ファーウェイの独自OSは本格的な米中新冷戦を招くきっかけになるかもしれない?

経済
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中国の通信機器メーカーで、2018年のスマートフォンシェア世界第3位を誇るファーウェイが、米中貿易摩擦の影響で利用が危うくなったAndroid OSの代わりとなる独自OS『HarmonyOS』を発表しました。
このニュースは、米中新冷戦を加速させる材料になると個人的に考えています。
以下、米ソ冷戦との比較を交えてその理由を説明していきます。

アメリカとソ連が激しく対立したかつての米ソ冷戦は、人の往来もほとんどなく工業規格も違うなど、本当の意味での冷たい戦争でした。
一方、米中新冷戦と呼ばれる現在のアメリカと中国の関係は、お互いが最大クラスの貿易相手国であり、一般市民も自由に行き来する関係で、米ソ冷戦とはかなり様相が異なります。
しかし、現在の経済社会でもっとも重要となった情報(インターネット)の観点で見れば、その様子は変わってくるかもしれません。

現在のインターネットサービスにおいて、検索サイトと言えば『Google』、SNSは『Facebook』、『Twitter』、『Instagram』、動画サイトは『You Tube』、通販サイトは『Amazon』などが世界的に有名ですが、これらは全てアメリカ発祥のサービスとなっています。
なぜこんなにもアメリカ一遍になるのかというと、それはアメリカで使われている言語が英語だからです。
新しいインターネットサービスを始める場合、世界的な大企業でなければ、まずは自国で成功を収めてから世界で勝負することになります。
You TubeもFacebookも元々個人が立ち上げたようなもので、そこから大成長を収めました。
国境がないに等しいインターネットの世界では、言語が同じであれば国をまたいで同じサービスを共有できるため、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英語を母国語としている国、またそれ以外の英語を話せる人の中で英語由来のサービスは一気に広まりやすくなります。
今や世界の標準語として英語圏以外の国でも英語を話せる人は多数いるため、英語圏で生まれたインターネットサービスは世界的なヒットを生みやすい環境にあるのです。

日本のような一カ国しか使っていない言語では、なかなかインターネットサービスで世界的なヒット作を生み出せません。
楽天市場、アメーバブログ、ニコニコ動画、AbemaTVなど、いくら日本国内で頑張っていても世界進出は厳しいのが現実です。

しかし、一カ国でも十分にインターネットサービスでヒット作を誕生させられる国があります。
それが中国なのです。
中国の人口はおよそ14億であり、話し言葉に地域的な違いはあれど書き言葉は基本的に共通しているので、中国だけでも十分にインターネットサービスの商売が成り立ちます。
事実、『Google』も『Facebook』も『Twitter』も『Instagram』も『You Tube』も『Amazon』も、中国では検閲されてまとも使えず、中国独自のサービスで全て賄っているという実態があります。
そして、そのサービスが中国国内で巨大化して世界に躍り出ることにも成功しているのです。(アリババなどがそれ典型的な例)
このように、情報(インターネット)の分野でみれば、工業規格が違っていた米ソ冷戦と現在の米中新冷戦は同じような構図になるのかもしれません。

しかし、インターネットを使う媒体のOSだけは、中国であっても世界と足並みを揃えています。
OSも上記したインターネットサービスと同じ理由でアメリカがとても強く、パソコンなら『Windows』や『Mac OS』、スマートフォンなら『Android』や『iOS』といった具合です。
こういった状況の中、紆余曲折あってファーウェイは自社のスマートフォンに独自OSの搭載を決めたわけです。
このOSの分野でも中国が独自路線を歩んでいけば、人口14億人を誇る中国が情報サービスで完全に他の世界と隔離する可能性が出てきます。
日本の場合は、ガラパゴス化が経済発展失敗の象徴のような言われ方をしていますが、14億人はガラパゴスのような小さな島ではなく、もはや大陸クラスになるので大きな問題とはなり得ません。
むしろ、世界中を席巻しているアメリカの情報サービスを排除し、独自の路線に進むことは大きなビジネスチャンスになるのかもしれないのです。

以上のようにファーウェイの独自OS発表のニュースは、中国とアメリカとの間に本当の意味での冷戦がはじまる予感がしてなりません。

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