日本のプロ野球で1番強いチームがメジャーリーグに参加したらどうなるのか?

スポーツ・競技
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もし日本のプロ野球で1番強いチームがメジャーリーグに参加したら、どのような成績を残すかということが 海外の反応サイトで話題になっていました。
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)などの国際的な大会で日本プロ野球の選手を中心とした日本代表が活躍しているので、トップクラスの選手では日本プロ野球がメジャーリーグと遜色がないレベルに達していることは議論に参加している多くの人が認めていましたが、選手層の問題から勝ち越すという意見は非常に少なく、概ねが負け越し、人によっては130敗(メジャーリーグは162試合制)するという意見も出ていました。
しかし私は、日本のプロ野球もトップクラスのチームならメジャーリーグでそこそこ戦えると思っています。(アメリカ特有の気候や試合間隔、移動に対する慣れなどの問題を除く)

以下で、私がそう考える理由を示していきます。

1、体格差の縮小

1984年から1996年まで、およそ2年に1回のペースで行われていた日米野球では、日本プロ野球選手とメジャーリーグ選手の体格差が大きくありました。
戦後(あるいは明治維新)以降続いた日本人の身長の伸びは21世紀以降止まっていますが、日米野球が頻繁に行われてた時期と比べると昨今の日本プロ野球選手とメジャーリーグ選手の体格差はだいぶ縮まり、日本人選手がメジャーリーグ選手に対し単純にパワーで負けるようなことは少なくなって来たように思います。

2、技術の向上と情報の共有化

これは野球に限った話ではありませんが、近年のスポーツは科学的なアプローチによる技術の向上が著しくなっています。
投手が投げる球の回転数や打者が打つ速度と角度に関するバレル率などが最近の野球では当たり前のように扱われ、それを測定する機材も充実しています。
また使用道具なども日に日に研究が進み、今年に入ってからも魚雷バットという今までと形の違うバットが話題になりました。
こういった技術革新がインターネットの発展により世界中に一瞬で広まっていく環境が整い、国際的な技術格差はほとんどなくなっているのが現状です。
少なくとも、『ボールは上からたたけ』などという古典的な技術を教える指導者は今は皆無と言っていいでしょう。

3、トレーニング環境の変化

これは上記した技術の向上と情報の共有化にも関連しますが、野球におけるトレーニングの技術も日々研究が進んでいます。
特に日本の練習法は前世紀まで『根性論』という極めて非科学的な考えが支配的で、『水は飲むな』などという今では逆効果とされるような指導がまかり通っていました。
しかし昨今は、高校でも様々な科学的なデータを計測する機材を揃え練習に取り入れているところがあるぐらいで、この点においてはアメリカよりも日本のほうに向上した面が多いと想定されます。

4、アメリカでの野球人気の低下

日本でも野球人気の低下は叫ばれていますが、それでも人気スポーツ1位の座を保っている状況です。
一方、メジャーリーグは既に1960年代にはアメリカンフットボールのプロリーグ(NFL)に人気で劣っていたと言われています。
とは言え、日米野球が頻繁に行われていた1980年代はまだまだアメリカ国内でメジャーリーグは高い人気と地位を誇っていました。
しかし現在、NFLとメジャーリーグの人気格差は比較対象でないほど広がっているそうです。
以下で、2023年にアメリカ国内で行われた各スポーツの決勝試合の視聴率を示します。

NFL(スーパーボウル)、40.0%
大学アメフト(カレッジフットボール・プレーオフ決勝)、9.0%
大学バスケ(NCAAトーナメント決勝)、7.8%
NBA(NBAファイナル第5戦)、7.0%
メジャーリーグ(ワールドシリーズ第5戦)、6.0%

以上のように、NFLの優勝決定戦であるスーパーボールは40%の視聴率を獲得しているのに対し、メジャーリーグのワールドシリーズは6%の視聴率しか獲得できていないのが現状で、メジャーリーグの試合が国民的な関心事でなくなっている様子がうかがい知れます。
このようなことから、アメリカでは優秀な人材が野球に集まってこない状況が続いているものと想定され、日本とアメリカの野球の実力差は昔よりかなり縮まっているものと考えられるわけです。
現在のメジャーリーグはアメリカで不足した人材を中南米やアジアの野球が盛んな国が補っているのですが、中南米やアジアの人となら日本人と体格差も少なく、人種的な不利を感じるようなこともほとんどありません。

5、チーム数と選手層

私が日本のプロ野球チームがメジャーリーグでもそこそこ戦えると考える1番の理由は選手層に関わる話です。
海外の反応サイトで見た議論では言及されていなかったのですが、メジャーリーグのチーム数が30なのに対し日本プロ野球は12と半分以下なのです。
もちろん、その点を踏まえても収入面からメジャーリーグのほうが有力選手が集まる傾向にありますが、ただでさえ野球の人気低下で優秀な人材が集まらなくなっているメジャーリーグにおいて、30のチーム数は若干多いのかもしれません。
実際のところ、メジャーリーグの成績下位チームは実力がかなり低い印象を持ちます。
日本プロ野球はメジャーリーグと比べるとチーム間の実力差が少ない印象で、少なくとも日本プロ野球の優勝チームならメジャーリーグの最下層チームよりも単純に強いように思え、トータルでも結構勝てるように感じます。

以上の点から、私は日本のリーグで優勝するような強豪チームならメジャーリーグでもそこそこ戦えると思います。
しかしこれは、冒頭に示したようにアメリカ特有の気候や試合間隔、移動に対する慣れなどの問題を除いた考えです。
そもそも日本の球団がメジャーリーグに参戦した場合にどうやって試合日程を組むのか未知数なので、この点は踏まえようがありません。

アメリカにおける野球ファンの高齢化は日本以上に激しいそうですから、昔(日米野球をよくやっていた時代)の日本人とアメリカ人の体格差などを理由に、根本的な選手層として日本プロ野球よりもメジャーリーグのほうが上と考える人が多くいるように感じます。
しかし近年の国際的な野球の成績からも分かる通り、日本人選手とアメリカ人選手(メジャーリーグの70%以上はアメリカ人である)の差が昔ほどないことは明らかで、メジャーリーグとAAAの間の実力と呼ばれていた時代よりも日本のプロ野球はメジャーリーグにだいぶ近づいているように思います。

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