実質賃金が30年前より低下? 日本経済が長期低迷している理由を考える

政治
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参議院選挙が迫る中、ネット上で話題になっていたことがありました。
それは、日本の実質賃金が30年間上がっておらず、むしろマイナスしているという問題です。
30年間にも渡り実質賃金が上がらない先進国は日本が唯一で、現状では韓国にも抜かれています。
それに加え、日本は株価指数(日経平均株価)も30年間以上最高値を更新できていません。
同じ期間でアメリカの株価指数(ダウ平均)が10倍以上になったにも関わらずです。

30年前の日本に何があったのかを考えてみると、まず第一に浮かぶことがバブル崩壊です。
実際にバブル崩壊が日本経済低迷の大きな原因になっていることは間違いなく、その後は少子高齢化による社会保障費の増大が経済的な大きな負担になっているように感じます。
しかしその点を踏まえても、30年以上にも渡って経済がほとんど成長しないことは不可解な話です。
韓国では1997年に通貨危機が起こり、IMF(国際通貨基金)が介入するなどといった経済的な大混乱がありましたが、その後は大幅に経済発展しています。
台湾も2003年以降の出生率が常に日本よりも低い状態ですが、経済はしっかりと成長しています。
その他ヨーロッパの先進国と比べても、日本の経済低迷は明らかに異彩を放っているのです。
こういった状況から、日本は根本的な経済政策について大きな失敗しているとしか思えません。

そこで、30年前の日本及びその前後の日本に、バブル崩壊以外の何があったのかを調べてみました。
日本では、バブル崩壊の少し前に当たる1989年4月1日に消費税を導入しています。
この税制改革に、日本の経済低迷のヒントが隠れているように私は感じます。

消費税を導入する一方、所得税と住民税の最高税率は35年ほど前からどんどんと下がっていきました。
1986年までは70%(所得税)+18%(住民税)の合わせて88%だった所得税+住民税の最高税率は、1987年に60%(所得税)+16%(住民税)に76%に下がります。
1994年には50%(所得税)+15%(住民税)の65%、2006年には37%(所得税)+13%(住民税)の50%と、大幅に低下していきます。
2015年には45%(所得税)+10%(住民税)の55%と多少増加しますが、まだまだ30年前に比べると低い水準です。

一方の消費税は、1989年の3%を皮切りに、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%(軽減税率を導入)と上昇していったことは周知の事実です。
消費税の導入及び増税の理由は、少子高齢化による社会保障費の増大にあると財務省のホームページでも謳われていますが、税収が足りないと言うのなら、所得税の最高税率を下げる必要性はなかったように感じます。
消費税を導入・増税し、所得税や住民税の最高税率を下げているのでは、何をしたいのかよくわかりません。
結局、日本政府がここ30年間で行ったことは、庶民から税金を取って金持ちから税金を取らないような税制改革をしたわけです。
その結果、経済が上向いているのなら良いのですが、前記したように日本は30年以上にわたって経済が低迷しています。

日本の所得税+住民税の最高税率は、最高93%でした。
1億円稼いでも手取りは700万円で、社会保障費を考えると更に低くなります。
これはいくらなんでもと思う人もいるかと思いますが、こういった税制だった時代の日本は一貫して経済成長していました。
つまり、日本の経済は税金負担の低い庶民の経済力によって発展したと思われるわけです。
日本人は突出することを嫌う国民性があり、一億総中流などと呼ばれる格差の少ない社会構造が築かれていました。
そういった状況を35年程前から少しずつ変え、より庶民から税金を取り、より金持ちから税金を取らないようにしたことが、日本の経済が長期低迷する原因になっているのではないでしょうか?

格差を嫌う日本人の国民性を考えると、高額所得者から多くの税金を取る税制は日本に合っていたと思え、今後は高額所得者からより多くの税金を徴収する税制改革を行うべきかと私は思います。
そして、所得税+住民税の最高税率を下げたのも、消費税を導入し増税したのも全て自民党政権のもとで実行されたことは忘れてはいけない事実だと思います。(消費税の増税に社会民主党や民主党が関わっていたことはあるが、実行したのは全て自民党である)
30年以上に渡る日本の経済低迷を招いた主な原因は、政権を担当した期間から考えても、自民党による経済政策の失敗にあることは避けようのない事実です。

以上のことを、3日後に迫った参議院選挙投票の参考にしていただければ幸いです。

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