関東地方南部の市街地に現れた離れザルの移動ルートまとめ

哺乳類
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2017年から2021年までに一都三県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)の平野部に現れた離れザルの移動ルートまとめました。(移動が明確な例に限る)
※千葉県はサルの発見例が多いので、大まかに千葉市、佐倉市、印西市より西に現れた例だけを記載します。

  1. 移動ルートを示した画像
  2. 2017年における埼玉県東松山市からさいたま市中央区までの移動ルート
  3. 2017年における神奈川県平塚市から千葉県山武市までの移動ルート
  4. 2017年における埼玉県加須市から宮代町までの移動ルート
  5. 2019年における神奈川県相模原市南区から川崎市川崎区までの移動ルート
  6. 2019年における埼玉県日高市から羽生市までの移動ルート
  7. 2019年における神奈川県相模原市緑区から相模原市中央区までの移動ルート
  8. 2019年における埼玉県川口市から千葉県松戸市までの移動ルート
  9. 2020年における千葉県での離れザル発見群移動ルート
    1. 移動ルート1:千葉市稲毛区黒砂から佐倉市神門まで
    2. 移動ルート2:山武市植草から富里市御料まで
    3. 移動ルート3:千葉市佐倉市米戸から印西市笠神まで
    4. 移動ルート4:八街市希望ヶ丘から千葉市若葉区千城台東まで
    5. 移動ルート5:佐倉市上代から四街道市めいわまで
    6. 移動ルート6:成田市長沼から成田市前林まで
    7. 発見ポイント7:富里市立沢新田
    8. 移動ルート8:千葉市若葉区若松町から佐倉市臼井田まで
    9. 移動ルート9:多古町南借当から多古町高津原まで
    10. 移動ルート10:千葉市中央区生実町から千葉市若葉区坂月町まで
    11. 発見ポイント11:八街市山田台、沖
    12. 発見ポイント12:八街市八街ほ
    13. 発見ポイント13:佐倉市坂戸
    14. 移動ルート14:佐倉市城内町から四街道市大日まで
    15. 移動ルート15:千葉市緑区おゆみ野南から千葉市若葉区更科町まで
    16. 移動ルート16:千葉市佐倉市馬渡から佐倉市大篠塚まで
    17. 移動ルート17:八街市西林から八街市東吉田まで
    18. 移動ルート18:成田市村田から成田市村田まで
    19. 移動ルート19:千葉県白井市冨塚から神奈川県相模原市緑区大島まで
    20. 移動ルート20:千葉市緑区誉田町から千葉市若葉区御成台まで
  10. 2021年における千葉県佐倉市から富里市までの移動ルート
  11. 2021年における千葉県千葉市緑区から千葉市緑区までの移動ルート
  12. 2021年における埼玉県狭山市から東京都大田区までの移動ルート
  13. 2021年における神奈川県・東京都での離れザル発見群移動ルート
    1. 移動ルート1:神奈川県相模原市緑区相原から埼玉市所沢市まで
    2. 移動ルート2:神奈川県大和市下和田から神奈川県相模原市南区大野台まで
  14. 2021年における東京都福生市から埼玉県鶴ヶ島市までの移動ルート
  15. 南関東の市街地に現れる離れザルの特徴
    1. 最初の発見場所は丘陵地帯が多い
    2. ある程度は一定方向へ進む
    3. 大きな道、線路、橋などを難なく超える
    4. 方向転換するきっかけは、大きな川か森林地帯
    5. 田畑より住宅街を好む
    6. 1日10km以上進むこともある
    7. 千葉県はサルの出没が多い
    8. マスコミが騒ぎ出すのは東京23区に入ってから
    9. 人に危害を加えることはまずない

移動ルートを示した画像


画像利用:Googleマップ

2017年における埼玉県東松山市からさいたま市中央区までの移動ルート

青色のルート

最初の発見地点:埼玉県東松山市上唐子(2017年7月11日)
最終到達点:埼玉県さいたま市中央区下落合(2017年10月29)
捕獲:○

こちらの離れザルは、さいたま市中央区で3日間に渡る大捕物を展開し、最終的にさいたま市立与野東中学校の体育館で捕獲されたサルです。
8月14日に発見された羽生市本川俣から9月1日に発見された川島町吹塚までの距離が離れて期間も空いているため、別個体に入れ替わっている可能性もあります。
ちなみに捕獲後は山に還されたそうです。

2017年における神奈川県平塚市から千葉県山武市までの移動ルート

赤色のルート

最初の発見地点:神奈川県平塚市(2017年10月17日)
最終到達点:千葉県山武市横田?(2017年12月21日)
捕獲:☓

この離れザルは今回紹介する中でもっとも長い距離を移動し、一都三県(神奈川県、東京都、千葉県)を横断または縦断しています。(埼玉県の川口市に入っている可能性もある)
発見は更に先の銚子市辺りまで続きますが、途中で離れザルの発見例が多い房総丘陵の北端近くを通っているため、同一個体である確証は持てません。(同時期に千葉市内で別個体のサル発見例あり)
もし銚子市まで到達していると、その後は茨城県に入り北上した可能性もあります。
しかし茨城県や福島県南部にある八溝山地や阿武隈高地にニホンザルは生息しておらず、他の群れを探すなら更に北上をし奥羽山脈まで進むか、西に進路を変え日光連山へ向かう必要があります。

2017年における埼玉県加須市から宮代町までの移動ルート

ピンク色のルート

最初の発見地点:埼玉県加須市麦倉(2017年12月9日)
最終到達点:埼玉県宮代町東粂原(2017年12月12日)
捕獲:○

これは小規模な移動ルートになりますが、なんと東武動物公園のサル山付近に現れ、そのまま園内で捕獲されました。(ちなみに東武動物公園にいるサルはニホンザルではなくアカゲザルです)
加須市には秩父山地から利根川を伝ってやってくるパターンと足尾山地から南下してくる2つのパターンが考えられますが、この個体は後者のようです。(埼玉県に現れる前日に群馬県板倉町で発見例あり)

2019年における神奈川県相模原市南区から川崎市川崎区までの移動ルート

群青色のルート

最初の発見地点:神奈川県相模原市南区南台(2019年2月11日)
最終到達点:神奈川県川崎市川崎区(2019年2月25日)
捕獲:?

この離れザル秩父山地と丹沢山地の境目辺りから市街地に進出し、横浜市、川崎市の海岸近くまで辿り着きます。
そして最終的に、川崎市の海岸にある人工島(浮島)というあり得ない場所で消息を絶ちました。
最後の発見場所は一般人が容易に侵入できない工業地帯(石油プラント)であるため、どのような対応をされてもブラックボックスな状態となっています。

2019年における埼玉県日高市から羽生市までの移動ルート

黒色のルート

最初の発見地点:埼玉県日高市(2019年6月26日)
最終到達点:埼玉県羽生市上新郷(2019年9月24日)
捕獲:☓

こちらの離れザルは日高市からさいたま市方面に抜けたと思われますが、川越市からさいたま市という比較的人の多い地域で1ヶ月半以上目撃情報がないため、同じ個体である確証はとれません。(画像の点線ラインで目撃情報が1ヶ月半以上ない)
最終的に群馬県まで辿り着きました。

2019年における神奈川県相模原市緑区から相模原市中央区までの移動ルート

ピンク色のルート

最初の発見地点:千葉県相模原市緑区(2019年8月7日)
最終到達点:千葉県相模原市中央区(2019年9月28日)
捕獲:☓

こちらは神奈川県での小規模な移動ルートで、多摩丘陵から相模川を南下した後に北上しました。
途中1ヶ月弱の未発見期間があり、同一個体の移動でない可能性もあります。

2019年における埼玉県川口市から千葉県松戸市までの移動ルート

茶色のルート

最初の発見地点:埼玉県川口市戸塚(2019年8月11日)
最終到達点:千葉県松戸市小山(2019年8月21日)
捕獲:○

こちらは埼玉県川口市というニホンザルの生息域から遠く離れた場所に突然現れたサルで、野生のサルでない可能性も考えられます。
最終的に千葉県の松戸市で捕獲され、人知れずニホンザルの生息域である山林に放たれたとのことです。
移動ルートは短いですが、埼玉県・東京都・千葉県の3都県を通過しています。

埼玉県南部では2017年にも戸田市(笹目橋近く)に突然サルが現れたことがあり、上記の川越市からさいたま市西区までのルートが曖昧な例も含め、さいたま市周辺にサルが突然現れる何らかの要因となっている場所があるのかもしれません。

2020年における千葉県での離れザル発見群移動ルート

2020年の春から秋にかけて、千葉県の市街地では複数(最低4匹)のサルが同時期に現れました。
そのため発見例が多岐に渡り、どの発見ルートがどの発見ルートに繋がるのかが不明瞭となっています。
予想が付く範囲である程度ルートの確定をさせていますが、ハッキリしない部分が多いため細かい移動ルートを多数示す形をとりました。(画像上の細い線)
大きなルート(画像上の太い線)としては、千葉市から埼玉県の三郷市にまで進み千葉県内に戻ったルートと、白井市から東京を超え神奈川県の相模原市まで到達したルートがあります。

千葉県の房総半島(野生のニホンザル生息域)では、2019年9月に富津市にある高宕山自然動物園のニホンザル飼育施設が台風15号の影響で破壊、更に同じ施設で2020年6月に人為的なフェンス破壊事件が起き、多くの飼育ザルが山に逃げ出しています。

移動ルート1:千葉市稲毛区黒砂から佐倉市神門まで

ピンク色の細い線

最初の発見地点:千葉県千葉市稲毛区黒砂(2020年5月2日)
最終到達点:千葉県佐倉市神門(2020年5月8日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート3あるいは移動ルート4に繋がっている可能性があります。

移動ルート2:山武市植草から富里市御料まで

赤色の細い線

最初の発見地点:千葉県山武市植草(2020年5月10日)
最終到達点:千葉県富里市御料(2020年6月24日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート3あるいは移動ルート4あるいは移動ルート6に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

移動ルート3:千葉市佐倉市米戸から印西市笠神まで

黄色の細い線

最初の発見地点:千葉県佐倉市米戸(2020年6月25日)
最終到達点:千葉県印西市笠神(2020年7月5日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート5あるいは移動ルート6あるいは移動ルート7に繋がっている可能性があります。

移動ルート4:八街市希望ヶ丘から千葉市若葉区千城台東まで

青色の細い線

最初の発見地点:千葉県八街市希望ヶ丘(2020年6月26日)
最終到達点:千葉市若葉区千城台東(2020年7月1日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート5あるいは移動ルート7あるいは移動ルート8に繋がっている可能性があります。

移動ルート5:佐倉市上代から四街道市めいわまで

深緑色の細い線

最初の発見地点:佐倉市上代(2020年7月16日)
最終到達点:四街道市めいわ(2020年7月23日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート10あるいは移動ルート11に繋がっている可能性があります。

移動ルート6:成田市長沼から成田市前林まで

空色の細い線

最初の発見地点:千葉県成田市長沼(2020年7月7日)
最終到達点:千葉県成田市前林(2020年7月13日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート7あるいは移動ルート9に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

発見ポイント7:富里市立沢新田

発見ポイント:千葉県富里市立沢新田付近(2020年7月16日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート8あるいは移動ルート9あるいは移動ルート11に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

移動ルート8:千葉市若葉区若松町から佐倉市臼井田まで

空色の太い線

最初の発見地点:千葉県千葉市若葉区若松町(2020年7月21日)
最終到達点:千葉県佐倉市臼井田(2020年8月9日)
捕獲:☓

このルートはある程度明確となっており、1度埼玉県(三郷市)に入った後に千葉県に戻りました。
その後、以下で示す移動ルート10あるいは移動ルート11に繋がっている可能性があります。

移動ルート9:多古町南借当から多古町高津原まで

紫色の細い線

最初の発見地点:千葉県多古町南借当(2020年8月9日)
最終到達点:千葉県多古町高津原(2020年9月4日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート14あるいは移動ルート17あるいは移動ルート18に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

移動ルート10:千葉市中央区生実町から千葉市若葉区坂月町まで

緑の細い線

最初の発見地点:千葉県千葉市中央区生実町(2020年8月11日)
最終到達点:千葉県千葉市若葉区坂月町(2020年8月15日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート12あるいは移動ルート13に繋がっている可能性があります。
最初の発見ポイントとなる千葉市中央区生実町では2匹のサルが目撃されたとのことです。

発見ポイント11:八街市山田台、沖

発見ポイント:八街市山田台付近、沖付近(2020年8月12日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート12あるいは移動ルート13に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

発見ポイント12:八街市八街ほ

発見ポイント:千葉県八街市八街ほ八街中央公園付近(2020年8月24日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート13あるいは移動ルート14に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

発見ポイント13:佐倉市坂戸

発見ポイント:千葉県佐倉市坂戸(2020年9月5日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート14あるいは移動ルート15あるいは移動ルート16に繋がっている可能性があります。

移動ルート14:佐倉市城内町から四街道市大日まで

茶色の細い線

最初の発見地点:千葉県佐倉市城内町(2020年9月15日)
最終到達点:千葉県四街道市大日(2020年9月23日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート16あるいは移動ルート17に繋がっている可能性があります。

移動ルート15:千葉市緑区おゆみ野南から千葉市若葉区更科町まで

黄土色の細い線

最初の発見地点:千葉県千葉市緑区おゆみ野南(2020年9月15日)
最終到達点:千葉県千葉市若葉区更科町(2020年9月23日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート16あるいは移動ルート17に繋がっている可能性があります。

移動ルート16:千葉市佐倉市馬渡から佐倉市大篠塚まで

オレンジ色の細い線

最初の発見地点:千葉県佐倉市馬渡(2020年10月2日)
最終到達点:千葉県佐倉市大篠塚(2020年10月24日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート19に繋がっている可能性があります。

移動ルート17:八街市西林から八街市東吉田まで

桜色の細い線

最初の発見地点:千葉県八街市西林(2020年10月6日)
最終到達点:千葉県八街市東吉田(2020年10月30日)
捕獲:☓

このルートは、以下で示す移動ルート20に繋がっている可能性があります。

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

移動ルート18:成田市村田から成田市村田まで

肌色の細い線

最初の発見地点:千葉県成田市村田(2020年10月12日)
最終到達点:千葉県成田市村田(2020年11月16日)
捕獲:☓

※本来は調査対象外の場所ですが、調査対象内のルートと繋がっている可能性があるので記載しています。

移動ルート19:千葉県白井市冨塚から神奈川県相模原市緑区大島まで

黄色の太い線

最初の発見地点:千葉県白井市冨塚(2020年10月28日)
最終到達点:神奈川県相模原市緑区大島(2020年11月30日)
捕獲:☓

これも移動ルートが明確で、千葉県から迷うこともほとんどなく他のニホンザルの生息域である神奈川県の相模原市まで到達しました。
関東地方南部の市街地に現れた離れザルとしては、珍しい移動の成功例と言えます。

移動ルート20:千葉市緑区誉田町から千葉市若葉区御成台まで

黒色の細い線

最初の発見地点:千葉県千葉市緑区誉田町(2020年11月19日)
最終到達点:千葉県千葉市若葉区御成台(2020年11月30日)
捕獲:☓

その後、千葉県では12月2日に八街市、12月7日・8日に千葉市稲毛区、12月9日に佐倉市、12月10日に千葉市中央区、12月10日に八街市でサルの発見がありますが、どのルートがどう繋がるのかよく分からない状況となっています。

2021年における千葉県佐倉市から富里市までの移動ルート

緑色のルート

最初の発見地点:千葉県佐倉市上代(2021年2月14日)
最終到達点:千葉県富里市根木名(2021年9月30日)
捕獲:☓

こちらは西印旛沼辺りを周回(ほぼ2周)しているサルで、あまり大きな移動をせずに近い場所でうろつく傾向が強いようです。(佐倉市、印西市、成田市で同じ場所を何度も通っている)
上記した2020年に千葉県内で発見されたサルがどこかに身を隠し、再び移動を開始した可能性も考えられます。
今回紹介する離れザルの中では最長の市街地(?)滞在期間を誇ります。

2021年における千葉県千葉市緑区から千葉市緑区までの移動ルート

ピンク色のルート

最初の発見地点:千葉県千葉市緑区平川町(2021年4月6日)
最終到達点:千葉市緑区誉田町(2021年4月26日)
捕獲:☓

こちらは小規模な移動ルートで、2020年に千葉県内で発見されたサルと同一個体なのか別個体なのか確証がとれません。

2021年における埼玉県狭山市から東京都大田区までの移動ルート

オレンジ色のルート

最初の発見地点:埼玉県狭山市入間川(2021年4月7日)
最終到達点:東京都大田区羽田空港(2022年9月22日)
捕獲:○

こちらは2021年の夏に東京都内に現れ騒動を起こした離れザルです。
狭山市・坂戸市付近を往来(細いオレンジ線)した後しばらく姿を消したかと思ったら、再び現れ一気に東京都台東区の上野公園まで南下しました。
その後、1度埼玉県まで戻り東京の23区外へと侵入し、最初と全く別の場所から再び東京23区内へ侵入します。
最終的に羽田空港敷地内で捕獲されましたが、この移動ルートには多くの人が驚いたことでしょう。
この個体は関しては、以下のリンクで詳しく解説しています。

埼玉県・東京都の住宅街に現れたサルの移動ルートまとめ
東京23区内に現れマスコミにも取り上げられている野生のサルについて、過去の発見地点を総ざらいしました。 特に発見情報が不明瞭だったふじみ野市に現れる前の情報を念入りに再調査した結果、抜けている情報が大分あったので、単純な発見情報だ...

2021年における神奈川県・東京都での離れザル発見群移動ルート

神奈川県の市街地では2021年9月に最低2匹のサルが発見されており、移動ルートの特定が難しい場面があります。

移動ルート1:神奈川県相模原市緑区相原から埼玉市所沢市まで

白色の線

最初の発見地点:神奈川県相模原市緑区相原・橋本地区(2021年8月18日)
最終到達点:羽生市下村君(2021年11月10日)
捕獲:☓

こちらは高尾山付近から相模川沿いに南下し後、横浜市内の多摩丘陵へ移動し動き回り、東京都町田市の小山田緑地で姿を消しました。
それから1ヶ月弱ほど姿を消していましたが(未発見期間に別の個体に入れ替わっている可能性も考えられる)、再び多摩丘陵沿いに動き出した後、北に進路を変え東京23区に侵入するも僅か3日で一気に埼玉県まで抜けてしまいます。
埼玉県侵入後も北上を続け、ついに4都県目となる群馬県にまで到達しました。
それから5日間の未発見期間を経て30kmほど離れた栃木県真岡市に現れたサルが、その後の移動速度などから同一個体である可能性が高くなっています。(山に近い場所なので別個体に入れ替わっている可能性あり)
9月の発見時に下記で示す神奈川県の近い場所で別のサルが発見されているので、ルートが混濁している可能性も捨てきれません。

2021年11月1日に埼玉県川口市木曽呂716付近でサルの発見情報があるため、上記のルートは別のサルと入れ違っている可能性も考えられますが、移動速度から11月3日以降に埼玉県で発見されたサルは東京から侵入してきた個体と思われます。
そもそも11月1日に川口市で発見されたサルは、川口市というニホンザルの生息域から遠い場所で突然現れ、その後全く発見例がないなど野生のニホンザル(離れザル)としては不自然な点が多くなっています。

移動ルート2:神奈川県大和市下和田から神奈川県相模原市南区大野台まで

黄土色の線

最初の発見地点:神奈川県大和市下和田(2021年9月21日)
最終到達点:神奈川県相模原市南区大野台(2021年11月6日)
捕獲:☓

こちらの離れザルは相模川の東を南下し相模湾の海岸近くまで辿り着いた後、東へ進み三浦丘陵の山に辿り着きます。
三浦丘陵内でも激しく動き続けていましたが、横浜市を経由し元々の生息地と思われる関東山地に戻った可能性が高くなっています。
神奈川県大和市というニホンザルの生息域から少し離れたところが最初の発見位置となっていますが、初期段階で上記のルートと混濁している可能性があります。

2021年における東京都福生市から埼玉県鶴ヶ島市までの移動ルート

紫色のルート

最初の発見地点:東京都福生市北田園(2021年10月18日)
最終到達点:埼玉県鶴ヶ島市高倉(2021年10月26日)
捕獲:☓

こちらは2021年に東京都の羽村草花丘陵から出てきた離れザルで、横田基地や狭山丘陵をかわして北上しました。
埼玉県鶴ヶ島市を最後に発見例がなくなっているため、高麗丘陵や比企丘陵などを経由し秩父山地へ戻った可能性が高くなっています。

南関東の市街地に現れる離れザルの特徴

最初の発見場所は丘陵地帯が多い

山に生息するニホンザルが市街地にいきなり出てくることはなく、丘陵地帯(低い起伏地帯)という自然と人間の世界が混じり合うような場所を経て、徐々に人間の世界に慣れていき最終的に市街地へと迷い込んでしまうようです。
関東山地から現れた離れザルは、基本的に全てこの例に準じています。(千葉県については別途記載)

ある程度は一定方向へ進む

離れザルの進行方向は1度寝ても次の日に引き継がれ、一定期間は同じ方向へと進む傾向が強いようです。
これはニホンザルが自分が進もうとする方向を記憶しているということで、他の群れへの移動が目的である離れザルの習性なのだと思われます。(方向がある程度定まらないと元の場所からなかなか離れることが出来ないため)

大きな道、線路、橋などを難なく超える

人間の感覚からすると、サルが複数車線の国道や線路、または河川などを超えることが難しいのではないかと思いがちですが、離れザルはこれらの障害を物ともせずに超えている様子が上記の移動ルートから伺えます。

方向転換するきっかけは、大きな川か森林地帯

離れザルが大きな川を越えることがあると言っても橋がなければ不可能なわけで、川に辿り着いた場合は一旦方向転換をせざるを得ません。
そうやって方向転換したサルが、そのまま別の方向へ進んでいくケースもよくあるようです。
また、市街地の合間にある森林地帯などでしばらくの休憩期間を挟むぬと今までの進行方向がリセットされ、方向転換する確率が高くなる様子も伺えます。

田畑より住宅街を好む

人からすると住宅街より田畑のほうが自然がありサルにとっては過ごしやすいと思いがちですが、本来の生息域が森であるニホンザルにとっては開けた土地は落ち着かないようで、却って住宅密集地のほうが落ち着けるようです。
住宅密集地なら身を隠せますし、高低差もあって森に近い感覚なのかもしれません。
住宅街では屋根や電線などを巧みに使って移動し、住宅の庭に植えてある果実などを食べる様子も報告されています。

1日10km以上進むこともある

森の中では1日1kmから2kmしか進まないと言われるニホンザルですが、障害物の少ない平地では1日で一気に10km以上進むことがあります。
これは上記した開けた土地を嫌うことが大きな要因になっているものと思われます。

千葉県はサルの出没が多い

埼玉県や神奈川県の山に住むサルは西側に進めばいくらでも森が続いているわけですが、半島(房総半島)に住む千葉県のサルが群れから離れて大きく移動しようと思ったら、北(平地の市街地側)に進むしかルートの選択がありません。
更に、房総丘陵の北側には下総台地という丘陵以上に自然(小さな山)と人間が住む世界(平地)が混ざりあった場所が続いているため、どうしても野生のサルが市街地へ紛れ込みやすくなるようです。
そもそも千葉県のニホンザルは他の地域と分断された孤立群なので、市街地を通って他の地域まで移動することは、この地に住むニホンザルにとっての宿命なのかもしれません。

マスコミが騒ぎ出すのは東京23区に入ってから

これはサルの特徴ではないですが、離れザルについて大手メディアが取り上げるのは決まって東京23区に入ってからとなっています。
そのため、埼玉県、千葉県、東京都多摩地区、神奈川県の市街地にサルが出没しても地元民しか気付かず、上記のように南関東の市街地に数多くの野生のニホンザルが出没していることを知っている人はほとんどいないのが現実なようです。

人に危害を加えることはまずない

南関東の市街地に現れたニホンザルが人に危害を加えたという話はほとんど聞くことがありません。
威嚇するぐらいなことがあっても、実際に人に襲いかかったなどという例は、捕獲する際の混乱時を除き上記した移動ルートの中には1件もありませんでした。(2021年に千葉県の印旛沼周辺に現れたサルは少し凶暴らしい)
その理由はニホンザルが人間の5分の1程度の大きさ(重さ)しかないためで、5倍も大きい同じ霊長類を襲うサルは世界中を探しても例がないはずです。
一方、九州の市街地に現れたサルが人を襲ったというニュースは複数確認することが出来ました。
関東地方でも栃木県の日光や神奈川県の小田原などで、人に危害を加えるニホンザルが確認できます。
これらの人を襲うサルは、いずれも人に対する恐怖心がなくなっていることが伺え、安易な餌付けなどにより人から餌を得ることを覚えてしまった可能性が考えられます。

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