オミクロン株に対してマスクは効果があるのか?

医学
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最近、新型コロナウイルス(主にオミクロン株)に対すマスクの効果を疑問視する人が増え、マスクを外せと必要以上に訴える人が増えている気がする。そこで、今回は新型コロナウイルス及びオミクロン株に対するマスクの効果について検証していく。

まず最初に言っておきたいが、基本的に多くの感染症にとってマスクは有効的だ。これは、『スピードを出していない車よりスピードを出している車はほうが危険』というレベルの話で、科学的な検証をとるまでもない。感染者がマスクをしていれば排出される飛沫量が減ることは間違いないのだから、飛沫感染や接触感染で伝播していく感染症にとってマスクは一定の効果があるだろう。
新型コロナウイルスに関しても、当初はそれなりにマスクが効果を発揮したと思われる。日本や韓国などといったマスク着用率の高い国の感染率が、他の国に比べて低く抑えられていたことはデータ上から明らかだ。

しかし、昨年末以降に流行した新型コロナウイルスの亜種オミクロン株に関して言えば、マスクは大きな感染予防効果を示さなかったのかもしれない。
韓国では、オミクロン株の流行時に1日60万人以上の新規感染者が発生した。これは、1日の人口あたり新規感染者数として世界最高ではないかと言われるほどの数値だ。マスク着用率の高い韓国でこのような新規感染者数になったということは、マスクがオミクロン株の感染予防に対して有効的でないことを示した結果と言えるだろう。
新型コロナウイルスは、先程も述べた通り飛沫感染と接触感染で感染するのだが、オミクロン株では、飛沫感染の中でも更に細かい5μm以下のエアロゾルによる感染(エアロゾル感染)することが分かっている。一般的な不織布マスクの隙間が5μmなので、エアロゾル感染になるとマスクの効果は当然弱まってしまう。

空気中に漂ったウイルスから感染する空気感染になると、マスクの効果は更に弱まるとされる。
ウイルスの大きさをバレーボールにすると、マスクの隙間はサッカー場程もあるという話を聞いたことがあるが、新型コロナウイルスの大きさは0.05μmから0.2μmほどらしいので、実際はマスクの隙間の1/25から1/100くらいのようだ。いずれにせよ、空気感染になるとウイルスがマスクを通り越すことが容易となってしまう。(おそらくバレーボールとサッカー場の比較は布マスクを用いた比較だろう)
オミクロン株の更なる亜種で、感染力が当初のオミクロン株(BA.1)の倍近くあるとされるBA.5については、空気感染しているのではないかという噂もあるが、このことについては確証が得られていない。

以上のように、新型コロナウイルス、特にオミクロン株についてマスクの効果が弱まったことは確かだが、マスクに効果がないかと言うと、そうとも限らないようだ。
新型コロナウイルスに限らず、感染症はウイルスを一気に吸入すると、重症化する確率が高くなってしまう。逆に吸入量が少なければ、症状は軽症や無症状で収まる確率が高まる。
日本や韓国は、新型コロナウイルスに対する危険度が高いと言われる高齢者の割当が多いにも関わらず、新型コロナウイルスよる致死率は他の国より低い。この理由を、マスクによるウイルス吸入量の抑制効果だという専門家もいるのだ。オミクロン株についてもこの効果は有効と思われ、実際にオミクロン株流行時の致死率も日本や韓国は世界の平均よりも低くなっている。

以上のように、新型コロナウイルスの流行が感染力の高いにオミクロン株に移り変わって以降、マスクの感染予防効果が下がったことは間違いないようだが、マスクがウイルスを含む飛沫の排出量を抑制している以上、マスクに効果がないと簡単に決めつけることも適切ではないようである。

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