Amazon版ロード・オブ・ザ・リングにみる人種差別問題

社会問題
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これは海外の反応サイトで話題になっていたわけではありませんが、海外のネタとしてAmazonプライムで公開された『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』についての話題を取り上げたいと思います。

このAmazonプライムのロード・オブ・ザ・リングは、今まで白人が演じることが定番だったエルフやドワーフといった仮想上の種族を黒人が演じ、世界中で大きな議論となったのです。
エルフやドワーフは空想上の生物ながら白人社会の文化から生まれたもので、外見的にも白人として描かれることが定番でした。
2001年から2003年にかけて公開され、数々の賞を獲得した映画版のロード・オブ・ザ・リングにおいても、エルフやドワーフは(ホビットも)全て白人が演じており、このことは多くの人が知っているかと思います。
そういった背景があるにも関わらず、突然エルフやドワーフを黒人が演じ始めたというのですから違和感を覚えた人も多く、議論になるのも当然の話です。

ロード・オブ・ザ・リング及びその原作の指輪物語はファンタジー作品なので、現実の歴史と違うことは当然ですが、世界観を見る限り現在的でも未来的でもありません。
指輪物語には高層ビルも自動車も出てくることはなく、歴史的な背景は明らかに過去的で、少なくとも産業革命以前の世界観をもとに描かれていることは間違いないはずです。(スター・ウォーズのように未来的なのに過去の話としている場合もある)
更に言及すれば、銃も登場せず航海技術も乏しくみえるので、大航海時代以前の中世ヨーロッパをベースにした時代設定であると想定されます。(Amazonプライムのロード・オブ・ザ・リングは、映画版のロード・オブ・ザ・リングよりも更に過去の話である)

こういった時代に白人と黒人は顔を合わせることはほとんどなく、その後、黒人と出会った白人は、黒人を同じ人間ではない動物のような存在だとして奴隷にしました。
エルフやドワーフに黒人を起用したことは人種差別をなくすという考えからと思われ、この考え自体はとても素晴らしいと思うのですが、Amazonプライムのロード・オブ・ザ・リングは白人が黒人を差別してきた歴史そのものをないものにしているような気がして大きな違和感を覚えました。
もし第二次世界大戦前を舞台にしたフィクション作品で、西洋人も黒人もアジア人もユダヤ人もジプシーも、みんな仲良くしていたら時代設定上おかしいわけで、エルフやドワーフへの黒人採用はそういった違和感を受けた人が多かったと思われます。

もし指輪物語の中に黒人のエルフやドワーフが存在しているのなら、作者のトールキンは白人のエルフやドワーフと黒人のエルフやドワーフが初めてあったエピソードなどを細かく描いたと思います。
日本の漫画作品である『進撃の巨人』では、登場する黒人に白人が『なぜ肌が黒いのですか?』と聞く場面があり、このエピソードは海外でも話題になりました。
現在において人種、とくに黒人の人種問題は触れてはいけない雰囲気があるのですが、白人しかいない世界に黒人が現れたら疑問を感じることは当然で、触れないほうがおかしい話です。
しかしAmazonプライムのロード・オブ・ザ・リングは、何の説明も描写もなく普通に黒人のエルフやドワーフが登場人物として存在しているのですから、その違和感はより大きいのです。

これは人種差別をなくすという考えだけではなく、様々な人種から作品を観てもらいたいというマーケティング的な考えもあるものと想定されます。
ハリウッド映画にアジア系の人が1人だけ出演しているような作品はよく見受けられますが、これもマーケティング戦略によるものです。
こういった浅はかな考えで、今までの価値観を変えるような指輪物語の描き方をしたのですから、作品のファンが批判することも頷ける話です。

現在の白人社会は人種差別(特に黒人差別)に対する忌避感が強すぎて、自分たちが人種差別してきた歴史すらもないものにしてしまうような映画やドラマ作品が多数作られているように感じます。
人種差別のある作品をみた子供が影響を受けて差別をするようなことを避けるため、あえて事実を曲げている部分もあるのでしょうが、負の歴史も事実は事実として受け止める必要や覚悟がもう少し必要なのではないでしょうか?

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