当記事は、前回記事の続きです。
前回記事を読んでいない人は、まずは以下から前回記事をご覧ください。
前回記事で私は、1つの党が圧倒的な議席数を長期的に持つことが、実は恐ろしいことであると説明しました。
しかし、日本では自民党が1955年の結党以降ほとんどの期間で政権を担当していたにも関わらず、そのような問題は見受けられなかったと思う人も多いかもしれません。
にもかかわらず、なぜ私が今になってこのことを問題視するようになったのか、以下に説明していきます。
まずはこの問題を見定めるため、過去の自民党衆議院議員の議席独占率を選挙ごとに確認してみます。
結党時(1955年11月15日):63.81%
28回(1958年05月22日):61.45%
29回(1960年11月20日):63.38%
30回(1963年11月21日):60.59%
31回(1967年01月29日):56.99%
32回(1969年12月27日):59.25%
33回(1972年12月10日):55.19%
34回(1976年12月05日):48.72%
35回(1979年10月07日):48.53%
36回(1980年06月22日):55.57%
37回(1983年12月18日):48.92%
38回(1986年07月06日):58.59%
39回(1990年02月18日):53.71%
40回(1993年07月18日):43.63%
41回(1996年10月20日):47.80%
42回(2000年06月25日):48.54%
43回(2003年11月09日):49.37%
44回(2005年09月11日):61.66%
45回(2009年08月30日):24.79%
46回(2012年12月16日):61.25%
47回(2014年12月14日):61.26%
この表を見てみると、自民党衆議院議員の議席独占率は結党間もない時期を除き60%を超えることはほとんどなく、50%を切ることもしばしばでした。
この点を考えると、現在の60%を超える議席独占率はいささか高すぎると言えますし、2回連続で60%超えという事態はかなり異常です。
近年でもっとも高い議席独占率を誇ったのは小泉政権下の郵政解散ですが(議席独占率61.66%)、この選挙は自民党内の混乱で起こった選挙かつ、自民党をぶっ壊すと言っていた党首のもとで行われた選挙なので、自民党の暴走的な政治は見られませんでした。
しかも次回の選挙で自民党は完全に敗北しているので、長期的な高い議席独占率も保つことはできませんでした。
実は、郵政解散時の自民党以上に高い議席独占率を誇った政党もあります。
それは第45回衆議院議員選挙時の民主党です。
しかし民主党が選挙でまともに勝ったのは衆議院で1回、参議院で1回という短期政権だったので、議席数に物を言わせた強引な政治運営はそこまで見受けられませんでした。
それに比べ現在の自民党は、衆議院で2回連続の圧勝、参議院でも2回連続の勝利で内1回は圧勝、更に今回の参議院選挙も圧勝の見込みです。
1つの党が国政選挙において4回も連続して圧倒的な勝利を収めるとなると、さすがに政治が暴走的になる危険性が高まります。
また、過去の自民党と今の自民党においては、根本的に違うところがあります。
かつての衆議院選挙は中選挙区制だったため、同じ選挙区内で自民党議員が複数人当選することが当たり前でした。
ですので自然に自民党内で争いが起こり、党内に多様な意見があったのです。
その結果として生まれた派閥により自民党内では激しい意見対立がしばしば起こり、これが自民党の暴走的な政治を行うことに対する自浄作用になっていたのです。
しかし現在の小選挙区制度では党内での意見対立が活発化せず、1つの考えの元に突っ走ってしまう傾向にあります。
私が現在の自民党の議席数を危惧している理由は、こういった事情によるものです。
更に現在の日本は、国際状況から国民も暴走的発想に陥りやすい傾向にあると思います。(近隣諸国、特に中国の台頭などにより)
民主主義は時に暴走するもので、第二次世界大戦も元を正せば民主主義の暴走によるものでした。
この歴史的な事実を、現在人は常に頭の中に入れて政治や選挙行動をしなければならないと思います。
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