日本が新型コロナウイルスに対する集団感染・集団免疫の方策をとれない理由

人体・医学
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ロシア人YouTuberのジェーニャさんが、新型コロナウイルスについて『集団感染・集団免疫』、『ウイルスとの共存』という考えを示しました。

私はこの考えに対し否定的な意見をもっているので、その理由を以下で述べたいと思います。

日本の平均年齢

日本の平均寿命は世界でもっとも高く、当然、高齢者の割合も世界一となっています。

【各国の高齢化データ(2018年発表データ)】

国名平均寿命65歳以上割合
日本84.2歳27.58%
フランス82.9歳20.03%
カナダ82.8歳17.23%
イタリア82.8歳22.75%
韓国82.7歳14.42%
スウェーデン82.4歳20.10%
イギリス81.4歳18.40%
ドイツ81.0歳21.46%
台湾80.0歳14.56%
アメリカ78.5歳15.81%
中国76.4歳10.92%
ロシア71.9歳14.67%

日本はロシアと比べて平均寿命が12歳以上も高く、高齢者の割合はおよそ2倍です。
新型コロナウイルスにより70歳で亡くなった志村けんさんも、日本ではまだまだ若くして亡くなったと報じられています。
新型コロナウイルスの重症化率(死亡率)は見事なまでに年齢に伴って上がることが分かっていますが(特に70代以上の重症化率が非常に高い)、このような病気に対し超高齢化社会である日本が集団感染・集団免疫という選択をすることは自殺行為に近いと言えます。

現在、新型コロナウイルスに対して集団感染・集団免疫を実施している代表的な国はスウェーデンです。
スウェーデンは福祉国家として有名で施設に入る高齢者が多くなっていますが、日本では高齢者が1人暮らしや2人暮らしをしているケースが非常に多く、そういった人たちは普通に買い物などで外出もしています。
このような日本で集団感染・集団免疫という方策を行えば、数多くの高齢者が亡くなり医療崩壊が起こってしまうことは確実です。

抗体の期間

集団感染・集団免疫ということは、ほぼ全て(6割以上)の国民が体内に抗体を持つということですが、新型コロナウイルスの抗体がどの程度の期間に抗体が維持されるのかは、現時点で分かっていません。
麻疹や新型インフルエンザ(スペイン風邪)は1度感染すればほぼ一生抗体が維持されますが、冬風邪の発症源となるヒトコロナウイルスや季節性インフルエンザは数か月という短い期間しか抗体が維持されません。
もし新型コロナウイルスの抗体期限が非常に短いものだった場合、1度感染したから自分は安全だと思って日常生活を再開した人が、再び新型コロナウイルスに感染して知らない間に他人に移すという可能性が考えられます。
実際に新型コロナウイルスの感染を複数回した例が既に報告されており、集団感染が集団免疫に繋がらない可能性もあるのです。(韓国では、検査キットなどの問題ではない再感染としか考えられない例がいくつか報告されている)

治療薬の開発時期

新型コロナウイルスのワクチンが広く流通するのは、早くても来年末の冬からではないかと言われています。
しかし治療薬のほうはもう少し早く開発される可能性があるそうです。
また、現在の薬の利用法を含めた新型コロナウイルスの治療法も時間が進むとともに解明していくものと思われます。
いずれにせよ、医療的な問題から新型コロナウイルスの感染拡大は遅らせたほうが得策と言えます。
このような状況下にある今、集団感染・集団免疫という道を選ぶ必要があるとは思えません。

以上の3点から、私は日本が集団感染・集団免疫という対策をとることには反対の立場をもっています。
国によっては集団感染・集団免疫という感染症対策が有効かもしれませんが、日本はその方法がもっとも適していない国なのではないでしょうか?
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