有名人の薬物に関するニュースで、『麻薬』や『覚せい剤』など言葉を聞く機会が多くなっていますが、これらの違いを知っている人は少ないかと思います。
ということで、以下に薬物の種類をまとめていきます。
ぜひ最後までお読みください。
麻薬
主な原産地:アフガニスタン
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法、あへん法
ケシから生成される麻薬性鎮痛薬のオピエートやオピオイドを指す
麻薬とは、基本的に植物のケシを原料にした薬物のことを指します。
アヘン
主な原産地:アフガニスタン(現在は世界の90%以上がアフガニスタン産)
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法、あへん法
ケシの実から抽出される精神作用のある物質。オピウムとも言う。
アヘンは紀元前からあるケシを材料にした薬物。
モルヒネ
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法
アヘンに含まれるベンジルイソキノリン型アルカロイドの一種で、チロシンから生合成されるオピオイド系の化合物である。
強力な鎮痛剤として有名なモルヒネは、アヘンから抽出される薬物。
ヘロイン
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法
アヘンに含まれるモルヒネから作られる麻薬
ケシから作られる薬物の最終形とも言えるヘロインは、『薬物の王者』や『悪魔の薬物』と言われ、依存性がとても高いことが知られる。
コカイン
主な原産地:南米(コロンビアが最大の生産地)
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法
コカノキに含まれるアルカロイドで、局所麻酔薬として用いられ、また精神刺激薬にも分類される。
コカインはコカノキから作られる薬物で、かつてはコカ・コーラにも添加されていて名前の由来にもなっている。
日本の法律ではケシ系薬物とコカ系薬物(コカイン)を麻薬と定義付けしている。
大麻
主な原産地:東南アジアに多い(栽培しやすく世界中に自生している)
適用される法律:大麻取締法
アサの花冠、葉を乾燥または樹脂化、液体化させたもの。
大麻は紀元前から薬などとして使われているアサを原料にした薬物。
マリファナ
適法される法律:大麻取締法
花穂や葉を乾燥させた大麻加工品を乾燥大麻(マリファナ)という。
大麻を乾燥させたものがマリファナで、薬物の中では比較的危険性が低く使用が合法の国にもある。
覚せい剤
適用される法律:覚せい剤取締法
アンフェタミン類の精神刺激薬である。
覚せい剤は、上記の植物系薬物とは違い化学的に合成される薬物で、日本では特に取り締まりが厳しくなっている。
別名はシャブ。
ヒロポン
適用される法律:覚せい剤取締法
ヒロポンとは、大日本住友製薬(旧:大日本製薬)によるメタンフェタミンの商品名
1951年に覚せい剤取締法が施行されるまで広く流通していた覚せい剤系薬物で、薬物中毒者を表すポン中のポンはヒロポンのことである。
合成麻薬
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法
化学物質から合成される麻薬。
覚せい剤以外にも、化学的に合成された様々な薬物があります。
LSD
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法
リゼルグ酸ジエチルアミドは、非常に強烈な作用を有する半合成の幻覚剤である。
1960年代にアメリカを中心に大流行した薬物で、日本では1970年に禁止薬物に指定された。
MDMA
適法される法律:麻薬及び向精神薬取締法
メチレンジオキシメタンフェタミン、あるいはMDMAは、アンフェタミンと類似した化学構造を持つ化合物である。
出典 メチレンジオキシメタンフェタミン – Wikipedia
MDMAは、1989年に禁止薬物に指定された比較的新しい薬物。
脱法ドラッグ
取り扱いや服用が違法ではないと解釈されている向精神薬類の総称。
出典 脱法ドラッグとは – 新語時事用語辞典 Weblio辞書
幻覚など症状が出る薬品や成分は多々あるため、法律が追いつかず違法ではない危険薬物が日々生まれている。
マジックマッシュルーム
適用される法律:麻薬及び向精神薬取締法
幻覚成分であるトリプタミン・アルカロイドのシロシビン、またはシロシンを含む菌類(キノコ)。100以上の種が存在する。
日本では1990年代後半から徐々に流行し始め、2002年に禁止薬物に指定された。(2002年以降は脱法ではなく違法ドラッグである)
脱法ハーブ
合成カンナビノイドを含有する化合品である。
近年流行している薬物で、現状の法律では規制対象にならないが、一部は現行法でも違法性が指摘され取り締まりも行われている。
シンナー(有機溶剤)
適用される法律:毒物及び劇物取締法
シンナーに含まれる有機溶剤には中枢神経麻痺作用があり、蒸気吸引により酔っ払い状態になる。
今まで挙げた薬物とは異なるが、シンナーなどにも幻覚作用があり、吸引することやそれを目的に所持することが禁止されている。(ただし正当な理由で所持することは違法ではなく、ホームセンターなどで普通に売られている)
トルエン
適用される法律:毒物及び劇物取締法
有機溶剤のトルエンやキシレンは比較的毒性が低く劇物の基準には満たないが、いわゆる「シンナー遊び」の横行が社会問題となったため劇物に指定された。
シンナーの主成分であるトルエンが中毒の原因となっている。
法律で認められた依存性の高い薬物
アルコール
アルコール使用障害とは、薬物依存症の一種で、飲酒などアルコールの摂取によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患である。
アルコールには依存性や幻覚症状が認められるが、必要悪として合法化されている。
タバコ
ニコチンの摂取方法はナス科植物タバコに含まれる依存性の強い薬物であるニコチンの摂取を吸引しやすい商品とされたタバコ商品の喫煙であり、紙巻きたばこなどタバコ商品の喫煙による。
タバコに含まれるニコチンには強い依存性が認められるが、幻覚症状などは少ないため合法とされている。
コーヒー
カフェインの引き起こす症状は、カフェイン自体が持つ神経毒性によって引き起こされる。
コーヒーに多く含まれるカフェインには依存性や興奮作用が認められるが、問題となることは少なく合法となっている。
薬物の危険性(必ずお読みください)
あへんの例
あへんには神経を抑制する作用があり、乱用すると強い陶酔感を覚えますが、精神的、身体的依存性を生じやすく、常用するようになると慢性中毒症状を起こし、脱力感、倦怠感を感じるようになり、やがては精神錯乱を伴う衰弱状態に至ります。
ヘロインの例
強い身体的依存が形成され、2~3時間ごとに摂取しないと、体中の筋肉に激痛が走り、骨がバラバラになって飛散するかと思うほどの痛み、悪寒、嘔吐、失神などの激しい禁断症状に苦しむこととなり、あまりの苦しさから精神に異常を来すこともあります。
コカインの例
乱用を続けると、幻覚等の症状が現れたり、虫が皮膚内を動き回っているような不快な感覚に襲われて、実在しないその虫を殺そうと自らの皮膚を針で刺したりすることもあります。
大麻の例
気分が快活、陽気になり、よくしゃべるようになるといわれていますが、その一方、視覚、聴覚、味覚、触覚等の感覚が過敏になり、変調を来したり、現在、過去、未来の観念が混乱して、思考が分裂し、感情が不安定になったりします。
覚せい剤の例
覚醒剤は、特に依存性が強く、使用を続けると、"壁のしみが人の顔に見える"、"いつもみんなが自分を見て悪口を言っている"、"警察に追われている"、"誰かが自分を殺しに来る"などといった幻覚や妄想が現れるほか、時には錯乱状態になって、発作的に他人に暴行を加えたり、殺害したりすることがあり、このような症状は、やめても長期間にわたって残る危険性があります。
LSDの例
幻視、幻聴、時間の感覚の欠如などの強烈な幻覚作用が現れます。特に幻視作用が強く、ほんのわずかな量だけで物の形が変形、巨大化して見えたり、色とりどりの光が見えたりする状態が8~12時間続きます。
MDMAの例
視覚、聴覚を変化させる反面、不安や不眠などに悩まされる場合もあり、使用を続けると錯乱状態に陥ることがあるほか、腎・肝臓機能障害や記憶障害等の症状も現れることがあります。
マジックマッシュルームの例
マジックマッシュルームを食べて幻覚が現れ、攻撃的な行動や自殺を試みる例があります。
シンナーの例
乱用を続けると、集中力、判断力が低下し、何ごとにも無気力になるほか、幻覚や妄想などの症状が現れます。
また、身体に与える影響も大きく、心臓、肝臓、腎臓、呼吸器系、生殖器官等の各種器官に障害が起こります。
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