一時期、18歳未満の結婚を問題視するユニセフと思われる慈善団体のネット広告がよく表示されていました。
そこには、
『サハラ以南のアフリカでは37%の女の子たちが18歳未満で結婚しています』
『サハラ以南のアフリカの3人にひとりの女の子が18歳未満で結婚しています』
などという言葉が並び、以下のような黒人女性の画像が掲載されていました。
画像引用:ユニセフ
児童婚と呼ばれる18歳未満の結婚に問題がないわけではありませんが、わざわざ黒人女性の画像を載せサハラ以南のアフリカ人をターゲットにしているとしか思えないような論調で、このことを世間に訴えることには違和感を感じると言わざるを得ません。
アフリカでは無理やり結婚させられる女性が多く、その中に18歳未満の女性もいるそうなのですが、無理やり結婚させられているのなら年齢に関係はなく問題であり、問題の本質は児童婚のほうではない気もします。
というか、多数の国に跨るサハラ以南のアフリカで37%も女性が18歳以下の結婚しているというのなら、それは既にその地域の特性や文化と言える可能性もあるのではないでしょうか?
そもそも動物学的に言えば、18歳未満の結婚や出産は至って普通の行為です。
以前にも記事にしましたが、文明化されていないアマゾン奥地の民族では、平均14歳程度で初めての出産を経験することが分かっています。
動物(少なくとも哺乳類)は、基本的に子供が産めるようになったらなるべく早く出産をしようとします。
子孫繁栄という観点で考えれば、子供を産める状態を長らく放置していることは何ら意味のない行動なのです。
その点を考えると、人間の初潮年齢から14歳程度の出産は至って普通となり、実際に人類はつい最近までこのような出産年齢で子孫を反映してきました。
大河ドラマとなった『利家とまつ』のまつは、12歳で最初の子供を出産したほどです。
先進国では女性の社会進出と共に結婚年齢や出産年齢が大幅に上がっており、18歳未満での結婚や出産に違和感を感じるようになってきましたが、それを他国や他の地域に対しても強要することは文化の押しつけとも言えます。
現在は文化の押しつけが差別と認識され、国際機関でも問題視されるようになっています。
しかも18歳未満の結婚をダメとする価値観は、西洋人を中心とした先進国※がここ最近になって作り上げた価値観でしかなく、自分たちも100年前までは若い年齢で結婚していたはずなのです。
西洋人は、かつてアメリカ大陸の90%以上の人々を死に追いやり、改宗を強制し文化の大半を滅ぼしました。
そんなアメリカ大陸への労働力とするため、アフリカから人々として無理やりに移動させ奴隷として扱ったりもしています。
このような圧倒的に間違った歴史を歩んできた西洋人が、アフリカ人に対し自分の価値観を押し付けることはどう考えても正しいとは思えません。
西洋人からすると、黒人の児童婚問題を正すことは、天使(西洋人)が愚かな人間(黒人)を正しい方向へと導いているつもりかもしれませんが、私からすれば、悪魔がまっとうな人間に自分たちと同じように生きろと強要しているようにしか思えないのです。
もっと深いことまで考えると、アフリカ人の児童婚の問題はユニセフなどといった慈善団体が寄付集めのアピールのために考えついた一種のトレンドとも考えられます。
慈善団体の考えは、どの問題をアピールすれば西洋を中心とした先進国の人々の心に刺さりやすいかということであり、アフリカ人の児童婚は寄付を促すためのわかりやすいキーワードでしかないわけです。
そして1つのトレンドが廃れると、再び自分たちの価値観に合わない別のことを取り上げ問題視するのです。
このような慈善団体の考えは『自分たちと違う=悪』ということであり、キリスト教による十字軍と思考回路が何も変わっていないと言えます。
医療が発展しておらず出産時や乳児の死亡率が高かった時代、人間はどのように子孫を繁栄したでしょうか?
それは子供が亡くなったら再び産むということを繰り返すのです。
亡くなる度に産むと聞けば残酷に感じるかもしれませんが、これは動物の基本的な行動に他なりません。
そのため出産機会を増やすために出産年齢が低く保つことには、合理性があったわけです。
現在は医療の発達し新生児の死亡率が大幅に減っていますから、児童婚を問題視する行動は一理ありますが、逆に言えば医療の発展していない地域では出産年齢が低い傾向になることも理解ができます。
おそらくアフリカで結婚年齢が低い理由には、こういった事情もあるのでしょう。
新生児の死亡率が改善した国々では、若い段階で出産するリスクのほうが問題視され、出産年齢の高齢化と共に出産回数も減りサハラ以南のアフリカを除くほとんどの地域で少子化が起こっています。
しかし、この少子化が世界同時多発的起こったことによる弊害も大きくなっているように感じます。
その弊害とは、親が子供に対し過保護になっているという問題です。
子供が大勢いた時代は放任主義的な育て方をしていたわけですが、子供が少なくなると親は子供に対して監視の目を光らせます。
これは親だけではなく、社会全体的も子供に対し過保護という名の監視を行っています。
実際に世界中で子供を保護するような法律や価値観が次々と生まれ、18歳未満の結婚もその過程で忌避されるようになりました。
しかし、これは大人の理論における子供の保護であり、実際は子供の行動に規制をしているにすぎません。
18歳未満の自由な恋愛を規制するような法律や働く時間の規制する法律などは、一見、子供の保護をしているようでも、実際には子供の行動に規制がかかっているわけです。
日本にも青少年保護条例という子供を保護を謳った条例がありますが、この条例における大人側の本音は『ガキは自分勝手に行動するな』という子供に対する縛り付け以外の何ものでもないのです。
そんな窮屈な生き方を強いられる子供が本当に幸せなのでしょうか?
こういった条例や法律は、現実を考慮せずに教科書ばかり読んできた頭の良いバカが作っているのでしょうが、問題の本質は児童婚を問題視する慈善団体と何ら変わりがないと思います。
以上、児童婚にまつわる様々な問題を考えてみました。
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