シリーズ著作権問題を考える④ 民放のテレビ番組を動画サイトでライブ中継して誰が困るのか?

社会
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NHKがテレビ放送のインターネット同時配信を今年4月から始めましたが、民放側は、このインターネット同時配信には設備費が莫大な負担がかかるとしてあまり乗り気ではなく、NHKが行う同時配信にも反対の意向を示していました。
一部の民放が10月からようやく試験的にインターネット同時配信を始めましたが、まだまだ限定的なものとなっています。
そもそもNHKも含め2020年現在に、日本のテレビ局がインターネットの同時配信を行っていなかっとことが驚きであり、この事実は放送局におけるインターネット活用の危機的な遅れと言えます。
この場に及んで、民放側はまだインターネット同時配信をごねているというのですから呆れるばかりです。

もし民放側が主張するように設備費の負担が大変だというのなら、番組の中継配信を広く許可してしまえばいいのではないでしょうか?
そうすれば一般人が勝手にTV番組をYou Tubeなどでライブ中継するはずです。
これなら設備費も人件費も一切かからずにテレビ放送とインターネットの同時配信が可能となります。
このことについて問題を感じる人も多いかと思いますが、民放のテレビ放送はスポンサーからのCM料で賄われ元々無料で放送されているわけですから、CMをそのままにしてアプロードすれば宣伝効果は失われず、特に困る人もいないかと思います。

スポンサーは基本的に1人でも多くの人にCMを見てもらいたいわけですから、どういう形でインターネット配信されようが視聴者数が増えることは歓迎で、損失が出るようなこともないずです。
放送局側も設備費・人件費が一切かからず、視聴者側もインターネットでテレビ放送が見れるようになるため、誰も損せずに得しかないように思います。
強いて困るの業者を挙げるであれば、視聴率の調査会社とテレビを作るメーカーぐらいなものでしょう。
テレビを作るメーカーはたしかに困るかもしれませんが、逆にインターネット関連のスポンサーは歓迎するでしょうから、全体的なスポンサーの利益がマイナスになることはありません。
公開期間などに議論はあってもいいと思いますが、放送中の番組をCMをそのままにしてライブ中継することに、根本的な問題は発生しないと思われるのです。

そもそも現在のテレビ業界は、視聴率という固定概念に縛られて本質を見失っているのではないでしょうか?
民放放送の基本は、多くの人に放送を見てもらい宣伝効果を高めることにあります。
これは視聴率調査会社が発表する視聴率を高めることと似ているようであってもイコールではありません。
時代が変わり、(視聴率に加味されないような)テレビ以外の媒体でも番組を見たいという人が増えているのなら、そのニーズに合わせることがテレビ放送局の役目なはずです。

以上のような価値観でテレビ放送のアップロード問題を捉えた場合、単純に悪とは言い切れない部分が多分にあるように感じます。
下手をすると、今後はテレビ局が自局の番組を動画サイトに是非アップロードしてくださいと言い出す可能性すらあるのです。
個人的には、むしろそうなったほうが健全かと思います。

以上、テレビ放送のインターネット同時配信という問題から、テレビ番組の無断アップロードやライブ中継といった問題を考えてみました。

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