松本人志の性加害疑惑を科学的に分析する

社会科学
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今回は、科学的事実をもとに話題になっている松本人志の性加害疑惑について考えていこうと思う。

1983年に『楢山節考』という映画が公開され、世界三大映画祭の1つであるカンヌ国際映画祭にてパルム・ドール(最高の賞)を受賞した。
この映画は、一定の年齢に達した老人(映画では70歳)を山に捨てる姥捨山伝説をもとにしたもので、それ以外にも『生まれた子供に対する間引き』、『性行為の制限』、『問題を起こした家族の一斉排除(生き埋め)』など、舞台となる村では人口が増えないように様々な対策が行われている。
これはフィクションであるが、日本のみならず過酷な環境下で暮らす人々の間では、こういった人口統制が実際に行われてきたことが分かっている。結局のところ、人類は食糧供給量以上の人口を保てないわけだ。仮に今の世界に200億の人がいた場合、餓死者が大量に発生したり食料を巡って戦争が多発するなど、人類にとってはマイナスなことばかりが起こるだろう。

人類の歴史を辿ってみても、食料生産に対する革新があると人口が大幅に増え、その後しばらくすると停滞期に入るということを繰り返してきた。そして現在は、人口の減少という今までになかった局面に入っているわけだ。現在は食糧の問題に加え、エネルギーの枯渇問題や地球温暖化に代表される環境負荷もあるため、人口を抑制する力がより強く働いていると思われる。先進国の多くで少子化問題が叫ばれるも、一夫多妻制や重婚の容認や避妊の禁止みたいな積極的な対策ができないことの裏には、地球上の人口を減らさなければならないという意識が人類の根底にあるからだろう。
人口を減らす方向に進んだ社会で何が起こるかというと、それは『性の抑制』だ。現在の社会で老人を山に捨てるわけにいかないのだから、産まれる人を減らすことが人口を減らす唯一の平和的解決法だろう。つまり現在は、昔ほど性に対して大らかな社会でないわけだ。実際に性的な問題に対して社会の目が厳しくなっているし、法律も厳しいほうへと改正されている。(性交同意年齢の引き上げや強制わいせつ罪の非親告罪化など)

現在、天皇家の男系が断絶の危機にあり、側室制度を再開するべきだと主張する人が極稀にいるが、現在の感覚ではとても無理だと言わざるを得ない。明治天皇までは側室がいたのだから、100年強で日本の社会的価値観が大きく変わったわけだ。(日本では明治31年に一夫一婦制が法的に確立)
50年前で考えても、政治家や芸能人の大物に隠し子がいることはよくある話だった。それが現在は、不倫をしたという事実だけでも選挙に落ちたり芸能界を追放されたりすることが当たり前になっている。
これは決して日本だけで起こっている現象ではなく、世界中で『#MeToo』運動などが起こったことは記憶に新しいだろう。ジャニー喜多川の件が現在になって問題視されたことも、こういった時代の流れが背景にある。(彼の場合は同性愛なので少しニュアンスが違うが)

現在社会で起きていることをもう少し具体的に説明すると、それは『一夫一妻制の過度な推奨』と言える。
従来、不倫は当事者間の問題とされてきたが、現在は当人たちの気持ちがどうであろうと有名人の不倫は許さない風潮になりつつある。今でも不倫を当事者間の問題だと捉える人も多いだろうが、相手が死にたいと思っていても人を殺してはいけないように、社会の目が厳しくなれば何だって当事者間の問題では済まなくなるのだ。
芸人のたむらけんじは、数年前に女性とともに松本人志らと合コンと思われる飲み会をしていたことを認めている。このことに対して、『合コンをしてはいけないのか?』と考える人もまだまだ多いだろう。結論から言うと、現在の社会では『既婚者が合コンをしてはならない』と言わざるを得ない。少なくとも、現在の社会はそういう方向へと進んでいる。松本人志はこの社会の変化に気付けなかったわけだ。

世界の人口を考えると、これからもしばらくは性的な問題に対して社会の目は厳しくなる方向へと進むと思われる。世界の人口が大きく減って50億人程度になれば、また違う価値観が生まれるのだろうが、それはまだまだ先の話であるから現在の人類は一夫一妻という制度に縛られて生きていかざるを得ない。

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