現在、地球温暖化が世界的に問題化していることは誰もが知ることだろう。このことについては前々回の記事で書いたように議論はあるが、人間の活動が地球を温暖化させていることは紛れもない事実だ。
地球の気温は、人間の活動に関係なく太陽の活動や火山活動などによりダイナミックに変動することが分かっている。つまり、二酸化炭素の排出量増加などによる人間の活動が地球を温暖化させる要因になっていたとしても、地球が寒冷化する可能性も十分考えられるわけだ。
例えば、大規模な火山噴火があれば地球の温度は一時的に下る。
1993年に日本で米不足が発生し、タイから米を輸入したことを覚えている人もいるのではないだろうか。これは、1991年にフィリピンのピナツボ火山が20世紀で最大規模となる大噴火を起こした影響と言われている。この噴火によって成層圏にまで大量のエアロゾルが放出され、そこで生成された硫酸エアロゾルが1年をかけて成層圏全体へと拡散。太陽の光が弱くなり、日本では1993年に記録的な冷夏となった。
寒冷化は食物の成長に影響があり、食糧不足と直結する問題だ。現在の地球で一時的な寒冷化と食糧不足が起きたとき、問題となるのが地球の人口である。端的に言って、寒冷化が起これば人口分の食料を維持出来ない。つまり、地球の気温は温暖化より寒冷化するほうが危機的な状況に陥るわけだ。
74,000年前には、現在のインドネシア(ドバ湖)で起きた大規模な火山噴火によって、一節には地球の気温が2年間で12℃も下がったと言う。その結果、最終氷期という長い氷河期(7万年前から1万年前)をもたらし、人間の活動にも大きな影響を与えた。
当たり前のことだが、火山の噴火は人間の活動とは関係なく起こる。つまり、現在の地球がいつ氷河期に突入してもおかしくないということだ。
現在は、地球が温暖化し作物の収穫量が多いからこそ80億人という人口を維持できているのであって、寒冷化になれば人間社会は一気に崩壊するだろう。
飢餓で苦しむ人が増えたり、食物の奪い合いで戦争を起こしたりと、寒冷化がもたらす影響は甚大で、悲惨な光景が広がることが確実視されている。そうならないためにも、地球の人口を減らすことについて各国政府や国連はもっと真剣に考えなければならない。
しかし現状、経済的な問題や財政的な問題から、ほとんどの国は少子化を改善するべきの努力している。これは科学的には正しくないどころか真逆の行為と指摘せざるを得ない。
実際問題、先進国では女性の社会進出が広がって以降、自然と少子化が進み人口爆発の問題は解決に向かっているのだが、そうなっていない国もある。ハッキリ言ってしまえば、問題はアフリカ地域の出生率の高さだ。アフリカ地域の出生率が下がらなければ地球の未来はないに等しい。
今回は昨今話題となっている地球の温暖化ではなく寒冷化について考え、より危険だと指摘したが、かと言って地球の温暖化を放置していいという問題ではない。寒冷化が起こる要因と共に、地球は人間の活動と関係なく温暖化する可能性も秘めており、そんなことが起これば人間がもたらす温暖化と二重の温暖効果があるわけだから、温暖化も当然容認は出来ないのだ。
地球が温暖化するにせよ寒冷化するにせよ増えすぎた人口は問題となるので、現在の人類にとって解決しなければならない問題であることは間違いない。
次回は、そんな人口爆発の問題を考えていこうと思う。
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