近年、障害者のスポーツであるパラリンピックで、競技によってはオリンピック以上の記録が出るのではないかと言われるようになってきました。
障害者が装着する器具によっては、健常者以上のパフォーマンスが発揮される可能性が示唆されているのです。
しかし、このことは人体改造といった新しいドーピングの可能性も秘めており、スポーツ界における今後の課題にもなっています。
メジャーリーグにて二刀流として活躍する大谷翔平選手は、今季、過去最高となる成績を残していましたが、8月23日に登板した試合では2回途中で降板となり、試合後、右肘内側側副靱帯が損傷していることが発表されました。
その後も打者として試合に出場していたものの、9月4日以降は打者としても出場しなくなり、9月19日に肘の手術をしたことが唐突に発表がされます。
しかしその術式が明確にされておらず、どんな手術をしたのか論争を起こしているのです。
※日にちはすべて現地時間
大谷選手は、2018年にトミー・ジョン手術という肘の靭帯移植手術を行っています。
今回の手術は単純なトミー・ジョン手術ではないようで、新しい手法を使ったのではないかなどと様々な憶測が出ています。
私はトミー・ジョン手術の詳しい内容を近年まで知らなかったのですが、大谷選手が2018年に手術をする際に報道を通じて詳しい内容を知りました。
このときに、トミー・ジョン手術が冒頭で話した人体改造の世界に入っていると感じたわけです。
トミー・ジョン手術とは、損傷した靭帯の代わりに他の部位(基本的に手首)にあるほとんど使われていない腱を移植するものです。
以下が、トミー・ジョン手術のイメージ動画です。
トミージョン手術がよくわかる
— 鈴木一登/スポーツ鍼灸 (@suzuki_kazuto33) September 19, 2023
トミー・ジョン手術をしても、基本的にパフォーマンスが元より良くなることはないそうですし、移植元が自分のものだから良いという考えなのかもしれませんが、現在、トミー・ジョン手術が問題視されることはほとんどありません。
しかし、
自分よりも頑丈と思われる他人の腱を移植した場合はどうなるのか?
あるいは腱の代わりになる人工物を移植したらどうなるのか?
など、トミー・ジョン手術についてはもっと議論があって然るべきかと思います。
そもそもの問題として、傷口を縫合してしまえば肘の部分にどんなことをしたのか他人には見れないわけで、本当に自分の腱を移植したのかなんて本人を含め手術をした人しかわからない世界なのです。
大谷選手の年俸は、来季から50億円を優に超すのではないかと言われています。
大谷選手に限らなくとも、10億円以上の年俸を得ているメジャーリーガーは多数います。
そんな大金を得ることができるのなら、人体に何らかの改造手術をしてもいいと思う人がいても不思議はありません。
そう考えた場合、トミー・ジョン手術のような手術については、もう少し活発な議論があってもいいと思いますし、大谷選手についても様々な報道があっていいように感じます。
医学の発展と人体改造によるドーピング問題は今後のスポーツ界における大きな問題になることですので、大谷選手の手術を機に、活発な議論が起こることを期待します。
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