まるでゴジラやウルトラマンに出てくる怪獣のような鱗だらけの動物『センザンコウ』を皆さんはご存じでしょうか?
この珍しい動物『センザンコウ』の紹介と、多発するセンザンコウの密輸事件についてまとめました。
センザンコウとは?
photo credit:Scaly Anteater by David Brossard
- 【学名】
- Manis
- 【分類】
- センザンコウ目
- センザンコウ科
- センザンコウ属
- 【生息域】
- アフリカ及び南アジアから東南アジア
センザンコウは1目で1科しか存在しない進化の歴史においてとても珍しい種類の動物で、アジア(東南アジア中心)に4種とアフリカに4種生息しています。
日本の身近なところでは、台湾でも生息しています。
重さは小さいもの2kg弱、大きいものは30kg超とかなりの幅があるようです。
センザンコウの特徴
photo credit:Curled Pangolin by Wildlife Alliance
センザンコウの特徴といえば何と言っても鱗状の角質に覆われた体で、南米に生息するアルマジロと同じく丸まって防御姿勢をとります。
見た目はほとんど松ぼっくりです。(;^_^A
画像でセンザンコウを見てみよう!
photo credit:Manis temminckii by U.S. Fish and Wildlife Service Headquarters
親子のセンザンコウ。
子供はおんぶして運ぶようです。
photo credit:Manis tetradactyla by U.S. Fish and Wildlife Service Headquarters
センザンコウの中には木に登る種類もいます。(キノボリセンザンコウ)
photo credit:Manis temminckii by U.S. Fish and Wildlife Service Headquarters
危険を感じたら丸くなって防御態勢!
動画でもセンザンコウを見てみよう!
ライオンvsセンザンコウ
ライオンvsオオセンザンコウ。
オオセンザンコウの大きさがよくわかります。
センザンコウの危機
野生生物保護を目的とした国際条約「ワシントン条約(CITES)」の締約国は28日、全身がうろこで覆われた珍獣センザンコウを違法取引による絶滅から救うため、最高レベルの保護対象とすることを賛成多数で可決した。
引用:珍獣センザンコウ、ワシントン条約で取引禁止 密猟横行で絶滅危惧 写真5枚 国際ニュース:AFPBB News
2010年代、センザンコウは食用や漢方薬の原料としての密輸が横行します。(取引先の大半は中国)
こういった状況から2016年9月28日、センザンコウはワシントン条約によって取引禁止となりました。
センザンコウの密輸事件一覧
2016年を例に、1年間に起こるセンザンコウ密輸事件をまとめます。
ケニア野生生物公社(KWS)は10日、首都ナイロビの国際空港で、密輸された哺乳動物のセンザンコウのうろこ0.5トンを押収したと発表した。
引用:センザンコウの密輸摘発 ケニア、うろこ3億円相当 – サッと見ニュース – 産経フォト
2016年6月10日、アフリカ(ケニアのナイロビ)でセンザンコウので大規模な密輸事件が起きます。
香港当局は6月23日、「薄切りプラスチック(sliced plastics)」とラベル付けされたカメルーン発の貨物から、アフリカセンザンコウのウロコ4トンを押収した。
引用:1.3億円相当、センザンコウのウロコ4トン押収 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
2016年6月23日には、香港でなんと4トンものセンザンコウのウロコが押収される事件も発覚しました。
バンコク郊外のスワンナプーム空港で昨年12月、センザンコウの鱗(うろこ)2・9トンが押収された。
引用:珍獣センザンコウの鱗 | オピニオンの「ビューポイント」
タイのバンコクでは、2016年12月4日と2016年12月23にの2回に分けて、計2.9トンものセンザンコウのウロコが密輸されようとしていました。
中国の関税当局が、センザンコウのうろこ3トン超を押収していたことが分かった。国営メディアが27日、報じた。
引用:センザンコウのうろこ3トン超押収、中国で過去最大規模の密輸量 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
2016年12月27日には、中国で過去最高クラスの量となるセンザンコウのウロコ密輸が発覚しました。
以上のように大規模は発見例だけを抽出しても、センザンコウのウロコは10トン以上も密輸されているわけです。
4件の事件で発覚した“ウロコだけ”で10トンですから、不法に狩られたセンザンコウの数は計り知れません。
そもそもセンザンコウのウロコを何に使うのか?
2015年7月7日、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国の研究者がアリクイによく似たセンザンコウのうろこを使った防弾チョッキの研究・開発に乗り出している。
引用:センザンコウのうろこを使った防弾チョッキ、中国が研究・開… – Record China
なんと、中国はセンザンコウのウロコを使って防弾チョッキを開発しているのだとか・・・
野生の動物をわざわざ使って防弾チョッキを開発するとは、正気の沙汰とは思えません。
それ以外では主に漢方薬として食されるそうで、中国の役人がセンザンコウを食べる秘密のパーティーを開いていたという事件も発覚しています。
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