折れたバットを拾う大谷翔平にみる二刀流の本質

スポーツ
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大谷翔平選手がピッチャーとして出場した7月7日の試合で、折れたバットをわざわざ拾って相手バッターに手渡したことが話題になっていました。
ニュースなどでこのシーンを見た人も多いかと思います。

しかし、大谷選手が球場内で拾う物は折れたバットだけではありません。

大谷選手が試合中にゴミを拾うシーンを目にした人は多いのではないでしょうか?
このゴミ拾いは高校時代の恩師による教えで、ゴミは人が落とした運で拾うことで運気が上がると考えているそうです。
しかし、高校時代に教わったことをプロ野球、ましてやメジャーリーグに行ってまで続けるということは相当珍しいと言えるでしょう。
更に大谷選手は、相手バッターが投げ捨てたバットをボールボーイに手渡したり、打者のときには相手キャッチャーが脱ぎ捨てたマスク、自分の近くでファールになったボール(塁に誰もいない場合)などをわざわざ拾い上げ、渡すべき相手へ丁寧に渡しているのです。
自身が折ったバットなどは、折れたかけらを拾って丁寧に合わせてからボールボーイへと手渡すほどです。

正直言ってスター選手となった大抵の人は驕りが出て、ボールボーイがやるような仕事(球場内の雑作業)は人任せになる人がほとんどだと思います。
多少は大谷選手のようにバットやボールを拾う人はいるかもしれませんが、大谷選手ほど徹底して選手は見たことがありません。

そもそも大谷選手は、なぜここまで徹底して球場内で物を拾う行為を続けるのでしょうか?

私が考えるに、大谷翔平という人は気になったことはやらないと気が済まない性格なのだと思います。
何かが落ちていたら人間は当然気になるものですが、一方で何らかの行動に移す人は少ないのが現実です。
しかし、大谷選手は気になったことをそのまま放置できない性格なため、我先に目に入ったものを拾い上げてしまうのだと思われます。
そしてそのことこそが、大谷選手が二刀流を行う理由になっている気がします。
普通はやらない(諦める)ピッチャーとバッターの二刀流も、大谷選手はやってみないと気が済まず、今に至っていると私は思います。

日本のプロ野球には、過去に打撃センスの良い投手がいました。
例えば、読売ジャイアンツなどで活躍した桑田真澄さんは、甲子園(全国高等学校野球選手権大会と選抜高等学校野球大会)で2番目に多くのホームランを打っています。(1位は清原)
西武ライオンズで活躍した松坂大輔選手は、甲子園優勝校の4番バッターでした。
しかし、どちらもプロに入りピッチャー専門となりバッターの道は諦めました。

それが己の能力を最大限に極めるプロ野球では当たり前の行為であり、だからこそ野球の本場であるアメリカ(メジャーリーグ)でも100年以上もの間、二刀流として活躍する選手は現れなかったわけです。
また、大谷選手のようの“やってみたいという欲求”があったとしても、その欲求は野球外のところに向かう人が多いようにも感じます。
例えば、良い車(例:ポルシェ・カイエン)に乗りたいとか、夜の街(例:六本木のディスコ『トゥーリア』)で遊びたいなどということで、こういった行動がもとでプロ野球生活を失敗した選手も多いのではいでしょうか?
しかし大谷選手は野球にしか興味の思考が行かず、球場内で自分の欲求を満たしているように感じます。

今シーズンはじめ、大谷選手の活躍を受けたアメリカでは、大谷選手の起用法についてピッチャーとバッターのどちらか1つに絞ったほういいのではないかとの議論が頻繁に行われていました。
この議論は日本にいたときにも散々ありましたが、私は不要な議論だと思っています。
なぜなら、何でもやらないと気が済まない大谷選手にとっては、ピッチャーとバッターのどれか1つに絞ることがストレスでしかない可能性が高く、成績を余計に落としてしまうように思えるからです。
事実、メジャーに移籍して以降の大谷選手は、打者に専念している時期よりも二刀流として活動している時期のほうが打撃成績が良い傾向にあります。
二刀流をするにしても、休息日などを入れて体を休めたほうが成績が上がると思う人もいるでしょうが、大谷にとっては試合を休むことこそがもっとも疲労をためる行為なのかもしれません。
実際に、投手登板前後の休みを廃止した今シーズンに、大谷選手の成績は大幅に向上しました。
以上のように、大谷選手にとっては野球をすることがもっとも心が休まる時間なように感じます。

いずれにせよ、ここまで稀有な存在は貴重ですので、大谷選手にはできうるかぎり二刀流で頑張って欲しい限りです。
個人的には、打撃が好調の月にノーヒットノーランを達成し、ピッチャーとバッターとして同時に月間MVPをとることを期待しています。

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