麻雀の放送として有名なものにフジテレビが放送していた(現在はスカパーで放送)『THEわれめDEポン』という番組があります。
この第1回放送が行われたのは1995年12月30日なのですが、この日のことは個人的によく覚えていて『麻雀をテレビで大々的に放送してもいいのか?』との驚きを隠せませんでした。
当時の麻雀はそれぐらいイメージの悪く、ギャンブルの道具でしかないと思われていたのです。
そんな麻雀を年末の深夜とはいえ、大勢の有名芸能人で行い長時間生放送するというのですから、フジテレビは何を考えているのだろうと思ったわけです。
あれから25年近い時が過ぎ、麻雀のイメージはどう変わったでしょうか?
人気バラエティ番組の『アメトーーク』で麻雀が取り上げられるようなことはあったものの、麻雀がテレビで大きく取り上げられることは極々稀で、『THEわれめDEポン』も地上波での放送が2008年で終了してしまいます。
むしろ漫画家の蛭子能収さんが賭け麻雀逮捕されたことのほうが、よっぽどメディアで取り上げられたことでしょう。
個人的に第1回『THEわれめDEポン』の放送当時に比べ、世間的な麻雀のイメージはほんの少し良くなった程度かと思います。
“明確な”プロ雀士の競技として一昨年前から初めて始まった『Mリーグ』は、ギャンブル排除の考えを打ち出したものの、そんなことは一般的に全く話題になっておらず、Mリーグ自体も麻雀村だけでしか盛り上がっていないと思われます。
例えば、渋谷の街を歩く人に『多井隆晴(Mリーグの渋谷ABEMAS所属)という人を知っていますか?』と無作為に聞いたとして、何人の人が知っていると答えるでしょうか?
当然知っている人もいるかもしれませんが、その人数は決して“多い”とは思えません。
一方、将棋の『藤井聡太』については、将棋に興味のない人もみんな知っていると思われます。
結局、Mリーグの創設により麻雀界が大いに盛り上がりを見せているようでも、それは麻雀村だけの話で世間では未だに『麻雀=ギャンブル』というイメージを脱していないわけです。
そもそも麻雀界から麻雀のイメージを回復させようとした形跡や努力も見えてこないのが実情で(当然、努力している人はいるだろうが)、Mリーグが出来た際も、過去のプロ麻雀界とギャンブルとの繋がりに対して、どのような総括をしたのか一切見えてきません。
現在における麻雀界の隆盛は、大金持ちの人がたまたま麻雀を大好きだったという運的要素が大きく、正当な形で評価されたものではありません。
そのため、本来しなければいけなかったプロ雀士の在り方についての議論が行われず、プロ雀士とギャンブルとの関わりについても有耶無耶になっている気がします。
これではいくら本格的なプロリーグが開設されたといっても、一般世間にとっての麻雀のイメージが変わらないのも当然です。
今後、麻雀のイメージがギャンブルから頭脳スポーツへと変わっていくのか?
それともギャンブルのままなのか?
それは、Mリーガーを中心とした“プロ雀士たちの麻雀との関わり方”にかかっていると思います。
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