今年の東京は猛暑日(最高気温が35℃以上)になった日が1番多く、この日数はまだ伸びる可能性もある。こんな時期だからこそというわけではないが、今回は地球温暖化の問題を考えてみたい。
現在、地球温暖化を示す指標として二酸化炭素排出量が広く利用されていることは多く人が理解していることだろう。
しかし、このことについては一定数の否定派が存在している。地球温暖化と二酸化炭素排出量には関係がないという学者や識者もいれば、そもそも地球は温暖化していないと主張する人までいる。アメリカのトランプ前大統領などがその代表例だ。
以下のグラフは、1891年~2021年までにおける地球の平均気温の変化を示したものである。
画像引用:世界の年平均気温 – 気象庁
このグラフを見ると、1940年代から1970年代という世界各国で工業化が著しく進んだ時代に地球の気温は上がっておらず、その後に上昇したことが分かる。二酸化炭素排出量が地球温暖化の原因なら、1940年代から1970年代にも地球の気温は上昇したはずだ。
こういったデータをから、地球の気温上昇は二酸化炭素の排出量とは別の原因ではないかとと主張する学者が存在している。確かに、このデータを見れば地球温暖化と二酸化炭素排出量は関係がないように思え、議論を呼んできた。しかし、それは不毛な議論である。
地球の気温は人間の活動に関係なく100℃ぐらいは上下する。地球全体が燃えたぎっていた時代もあれば、凍っていた時代もあるのだ。
人類誕生以降も氷河期(最終氷期)があったことは多くの人が知っているだろう。この氷河期は7万年前に始まって1万年前終わり、人類活動にも大きな影響を与えているのだが、氷河期が終わる最終段階に、短時間で気温が大きく変化したことが判明している。
なんと、約10年で地球の平均気温が7.7℃以上も下がったのだ。
これは氷床が解けたことによる一時的な寒の戻り現象だったようだが、いずれにせよ、人間の活動に関係なく地球は短期間に気温の変化を起こすということだ。太陽活動の影響、火山活動の活発化、その他様々な現象により、地球の気温は上がったり下がったりを繰り返してきた。
なので、地球が温暖化しているときも一時的に気温が下がったり、気温上昇が鈍化することは普通にあり得るわけだ。産業革命以降の長いスパンで見れば、地球の気温が上がっている傾向があること明らかである。
地球温暖化の本質とは、地球が実際に温暖化しているかどうかではなく、人間の活動が地球の気温を上げる要因になっているかどうかだ。
料理、入浴、電化製品、車などのエンジン、工業機械、電力発電、ゴミの焼却・・・現在の人間活動は熱エネルギーを多用してる。これだけの熱利用を80臆の人が行えば、地球そのものに影響が出てもおかしくない。むしろ出ないほうがおかしいだろう。
前回の記事でも示したが、地球の温暖化は人口が増えすぎたことによる影響が強い。(参照)
普通に考えて、人間の活動は地球の気温を上げる要因になるだろう。現在の人間活動を見て地球に影響を与えていないという人がいるのなら、それはもう地球は平べったいとか、地球を中心に他の星が回っていると言っているようなものだ。
そして人間の活動を計る指標として二酸化炭素の排出量は分かりやすく、逆にそれ以外に使える指標がないのが現状と言える。
地球温暖化の否定派は、現在の人間が使っている大量の熱についてどう思っているのだろうか?
走行直後の車のエンジンを触りながら答えてもらいたいものだ。
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