南京攻略戦における『百人斬り競争』報道の本質

歴史
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新任された稲田朋美防衛大臣が、新聞社の取材で百人斬りがなかったとの見解を示したそうです。

稲田朋美防衛相は4日、産経新聞などのインタビューで「中国と建設的な協力関係を強化し信頼醸成を図ることが大変重要だ。機会があれば訪中したい」と述べ、中国訪問に意欲を示した。昭和12年の南京攻略戦について報道された旧日本軍の「百人斬り」については「なかったと思っている」と指摘。

引用:http://www.sankei.com/politics/news/160805/plt1608050007-n1.html – 産経新聞

百人斬りとは、日本軍による南京侵攻当時に、2人の将兵が日本刀で中国人を何人斬れるか競争したという話で、当時の東京日日新聞(現在の毎日新聞)が記事にして話題となりました。(当時の新聞は最大のメディアだった)
戦後、この2人の将兵は裁判にかけられ死刑となっていますが、この記事で書かれたことがあったのかなかったのかは大きな論争となっています。
稲田朋美防衛大臣は、この百人斬りを事実無根と認識しており、私自身も、少なくとも東京日日新聞が書いた記事通りのことはなかったと思っています。

ただ、この問題の本質は、百人斬りがあったかなかったかではありません。
私の考える問題の本質とは、当時の日本人がこの記事、あるいはこのような記事を見て歓喜し、中国人を殺した将兵を英雄視するなどしていた点なのです。
当時は、このような戦争を美化し国民を煽る記事が多数あり、日本中が狂気で満ちていました。
今の感覚で考えれば、日本人の心は相当歪んでいたことと思います。
そしてそのような記事を日常的に見ている国民が戦地に行けば、当然問題行動も起きることでしょう。

これらの状況を踏まえると、百人斬りの報道が本当であったとしても嘘であったとしても、南京で何もなかったと考えることはさすがに無理があると考えざるを得ません。

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コメント

  1. かみかわ より:

    百人を 宮本武蔵で あるまいに 殺戮なきし 戦はないと

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