人気タレントの小島瑠璃子さんが、中国への移住も視野に留学するとのことです。
このことを発表したのが、台湾を巡ってアメリカと中国が激しく対立している最中だったこともあり、多くの国民が驚いたと共に保守層などから批判の声も挙がったようです。
確かに、発表の5日前にアメリカのナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、それに反発した中国が日本のEEZ内にミサイルを撃ち込むなど国内の反中思想が高まっている最中でしたから、(事前に決まっていたのでしょうが)タイミングは相当悪かったと思います。
日本国内の反中思想が高まる一方で、日本の魅力が近年下がっていることも日本国民はしっかりと認識しなければなりません。
昔は外国の芸能人が日本にやってきて活動することが多々ありました。
特に東アジアからの訪日は顕著で、香港人のアグネス・チャンや台湾人のジュディ・オング、もう少し新しい時代では韓国人のBoAなどが日本で本格的に活動し、中には日本に定住した人もいます。
しかし、最近は日本で本格的に活動する外国人タレントが減っているのではないでしょうか?(元々日本が活動拠点の外国人タレントは存在するだろうが)
これは日本の経済的な価値や魅力が低下しているからに他なりません。
賑やかな芸能分野では、こういった影響がより強く出るのでしょう。
かつて、日本企業は海外の会社を買収し、外国の土地を買って多数の工場を作りました。
個人としては、海外へと多くの人が遊びに行き、経済力を武器に横柄な態度をとる人もいたはずです。
しかし、今はもうそんな時代ではありません。
大手電機メーカーですら近隣国の企業に買収されるのが現在の日本で、海外から来たお客様には低頭平身で“おもてなし”をしなければならないのです。
これが、30年間もまともに経済発展していない代償です。
この状況を招いたのは誰なのかということについて、日本人はもっと考えたほうがいいと思います。
日経平均株価は、1989年12月29日に38,915円87銭という現在も抜かれることのない最高値をつけた後、1990年10月1日には一時20,000円を割るなど一気に半値近くまで値を下げます。
俗に言うバブル崩壊です。
その後、日本の経済は現在に至るまでほとんど発展することなく、この期間は『失われた30年』と呼ばれることになりました。
1989年04月01日:消費税導入(3%)
1989年08月10日:海部俊樹内閣発足(自民党政権)
1989年12月29日:日経平均最高値(38,915円)を記録(以降下落)
1991年11月05日:宮澤喜一内閣発足(自民党政権)
1993年08月09日:細川護熙内閣発足(非自民非共産連立政権)
1994年04月28日:羽田孜内閣発足(非自民非共産連立政権)
1994年06月30日:村山富市内閣発足(自社さ政権)
1995年01月17日:阪神淡路大震災
1995年03月20日:地下鉄サリン事件
1996年01月11日:橋本龍太郎内閣発足(自社さ連立政権→自民党政権)
1997年04月01日:消費税増税(3%→5%)
1998年07月30日:小渕恵三内閣発足(自民党政権→自自連立政権→自自公連立政権)
2000年04月05日:森喜朗内閣発足(自自公連立政権)
2001年04月26日:小泉純一郎内閣発足(自自公連立政権→自公連立政権)
2002年05月31日:日韓ワールドカップ開幕
2006年09月26日:安倍晋三内閣発足(自公連立政権)
2007年09月26日:福田康夫内閣発足(自公連立政権)
2008年09月15日:リーマン・ブラザーズ破綻(リーマンショック)
2008年09月24日:麻生太郎内閣発足(自公連立政権)
2009年09月16日:鳩山由紀夫内閣発足(民社国連立政権→民国連立政権)
2010年06月08日:菅直人内閣発足(民国連立政権)
2011年09月02日:野田佳彦内閣発足(民国連立政権)
2011年03月11日:東日本大震災・福島原発事故
2012年12月26日:安倍晋三内閣発足(自公連立政権)
2014年04月01日:消費税増税(5%→8%)
2019年10月01日:消費税増税(8%→10%)
2020年01月15日:新型コロナウイルスの国内初感染(新型コロナウイルスの流行)
2020年09月16日:菅義偉内閣発足(自公連立政権)
2021年07月23日:東京オリンピック開催
2021年10月04日:岸田文雄内閣発足(自公連立政権)
※黒い太字は自民党を中心とした政権
※赤い太字は自民党以外を中心とした政権
日本経済にとってバブル崩壊の影響はとてつもなく大きく、5年ぐらい経済が低迷することは仕方がないと思います。
しかし10年経っても経済が上向かないとなると、さすがに政治が招いた官製不況の可能性が高く、1997年と2008年に通貨危機を起こした韓国ですら経済はしっかりと成長しているのです。
その後の政権で、経済的な失政があったとよく取り沙汰されるのは民主党政権(正確には民主党を中心とした連立政権)なのですが、この時期はリーマンショックの悪影響がまだ相当残っていたことに加え、原発事故を含む東日本大震災が起きているので、誰が政権を担っても経済を上向かせるのは難しかったと思われます。
むしろ、その後9年近く政権を担当した安倍内閣のほうが問題が大きかったと考えられます。
安倍晋三氏が首相に就任した2012年における日本の1人当たりGDPは14位だったのに対し、退任した2020年は24位まで下がっているのです。(民主党政権が誕生した2009年は11位)
そもそも2002年に2位だった日本の1人当たりGDPは2021年に27位まで低下しており、その間のほとんどで自民党を中心とした内閣が政権を担っているわけですから、誰がどう見ても失われた30年の責任は自民党を中心とした政権にあるはずです。
普通に考えて、政権担当期間が1年にも満たない非自民非共産連立政権や3年3ヶ月程度の民主党政権より、遥かに長い期間政権を担ってきた自民党に責任があると考えることは至極当然です。
既にこの失われた30年は失われた30年+αとなり、失われた40年になる可能性も秘めています。
岸田文雄首相が防衛費の増額を目的とした増税を発表するなど、日本の経済が再び長期低迷する兆候も見えています。
そもそもこの失われた30年の責任を、誰もとっていないということが問題なのです。
日本人がこの問題に目を背け続ける限り、日本の人気芸能人は中国を問わずどんどん海外へ移住してしまうかもしれません。
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