『爆買い』という言葉に象徴されるように、日本に来る中国人はとてもお金を使うことで知られています。
また、中国には東京以上の高層ビルが建ち並ぶ都市が多数あります。
このように中国経済は発展し、現在は日本を抜いて世界第2位の経済大国になりました。
事実、超富裕層(UHNWI)と呼ばれる3000万ドル以上純資産を有する人の数は、2018年で
日本人は17,915人(世界2位)
中国人は16,875人(世界3位)
とほぼ同数となっています。
もちろん人口比に直せばまだまだ日本人のほうが多い状況ですが、中国に富裕層が多数いることは間違いありません。
にもかかわらず、
なぜ中国は未だに先進国に比べ大幅に安く物を生産できるのか?
こういった疑問を感じたことはないでしょうか?
この疑問の答えは、中国における格差の大きさにあります。
特に、中国は地域による経済格差が激しく、農村部などでは未だに現金収入が年間数万円などという世帯も珍しくありません。
中国には、こういった農村部の人たちを低価格な賃金で働かせている(出稼ぎ労働させている)という実態があるのです。
国土の広い中国で、あらゆる場所まで発展させることは難しいのでしょうが、しかしいくら何でも年間数万円ひどすぎると言えるでしょう。
中国政府は、本来なら富裕層に行くお金をもっと地方の貧しい人たちに回し、格差是正の努力をする必要があります。
しかし、それを行うと低価格で製品を生産することができなくなり、世界の工場の座から滑り落ちかねません。
製造業がダメになれば、中国経済が崩壊しかねない事態を招くことなど経済の素人でもわかります。
そのため中国政府は、国内の地域格差の問題を積極的に解消しようとはしていないのです。
このことは相当問題であり、中国国内の様々な不安要素にもなっていますし、そもそも中国の国是と言ってもいい格差をなくすことを目的とした共産主義にも反しています。
子供が労働している工場で作った物は買わないようにする動きなどもありますが、中国製品は多かれ少なかれこういった問題が背景が付きまとっているということです。
更に言及すれば、前世紀の時代から中国に工場を多数建て、安い労働力を求め続けた先進国側にも責任の一端はあるのかもしれません。
いずれにせよ、世界第2位の経済大国にまでなった中国には、地域間による経済格差是正や、地方における教育や行政サービスの拡充など、もう少し地方に目を向けた政策に励んでもらいたいと思います。
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