韓国系の反応サイトを見ていると、『日本は(経済的に)滅んだ国』だとか『もう終わった国』などと言う人がとても多くいることに気付きます。
これは『失われた20年』または『失われた30年』と言われる、長期間に渡った日本の景気低迷が原因なのでしょう。
確かに日本の景気は、長期間に渡って低迷しています。
ただこの問題、日本だけの問題なのでしょうか?
日本が長期間に渡って景気低迷した発端は、バブル経済の崩壊にあります。
バブル景気とは地価や株価の異常な上昇であり、そもそも実態の経済とかけ離れたものでした。
その後は、日本が大きく経済発展したことによる人件費の高騰で製造業の工場が海外移転し国内の産業が空洞化、更には技術も海外へと流出し電機産業は人件費の安い国に取って代わられました。
しかし日本の景気が長期間低迷した最大の理由は、少子高齢化による社会保障費の増加にあります。
日本では少子化と高齢化が同時に起こり、年金などといった社会保障費が大幅に増大、その負担のために個人消費が伸びずにデフレ経済へと陥ったのです。
そして現在は、団塊の世代という戦後まもなく生まれた人が現役を退いたことにより、労働力不足といった問題を抱えています。
このように、日本では連鎖的に経済を悪化させる事態が起こり、長期間に渡っての景気低迷が起こりました。
ただしこの少子高齢化の問題は、今後、韓国においてより大きな問題として現れると予想されています。
韓国は朝鮮戦争があった関係で、日本でいう団塊の世代が10年弱後ろにズレています。
そのため、これから一気に社会保障費の増加などといった問題が表面化すると考えられているのです。
そして韓国の少子化は、日本の比にならないレベルの大きな問題として既に起こっています。
以下のデータをご覧ください。
【近年の日本と韓国の出生率比較】
年数 | 日本 | 韓国 |
---|---|---|
2009年 | 1.37 | 1.15 |
2010年 | 1.39 | 1.23 |
2011年 | 1.39 | 1.24 |
2012年 | 1.41 | 1.30 |
2013年 | 1.43 | 1.19 |
2014年 | 1.42 | 1.20 |
2015年 | 1.45 | 1.24 |
2016年 | 1.44 | 1.17 |
2017年 | 1.43 | 1.05 |
2018年 | 1.42 | 0.98 |
2019年 | 未発表 | 0.92 |
韓国の出生率は、世界的に低いと言われている日本よりもかなり低く、ここ数年は世界最下位となっています。
しかもこの減少傾向は今もなお続いているというのですから、恐怖すら感じます。
戦時中でもない限り、ここまでの低い出生率を経験した国はありません。
結果、予想を大幅に早めて来年にも人口減少が始まると予想されているのです。
このような極端な少子化に加え、前記した韓国版の団塊の世代が現役を引退し高齢世代となれば、日本以上の少子高齢化を招くことは確実です。
韓国の人々は、日本を滅んだ国などと卑下している暇があったら自分の国を心配したほうがよっぽど建設的かと思います。
その問題を確認するため、フォーチュン誌というビジネス誌が毎年1回発表している世界各国の企業格付け『フォーチュン・グローバル500』の1990年と2019年におけるランクイン企業数をご覧ください。
※フォーチュン誌では、企業の時価総額のランキングも発表していますが、そちらは株価という不安定要素の価値によって評価される割合が大きいので、企業の総収益で判断される『フォーチュン・グローバル500』で確認します。
【フォーチュン・グローバル500 ランクイン企業数】
国名 | 1990年 | 2019年 |
---|---|---|
アメリカ | 164 | 121 |
ヨーロッパ | 140 | 129 |
日本 | 111 | 52 |
中国(台湾除く) | 0 | 119 |
韓国 | 11 | 16 |
その他(ロシア含む) | 74 | 63 |
日本のランクイン企業は、1990年と比べ確かに半減しています。
しかし、日本一国でヨーロッパ全ての国の企業に迫ろうとしていた1990年のほうが異常ですし、そもそも以下のデータで示すように国別ランキングでは未だに日本は3位をキープしているのです。
【2019年のフォーチュン・グローバル500 国別ランクイン数】
アメリカ:121社
中国 :119社
日本 :52社
フランス:31社
ドイツ :29社
イギリス:17.5社
韓国 :16社
スイス :14社
カナダ :13社
オランダ:11.5社
台湾 :10社
※0.5社は、ユニリーバがイギリスとオランドの合弁企業であるため
このように日本のランクイン企業数は、韓国はもちろんヨーロッパの国々にも勝っています。
0から119社まで躍進し日本を順位を超えた中国が言うのならまだしも、日本の1/3以下しかランクインしておらず、さしてランクイン数も増えてもいない韓国から『日本は滅びた』と言われてもピンとこないのが、一日本人の素直な感想です。
以上、当然ですが日本は滅んでいませんし、日本の経済が韓国に抜かれているようなこともありません。
にもかかわらず、なぜ韓国の人々は日本は滅んだと思うのか?
それは、『日本の経済的が滅んでほしい』と思う韓国人の心の声なのではないでしょうか?
そうとも考えなければ、このようなバカげた発言を理解することは到底できません。
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