本日、オリンパスがカメラ事業を売却するというニュースがありました。
オリンパスのカメラをフィルムカメラを含め7台も保有する私ですが、
『えぇええええぇぇぇっ!!』
ではなく、意外に
『ついに来たか・・・』
というのが本音です。
今回は、このオリンパスのカメラ事業売却についての話をしたいと思います。
現在のカメラは、映像処理技術の発展によりスマートフォンのカメラでも非常に綺麗に写真や動画が撮れるようになっていることは、既にほとんどの人が実感していることでしょう。
こういった状況を踏まえ、カメラメーカーはスマートフォンカメラとの差別化を図るため、より高画質な写真・映像を撮れるカメラの開発・販売に力を入れています。
具体的には、センサーサイズの大型化を図っているのです。
ここで、デジタルカメラ画質を決める要素について説明します。
デジタルカメラは、主に以下の3つの要素で画質が決まります。
1、イメージセンサーの性能
2、レンズの性能
3、映像処理技術
この内、イメージセンサーは性能云々より大きさの影響が強く反映されます。(カメラのブログでないので細かい説明は省きますが)
そのため、現在のカメラメーカーはフルサイズというかつてのフィルムカメラ(35mmフィルム)のフィルムと同じサイズのイメージセンサーを使ったデジタルカメラを続々と誕生させているのです。
これは、構造的にイメージセンサーのサイズが限定されるスマホには真似できない芸当であり、スマートフォンカメラとの差別化が図れるというわけです。
一方、オリンパスが採用しているイメージセンサーのサイズは、フルサイズよりだいぶ小さいフォーサーズ(マイクロフォーサーズ)という独自規格のサイズとなります。(スマートフォンカメラのイメージセンサーに比べれば遥かに大きい)
センサーサイズが大きくなると、カメラのサイズはもちろんレンズのサイズも大きくなるため、素人がそう簡単に扱える代物ではなくなってしまいます。
オリンパスが採用しているフォーサーズサイズのイメージセンサーでは、カメラ全体のサイズをだいぶ小さくすることできるという利点があるのです。
しかし、映像処理技術の発展によりスマートフォンカメラの性能が良くなり、他のメーカーがフルサイズのイメージセンサーを採用した結果、オリンパスのカメラは中途半端なものになってしまいました。
それが販売不振を招き、今回のカメラ事業売却へと繋がっていくわけです。
カメラはメーカーごとにレンズ(マウント)やオプションパーツが独自に開発され、基本的に他メーカーとは共通性はありません。
しかし同じメーカー内なら使いまわすことができるため、レンズやオプションパーツを資産として残すことができるわけです。
そのため、カメラを趣味に持つ人は同じメーカーのカメラを10年間も使い続けるようなことが普通だったりするのです。
逆に、今回のようにメーカーがカメラ事業から撤退したり、システムの大幅変更をしたりすると、今まで集めてきた資産が無意味になってしまいます。
ですので、オリンパスのカメラ事業撤退というニュースは、オリンパスのカメラを使っている人にとってはかなり衝撃的なニュースになるわけです。
しかし冒頭で示した通り、オリンパスユーザーの私は今回のニュースについて大きな驚きは示しませんでした。
それは、オリンパスのカメラ事業撤退の噂は随分前からあったからです。
粉飾決算でオリンパスのニュースが大きく問題になったときからカメラ事業の売却の噂はあり、ある意味、今回のニュースについて心の準備はできていたわけです。
そして、ここからが今日の本題になります!
報道によれば、オリンパスのカメラ事業は1度日本のファンドに売却されるようですが、その後の状況は不透明となります。
過去の日本企業の家電がどこに売却されたかというと・・・
サンヨー白物家電:中国企業
シャープ:台湾企業
富士通パソコン:中国企業
NECパソコン:中国企業
パイオニア:香港ファンド
東芝白物家電:中国企業
東芝パソコン:台湾企業売却後のシャープ
以上のように、日本の家電はものの見事に中華系企業に売却されています。
このことから、オリンパスのカメラ事業も中国系企業に売却されるのではないかとカメラファンの間で話題となっているのです。
カメラは日本が独占している産業であり、この牙城が崩れると一気に崩壊してしまう可能性があります。
実際にドイツ中心だったカメラ産業を日本が一気に奪ったという経緯もあり、今後の日本のカメラ業界に対し不安を感じざるを得ません。
まず、オリンパスのカメラが採用していたマイクロフォーサーズという規格のカメラについてですが、フルサイズのカメラほどではないにせよ、画質もよくオリンパスとても良いカメラを開発するメーカーでした。(レンズ開発も含め)
ですので、フルサイズカメラより小さいという部分を活かせれば、まだまだ十分勝負できる性能を持ち合わせていたと思います。
そして、マイクロフォーサーズというのはオリンパス独自の規格ではなく、共通規格として他社も参入しているのです。
と言っても、現実的に採用しているのはパナソニックだけに等しく、そのパナソニックも昨今のカメラ事情を踏まえてフルサイズカメラを開発・発売し、そちらのほうに主軸をシフトさせていくものと思われます。
だったら一層のこと、パナソニックもマイクロフォーサーズのカメラ事業を売却してし、『株式会社マイクロフォーサーズ』を立ち上げたらいいのではないでしょうか?
マイクロフォーサーズカメラの利用ユーザーならわかるでしょうが、オリンパスとパナソニックのレンズは共通マウントにもかかわらず中途半端な違い※あり、共通規格の利点があまり活かされていませんでした。(手振れ補正をカメラ側でするかレンズ側でするかの違い)
ですので、マイクロフォーサーズをまとめて一から出直せば、十分利益を上げられるカメラメーカーが誕生すると思います。
実際は、ライバル企業となり得る企業にパナソニックは事業を売却できないでしょうし、オリンパスのカメラ事業を買収するほど現在のカメラ産業に対し魅力も感じていないでしょう。
しかし、そんなことを言っていたら中国系企業に日本のカメラ産業を奪われかねない事態に陥りかねません。
ここは政府もしっかり動いて、日本のカメラ産業が崩れないよう努力してもらいたいと思います。
以上、オリンパスファンの素人カメラマンより。
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