藤澤世代? 91年組? 複雑な人間関係を知れば女子カーリングが何倍も楽しめるという話

スポーツ
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現在、女子のカーリングは、平昌オリンピックで銅メダルを獲得したロコ・ソラーレと、中部電力、北海道銀行フォルティウス、チーム富士急の4つのチームがしのぎを削り、4強時代を形成しています。
カーリングは競技自体も面白いですが、この4チームのメンバーにおける複雑な人間関係を知れば、面白さが何倍にもなること間違いなしです。

競技者の地域性が極めて強いカーリング

マイナースポーツは競技人口の少なさから総じて人間関係が濃くなりますが、カーリングの場合は練習できる場所が限られるという問題も相まって、自ずと選手を排出する地域限られるため、他のマイナースポーツ以上の濃い人間関係が見られます。
こういった傾向は他のウインタースポーツでも見てとれますが、カーリングはチームスポーツということもあり、人間関係がかなり複雑に絡み合うのです。
例えば、ロコ・ソラーレの藤澤五月は中部電力の元メンバーですし、同じくロコ・ソラーレの吉田知那美は北海道銀行フォルティウスの元メンバーです。
このようなライバルチームへの移籍ぐらいなら他のスポーツでもありそうな話ですが、女子カーリングにおける人間関係はこのレベルの話ではありません。

まずカーリングの女子選手は、異常なまでに北海道常呂町(現在の北見市常呂地区)の出身者が多くなります。
女子カーリングはオリンピックに過去6大会出場しており、1大会で5人出場することになるので、今まで延べ30人の女子カーリングにおけるオリンピック選手が生まれた計算になります。
この内、なんと延べ19人が常呂町出身なのです。
ちなみに、常呂町には中学校が1つしかないので全員同じ中学校出身ということになります。

・映画にもなったシムソンズのメンバー
・トリノオリンピックでマリリンブームを起こした本橋麻里
・平昌オリンピックで銅メダルを獲得したメンバー5人中4人

彼女らは、みんな北海道の端にある小さな町の出身者なのです。

もっと凄い例は、トリノオリンピックに出場した目黒萌絵、寺田桜子という同級生コンビです。
彼女らの出身である南富良野町の小学校は、1学年に生徒が4人しかおらず、常呂町などと比べ物にならないような過疎地域でした。
しかしその1学年4人の内、なんと3人がカーリングでオリンピックに出場しているのです。(もう1人は男子の山口剛史選手)
同じクラスの3/4がオリンピック選手なんて学校は、世界中探してもそうはないと思います。

現在の女子カーリングにおける黄金世代『91年組』

現在、女子カーリング界では黄金世代などと呼ばる注目の世代が存在しています。
それは、藤澤五月をはじめとした1991年度生まれのたち選手たちで、冒頭で示した4強チームのメンバーの内6人がこの世代となります。
野球界における松坂世代やハンカチ世代に倣うなら、藤澤世代といったところでしょうか。

特に驚くべきことは、その内以下の5人が常呂町出身の同級生であることです。

吉田知那美(ロコ・ソラーレ)
鈴木夕湖(ロコ・ソラーレ)
小野寺佳歩(北海道銀行フォルティウス)
吉村紗也香(北海道銀行フォルティウス)
石垣真央(チーム富士急)

吉田知那美、鈴木夕湖、小野寺佳歩の3人は中学生時代にROBINSというチームで活動し、当時の日本代表でオリンピックでも活躍したチーム青森を破り話題になったこともあります。
このROBINSが現在のロコ・ソラーレの母体となっていることは、もはや説明するまでもないでしょう。(ロコ・ソラーレの4人中3人が元ROBINSのメンバー)
そして、ROBINSメンバーの同級生である吉村紗也香、石垣真央らはWINSというチームで活動し、メンバー全員で同じ高校(常呂高校)に進学したこともあり、高校生になってからは彼女たちのほうがROBINSよりも高い実績を誇ります。(ROBINSのメンバーは高校がバラバラ)
小野寺佳歩はWINSメンバーと同じ高校に通っていたということで、WINSに参加したこともありました。

その当時、隣の(といっても40kmは離れているが)北見市を拠点にカーリングをしていたのが藤澤五月で、常呂町出身の面々たち以上の実力を持つとして既に注目を集めていました。
2008年11月に行われた日本ジュニアカーリング選手権では、藤澤五月率いるチーム北見が1位、吉村紗也香や石垣真央が所属した常呂高校winsが2位、吉田知那美、鈴木夕湖、小野寺佳歩が所属したROBINSから名前を変えたJJ常呂が3位という結果になっています。
傍から見ると、日本のカーリング女子チームは平昌オリンピックで突然銅メダルを獲得したように思えますが、実際は黄金世代と言われるような有力選手の固まった世代があり、その中でも抜群の実力を持つ藤澤五月という人物がいたからこそ獲得した銅メダルで、獲るべくして獲ったメダルだったのです。

“ちなみ”に、吉田知那美にとって藤澤五月は初めて試合をした相手であり、子供のころから手紙のやり取りをする仲だったそうです。
この吉田知那美は、北海道銀行時代にもソチオリンピックに出場していますが、オリンピック終了直後(日本帰国前)にチームから戦力外通告を受けます。
そしてその代わりに加入したのが吉村紗也香という吉田知那美の同級生だったことは、この世代の異常なまでの層の厚さを表すエピソードと言えるでしょう。

このように、現在の女子カーリングでトップを争う選手の面々は、知り合いという言葉では済まないほど深い関係性があります。
同級生だけではなく同じ学校の先輩後輩といった関係性まで含めれば、それこそ膨大な関係性を見出ますし(北海道銀行フォルティウスの近江谷杏菜は91年組より2つ上の常呂中学出身で、ロコ・ソラーレの吉田夕梨花は91年組より2つ下の常呂中学出身)、カーリングのもう1つのメッカである軽井沢の出身者も常呂町ほどではないですが深い関係があります。

『91年組』は、親・兄弟も複雑な関係?

これだけでも十分凄いのですが、女子カーリング選手は親族を介した関係性も複雑に絡み合っているというのですから驚きを隠しえません。

有名な話としては、ロコ・ソラーレの藤澤五月の父親と鈴木夕湖の父親が従妹同士で、当人たちは“はとこ”ということになります。
そのロコ・ソラーレのコーチは北海道銀行フォルティウスの小野寺佳歩の父親で、ロコ・ソラーレと北海道銀行フォルティウスというライバル同士が戦う際、実は間接的な親子対決にもなっているわけです。
また教師をしている藤澤五月の父親は、91年組が中学2年生の時に常呂中学に赴任し、吉田知那美、鈴木夕湖、小野寺佳歩などが在籍するクラスの2年・3年時の担任を受け持っていました。
つまり、当時、藤澤五月が所属していたステイゴールドIIと、吉田知那美、鈴木夕湖、小野寺佳歩が所属したROBINSが戦う際は、藤澤五月の父親にとって娘と教え子の対決だったわけです。
更にロコ・ソラーレの吉田姉妹の姉(吉田知那美の姉)と中部電力の松村千秋の兄は結婚しており、女子カーリングチーム4強に所属するメンバーは親族、同級生、元チームメイトなどといった深い関係性のあるケースが多くなっています。(松村千秋は吉田知那美の1歳年下で吉田夕梨花の1歳年上)

カーリングと何ら関係のない私が知っている情報だけでもこんなに複雑な関係があるのですから、実際はもっともっと複雑な人間関係があるものと予想されます。

相関関係

全員を書くのは難しいので、吉田知那美を例に、女子カーリングの4強チーム全メンバーとの相関関係を示したいと思います。

【ロコ・ソラーレ】
藤沢五月:チームメイト、初めて試合をした相手、中学時代の担任の娘
鈴木夕湖:チームメイト、元同級生
吉田夕梨花:チームメイト、妹

【北海道銀行】
吉村紗也香:元同級生
小野寺佳歩:元チームメイト、元同級生、チームコーチの娘
近江谷杏菜:元チームメイト、学校の先輩(2コ上)
船山弓枝:元チームメイト、学校の先輩

【中部電力】
北澤育恵:深い関係性なし
松村千秋:義理の姉妹
中嶋星奈:深い関係性なし
石郷岡葉純:深い関係性なし

【チーム富士急】
小穴桃里:深い関係性なし
小谷優奈:深い関係性なし
石垣真央:元同級生
小谷有理沙:深い関係性なし

スポーツは競技そのものだけではなく、裏に見え隠れするドラマ性なども付随する面白さとなっているわけですが、そういった観点で考えると、女子カーリングは最高に面白いスポーツと言えるのではないでしょうか。
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