新型コロナウイルス、特にオミクロン株は弱毒化し危険度は低いという話をよく聞く。今回、この新型コロナウイルスの弱毒化について考えてみるが、ウイルスが弱毒化しているかどうかを判断するには何を調べるべきだろう?
ウイルスが弱毒すれば弱毒するほど感染による死亡率が低くなるのだから、単純に致死率を調べればいいわけだ。しかし、この考えには大きな盲点がある。それは『ウイルスの弱毒化以外にも致死率を低下させる要因ある』という点だ。
まずはこの問題を解決するため、『ウイルスの弱毒化以外に致死率を低下させる要因』を列挙していく。
ワクチン接種の影響
新型コロナウイルスのワクチンは感染防止の効果は低いようだが、重症化率の抑制にはそれなりの効果があったと思われ、致死率の低下に一役買っている。
治療薬の開発
新型コロナウイルスの流行から2年、やっと有効的に治療薬が流通してきた。当然、この新薬も致死率の低下と密接な関係があるだろう。
治療方法の確立
新型コロナウイルスが発覚した際は、未知の病気で治療法が分からず医療現場に混乱をきたしたが、現在そのようなことはなくなり、上記の新薬以外でも治療方法はある程度確立している。
治療体制の確立
新型コロナウイルスの流行以降、各国は医療体制の確立に取り組んできた。こういったことも致死率低下に繋がっているはずだ。
新型コロナウイルスに弱い人の死亡
当然のことだが、ウイルス感染症はそのウイルスへの抵抗力が弱い人から先に死んでいく。そのため感染症が流行し死亡者が増えていくと同時に死亡率が低下していくことは当然である。
Google検索が示すところによると、オミクロン株流行時の新型コロナウイルス感染者のピーク(7日間平均)は、およそ345万、一方の死者数はおよそ1.1万となっている。致死率の直すと0.32%程だ。
【オミクロン株流行時における感染者数のピーク(引用:Google検索)】
【オミクロン株流行時における死者数のピーク(引用:Google検索)】
新型コロナウイルスは最初の流行時で2.5%、デルタ株感染時のピークで計算すると1.6%程度の致死率だったので、現在の致死率が相当下がっていることは間違いない。デルタ株のピーク時もワクチン接種や医療体制の確立は出来ていたので、『ウイルスの弱毒化以外に致死率を低下させる要因』を考慮しても、致死率が5分の1まで下がった事実はウイルス自体が相当弱毒化していると考えられる。
しかし、感染者の数はデルタ株の感染よりもピーク値で4倍になっており、危険度そのものはそこまで下がっていないようだ。事実、日本や韓国ではデルタ株よりもオミクロン株の流行時のほうが多くの死者を出している。結論からすると、新型コロナウイルスは弱毒化しているが危険度はほとんど下がっていないということになる。
【デルタ株流行時における感染者数のピーク(引用:Google検索)】
オミクロン株に変異した新型コロナウイルスは感染力が極めて高くなっており、今後はワクチン接種ではなく感染することで、このウイルスに弱い人は亡くなり、強い人は抗体を身につけ、自然と致死率が下がっていくのかもしれない。おそらく人類は、過去の感染症もこうやって克服したのだろう。
そう考えると、新型コロナウイルスの抑制に対し、現在の科学や医学ですら大きな効力を発揮できなかったとも捉えられ、ウイルス感染症の恐ろしさを再確認せざるを得ないようだ。
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