今年はウクライナとロシアが戦争をしたり、台湾を巡ってアメリカと中国が対立したりと、今まで現実的でないと思っていた世界大戦や核戦争が現実味を帯びて語られるようになってきました。
そういった状況からか、最近の日本では核武装論が頻繁に議論されるようになっています。
この日本の核武装論に、私は強い違和感を感じています。
もし日本が核武装するとして、どういった核兵器を持つのでしょうか?
まさか、今どき航空機で運ぶような核爆弾を持つわけではないでしょう。
普通に考えて、大陸間弾道ミサイルや長距離の巡航ミサイルに核兵器を搭載すると思うのですが、日本の法律では侵略的な戦争が禁止されているため、敵地攻撃用の兵器を持つことができません。
そのため、日本は核兵器どころか長距離ミサイルのたぐいも近年まで配備していませんでした。
日本政府による法解釈では、攻撃準備をしている相手に対しての先制攻撃は自衛戦争に含まれるそうで、最近は巡航ミサイルがスタンドオフミサイルなどと名前を変えて(批判を避けるための名称変更)徐々に配備されているようですが、まだまだ規制や制限ががあるそうです。
日本がまず最初にするべき議論、このミサイル防衛についてなのではないでしょうか?
核兵器を搭載する兵器すらもまともに整備できないのに、いきなり核武装論をしても意味があるとは思えません。
そもそも日本の憲法が自衛戦争以外の戦争を認めておらず、核兵器が自衛戦争で使われることが想定しづらい時点で、核武装論は机上の空論です。
以上のように日本の現状を考えれば、核武装論はしなければならない議論を何個も飛ばしているとしか思えないわけです。
日本が核兵器を持つにせよ持たないにせよ、行うべき議論をしっかりと行ってから結論を出さなければなりません。
低い投票率で得た多数派による強引な国会運営で、まともな議論せずに核武装が決められることだけは絶対に避けてほしいものです。
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