東京オリンピックの開催期間に全くオリンピックに関連した記事を投稿しませんでしたが、当然、海外の反応サイトではオリンピックについて大きな話題となっていました。
私自身、スポーツ関する話題が苦手ということもなく、過去に何度もスポーツ関連の記事も書いていますので、東京オリンピックについての個人的な感想をまとめて書いていきたいと思います。
サッカー
今回のオリンピックにおいて国内でもっとも注目を集めた種目は男子のサッカーです。
サッカーはオリンピック以上に盛り上がるワールドカップがあり、選手に年齢制限があるため他競技に比べてオリンピックでは盛りがらない傾向ありますが、今回は日本にメダル獲得の可能性が十分にあって選手たちも金メダルを目指すと公言していたため、大いに盛り上がりを見せました。
しかし、結果はオリンピックにおいてもっとも悔いが残るであろう4位という残酷なものでした。
3位決定戦を観る限り、日本人選手の気持ちが途切れてしまっているような感じもしたので、この目標設定には問題があったのかもしれません。
普通に考えて、現在の日本サッカーのレベルを考えれば自国開催とは言え金メダル獲得という目標は高すぎると言えます。
高い目標を持つことは悪いことではないですが、しかしその目標が叶わなくとも次があるという状況になった際、選手に燃え尽き症候群のようなことが起こるリスクも抱えてしまうわけです。
チームスポーツは選手の気持ちが高レベルで統一してなければ勝てないことは当然で、そういった部分が3位決定戦での大敗に繋がったようにも感じました。
森保ジャパンには、今回の経験を是非ワールドカップに活かしてほしいと思います。
サッカーについては、少し細かい中身についても書かさせていただきます。
今回の日本代表は決勝トーナメントに進出した途端に得点力不足に陥りましたが、私は全体を通して守備面で気になる点がありました。
予選リーグのメキシコ戦で失点はフリーキックによるものでしたが、そのフリーキックになった経緯がいただけません。
日本の失点は相手チームが1人退場し数的有利となった状況で起きているのですが、この数的有利を活かしてサイドライン際でメキシコのボールを2人で取りに行った際、無理にボールを取りに行ってファウルを取られているのです。
あそこはどう考えても無理にボールを取りに行く場面ではなく、落ち着いてディフェンスするべきだったかと思います。
続いて準決勝のスペイン戦での失点です。
あの失点はスローインからのシュートでしたが、その前にペナルティエリア内のサイドから相手が攻めてきた際に、誰もケアーしないということがあり、その際のボールは何とかサイドラインにクリアしたのですが、結局そのスローインから点を入れられてしまいました。
延長後半ということで疲れがあったのかもしれませんが、最後の最後で踏ん張っていた守備陣に穴が生じたことが負けに繋がったと思います。
最後に3位決定戦におけるメキシコ戦での1失点目です。
この失点は、日本の守備陣が後ろのほうで不用意にパス回しをしていたところをメキシコ人選手に詰められ、結果、無理なパスが続き良いところで相手にボールを取られ速攻を仕掛けられます。
その速攻は最後のところで何とか止めたのですが、その止めた行為がペナルティエリア内のファウルとなりPKで失点してしまいました。
この3失点はいずれも日本守備陣の明確なミスなので、フル代表での重要な試合に向けてしっかりと対策してもらいたいと思います。
野球・ソフトボール
野球とソフトボーリはどちらとも金メダルという最高の結果なので、何も言うことはありません。
ただ、新競技の参加人数に規制があったとは言え6チームしか参加しないことには違和感しかなく、特に野球の複雑な決勝トーナメントは国内外から疑問や批判の声が多く挙がっていたようです。
これでは次回のパリオリンピックに採用されないのも仕方がないと思ってしまいました。
陸上
数多くの競技がある陸上を一括にするのもどうかと思いますが、メダルの獲得が男子20km競歩の2つだけだったこともあり、ここでまとめて総括します。
メダルの数からも分かるように、東京オリンピックいおける日本の陸上競技は期待を超えるようなものではありませんでした。
特に期待外れだったのが男子の短距離種目です。
前大会まで2大会連続でメダルを獲得していた男子400mリレーでは、100m9秒台の記録を持つ選手を揃えながらバトンパスのミスから失格に終わり、オリンピック最大の花形種目である男子100mでも、決勝はおろか準決勝にも進めないというまさかな結果に終わっています。
その他の種目ではある程度の活躍はあったもののメダルには届かず、結果、日本の陸上競技におけるメダル獲得数はリオオリンピックと同じで自国開催の有利を活かしきれませんでした。
競泳
競泳は、女子メドレーの大橋悠依選手が金メダル2つは獲得しましたが、それ以外では男子200mバタフライの本田灯選手が獲得した銀メダル1つに終わり、期待を下回る結果となりました。
特にメダル獲得の期待のかかった男子選手の結果が振るわず、力をセーブして泳いで予選が通過できないというあるまじきミスまで起こっています。
東京オリンピックに様々な面で翻弄された池江璃花子選手には、体調が万全になるであろう次のオリンピックで頑張ってもらいたいと思います。
体操
体操競技は、今回のオリンピックでは鉄棒種目だけの出場となった内村航平選手が落下し予選落ちというアクシデント的な出来事もありましたが、総合で金メダルを獲得した橋本大輝選手を中心に他の選手が十分にリカバリーし期待通りの結果を残したと思います。
女子でも57年振りにメダルを獲得したことは、自国開催効果が多少なりともあったのではないかと思います。
柔道
今回のオリンピックで日本勢の活躍が1番顕著だったのが柔道です。
15種目中12種目でメダルを獲得し、内9個が金メダルという海外勢から批判を浴びるのではないかと思うぐらいの圧倒的な強さを見せつけました。
しかし、もっとも金メダルの獲得が容易であろうと思われた混合団体で銀メダルだったことは、反省点として帯を締め直してもらいたいと思います。
レスリング
日本がもっとも得意とする競技である女子レスリングは、2018年のパワハラ騒動による混乱で体制に大きな変更もあったと思いますが、そういったマイナス点をも跳ね除け6階級4階級で金メダルを獲得するなど相変わらずの強さを見せました。
男子のほうも金メダルを獲得し、レスリング競技は期待通りの活躍が出来たと思います。
ボクシング
今回のオリンピックで、柔道やレスリングに負けないぐらい頑張った格闘技系競技がボクシングです。
特に女子選手が金メダルを含めメダル2つを獲得し、予想以上の結果を残すことに成功しました。
バレーボール
バレーボールは男子が29年ぶり予選リーグを通過したものの、女子は25年ぶりの予選リーグ落ちというちぐはぐは結果となりました。
予選リーグを通過した男子にしてもメダル争いができるレベルではなく、個人的に日本バレーボールの暗黒時代が始まってしまうと予見するほどの結果でした。
特に女子の韓国戦で、第5セットの14-12から4連続で失点して負けた試合は何とかならなかったものかと強く思います。
あそこで勝っていたら少なくとも予選リーグは通過できたと思うので、悔しい気持ちが今でも残ります。
バスケットボール
今回のオリンピックで良い意味でもっとも番狂わせだったのは女子バスケットボールでしょう。
新種目となった3×3の女子はひょっとしたらメダル獲得もあり得るのかと思っていましたが、正規ルールのほうでメダルを獲得するとは思っても見ませんでした。
平均身長が西洋各国より低い日本では、どうしても背の高い選手をバレーボールとバスケットボールで取り合いになってしまいますが、今回の女子バスケットボールの活躍によりバレーボールよりもバスケボールのほうに背の高い人が流れる可能性が考えられます。
男子のほうは、世界最高峰のプロリーグであるNBAで活躍する八村塁選手や渡邊雄太選手を擁してもまだまだ世界との差があることを痛感し、世界のバスケットボールレベルを再確認する結果となりました。
テニス
テニスは、前回銅メダル錦織圭選手と世界ランキング最高1位で聖火リレーで最終ランナーを務めた大坂なおみ選手の2人頼りすぎな感が否めませんでした。
特に男子は31歳になった錦織圭選手1人がシングルスにもダブルスにも出場するという、明らかに無理な日程で参加しており、結果どちらも中途半端な結果になったしまいました。
バドミントン
今回のオリンピックでバスケットボールとは逆に悪い意味で番狂わせだったのがバドミントンです。
大会開始前は、金メダル含む複数のメダル獲得が期待されていましたが、結果は混合ダブルスの銅メダル1つでした。
選手の怪我などによる影響もあったのでしょうが、今回の成績は明らかに実力を活かしきれておらず、統括組織のほうで原因の分析をしっかりと行ってほしいと思います。
卓球
近年、日本で大きな注目を浴びるようになっている卓球は、新種目だった混合ダブルスの金メダルを含む5種目中4種目でメダルを獲得と、十分過ぎるほどの活躍をみせました。
特に日本女子卓球界の新エースとなった伊藤美誠選手が金銀銅コンプリートとなる3つのメダルを獲得し、20歳という年齢も踏まえ今後に期待したいと思います。
しかし、混合ダブルス以外の全て種目で金メダルを獲得した中国との間に差がまだまだあることも証明され、この問題を解決できない限り日本がオリンピックの舞台で金メダルを獲得することが難しいこともよく分かりました。
ゴルフ
1発勝負で完全に実力が反映されるわけではない部分もあるゴルフで日本人選手はよく頑張ったと思いますが、なんともスッキリしない結果だったことも事実かと思います。
まず男子ですが、3位タイでホールアウトした松山英樹選手にスッキリしない点を感じました。
松山英樹選手は最終日の15番ホールにめちゃくちゃ惜しいバーディーパットの後、短いパーパッドを外してしまい、その後も16番、17番、18番と惜しいバーディーパッドを外し続けます。
最終的に3位タイでホールアウトしているので、上記のパッドがどれか1打でも決まっていればメダルが確定しただけに悔しい気持ちが残ってしまいました。
女子のほう稲見萌寧選手が銀メダルを獲得しましたが、金メダルも狙えただけに何ともモヤモヤが残る結果となりました。
稲見萌寧選手は、最終日の後半まで1位とは差があるので優勝は無理かと思っていたのですが、天候も味方し、ここで決めなければ逆転は不可能という場面の17番ホールで見事にトップに追いつき見せ場を作ります。
しかし、18番パー4の2打目をバンカーに入れボギーとなり金メダルを獲得することは出来ませんでした。
おそらく勝負に出てバーディーを狙い、後に続く1位の選手にプレッシャーをかけようと思ったのでしょうが、結果は裏目となり優勝を逃し、観ている側の感情は高低差ありすぎて耳がキーンとなる状態だったと思います。
結果、稲見萌寧選手は再開後に十分過ぎるほど時間をかけてバーディーパッドを打つことができ、見事このバーディーパッドを沈めます。
一方、最終組で回る1位の選手は雨の影響もあってかセカンドショットに精彩を欠き、チャンスホールでバーディーをとることが出来ませんでした。
オリンピックにおいて悔しい順位と言えば2位と4位なわけですが、ゴルフは男女でこの順位となり、なんともスッキリしない結末となってしまいました。
空手
空手の組手は今回のオリンピックで新規採用された競技ということで日本選手の実力を把握してはいませんでしたが、日本発祥の競技(武道)ということで日本人選手はかなり強いと勝手に思っていました。
フルコンタクト空手はキックボクシングとの違いが少いので厳しくとも、かなり独特なルールである寸止め空手なら日本人選手がそれなりに強く、金メダルを複数穫れるぐらい勝手に思っていたのですが、結果は銅メダル1個という期待を大幅に下回るものでした。
おそらく私以外の多くの日本人も、空手では日本人選手がもっと活躍すると思っていたことでしょう。
特にガッカリしたのは、西村拳選手が勝てばメダルが確定する試合で最後の最後で逃げに徹し逆転された場面です。
全く攻めようとしない西村拳選手には最初から違和感がありましたが、最後の逃げ方には情けないものがありました。
あの逃げは、日本人が描く空手のイメージとも大きな差があったように感じ、オリンピックという魔法にかかると武道がこんなに簡単にスポーツになってしまうのかと悲しくなりました。
創作物などで作られたであろう空手がもつ神秘性もあの瞬間に崩れてしまったように感じ、オリンピック競技になったことが却って空手にとってマイナスだった気もします。
出来れば空手の団体は、今後オリンピック種目を目指さない方向で発展を目指してもらいたいと思います。(ちなみに空手は次回のパリオリンピックでは開催されません)
形は男子は金、女子は銀と期待通りの結果を残しましたが、採点基準の分からないような競技は、そもそもオリンピック競技にするようなものではないという意見が国内ですら大半を占めており、オリンピックの舞台で空手の形を見るのは今回が最後になるのかなと感じました。
その他の新種目
東京オリンピックで新規採用となったスケートボード、サーフィン、スポーツクライミングで日本人はメダルを獲得し、特にスケートボードは金3つ、銀1つ、銅1つと若い選手が想像以上の活躍を見せました。
これらの競技は次回もパリオリンピックでも行われることが決まっていますから、選手は今後も頑張ってもらいたいと思います。
その他種目
申し訳ないですが、その他のスポーツは一括して考えさせてもらいます。
その他競技のメダルは、
フェンシング:金
自転車トラック:銀
アーチェリー:銅
ウエイトリフティング:銅
という結果で、フェンシングで金メダルをとったとは意外でしたが、トータル的にはいつものオリンピックと同じ程度で自国開催の利点はあまり活かされなかったように感じます。
総括
日本の金メダルは目標の30に届かなかったですが、国民から支持されずに無観客となり、自国開催の利点が半減した状況では十分の結果を残したかと思います。
正直、新型コロナウイルスの影響で1年の延期した挙げ句、開催すらも危ぶまれた今回のオリンピックについて、選手たちのストレスは限界に達していたものと思われます。
実際に練習や選考試合にも大きな影響があり、出場が出来ない選手も多数いました。
特に2021年の開催直前になって開催地の東京で新型コロナウイルスの感染者数が急増し、オリンピック開催について国民や都民の支持を失っていく過程は、日本人選手に相当のストレスを与えたことでしょう。
そして観客数を5千人から1万人にまで増やすことを画策し、その根拠として感染拡大の徴候があるにも関わらず緊急事態宣言を解いた結果、感染爆発を招いて無観客開催にしてしまった日本政府の責任は大きいかと思います。
以上が、私からの東京2020オリンピックの総括となりますが、最後にオリンピックに参加した全ての選手・関係者に『お疲れさまでした』と労いの言葉をかけさせていただきます。
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