像を見たことのある人もいるかと思います。（以下の映像は、バングラディッシュの満員電車）

- YouTube

YouTube でお気に入りの動画や音楽を楽しみ、オリジナルのコンテンツをアップロードして友だちや家族、世界中の人たちと共有しましょう。

www.youtube.com

しかし、これは本数が少ないからこそ無理をしてまで乗るのであって、頻繁に電車が来るのに満員になる日本の状況とは大きく異なります。
日本の首都である東京の中心部を周回する山手線は、ラッシュ時は3分に1本ぐらい電車が来るのに毎回のように満員になってしまうのです。
つまり、日本人は満員電車に乗っている人数がとてつもなく多く、平均乗車時間もそれに比例して長くなっているわけです。
満員電車がなくなれば痴漢がなくなるとまでは言いませんが、痴漢が多い少ないという問題は満員電車で全て説明が出来ると思われます。

ここまでの説明を聞いても、日本の痴漢の多さは“日本人男性の性的な異常性”にあると考える人がいるかもしれませんが、もしそうなら強姦などの男性が加害者で女性が被害者になりやすい性犯罪も、諸外国と比べ日本のほうが多くなければ説明がつきません。
しかし、日本で強姦などの犯罪率が外国よりも高いという事実はないのです。
以上のことから判断するに、やはり日本で痴漢の多い理由は満員電車にあるものと想定され、痴漢対策をするのなら満員電車をどうやって減らすかを1番に考えるべきかと思います。

【追記】
日本で痴漢が多い理由を満員電車だけに求めるには説明が不足してると思ったので、補足説明をします。

人は性的な興奮を理性で抑え生きています。
しかし、満員電車内のような男性と女性の体が触れ合うような状況になると、どうしても性的な興奮を感じる人も出てきてしまうわけです。
これは人間の本能的な部分が絡むため、完全に抑えることは不可能に近くなっています。
異性と体が触れ合って性的な興奮を一切感じないというのなら、それはそれで問題です。
以上のように、満員電車が痴漢の起こりやすい環境にあることは間違いありません。

満員電車に明確な定義はありませんが、乗車率・混雑率については日本民営鉄道協会が以下のように定義しています。

引用：混雑率 – 一般社団法人日本民営鉄道協会

この定義によると、混雑率が150%を超えると乗客者同士の体が触れ合い、上記したような性的な興奮を抑えられないような状況が起こると想定されます。
では、各路線の混雑率ランキングを御覧ください。（新型コロナウイルスの影響が少ない2019年度のもの）

首都圏

関西地方

東海地方

九州地方

以上のデータをみると、混雑率が150%を超えるような激しい満員電車はほとんど東京近郊で起こっていることが分かります。
次に、日本で痴漢の多い駅のランキングを御覧ください。

参照：公開｢痴漢発生駅ランキング｣､意外な1位は？ – 東洋経済オンライン

この順位は乗り入れ本数や利用者数、細かいことまで考えれば若い女性の乗車率なども関係するため一概には言えませんが、東京近郊に痴漢が集中していることが窺えます。
これが痴漢の多い理由が満員電車にあると考える理由で、実際に痴漢は電車内と駅構内で8割弱起こっているとの報告もあります。
痴漢という犯罪はないので実態は掴みづらいのですが、以上のデータを見る限り日本で痴漢が多いことは満員電車にあると考えて差し支えないのではないでしょうか？（痴漢の逮捕者には迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪が適用される）

ブログランキング

↑　↑　↑
更新励みになりますので、毎日の応援よろしくお願いします。