将棋や囲碁で脳を使うと体重が減るという話は本当なのか?

医学
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ここ数年、将棋や囲碁のニュースがだいぶ増えてきたように感じ、プロ棋士がメディアに登場することも珍しくなくなってきたように感じる。そして、そんなプロ棋士たちが度々こんなことを言うのだ。

『1回対局を終えると体重が1kg~2kgも減る』

この話を聞いた人は、将棋や囲碁のプロはとてつもなく深い思考をしているから、脳がとてつもないエネルギーを消費していと思うことだろう。しかし、実際にそんなことあるのだろうか?

実は、将棋や囲碁などをして頭をフル回転させようが、特に何も考えずボーっとしていようが、脳のエネルギー消費量はほとんど変わりがないことが分かっている。早い話が、脳のエネルギー消費量で体重が減るという話は迷信ということだ。

では、なぜプロ棋士は対局が終わると体重が減るのだろうか?

その原因として考えられることは、脳の使用に関係なく対局中に立ったり座ったり歩き回ったりすることによるエネルギー消費だ。基礎代謝を除き、人間の体でもっともエネルギーを消費する筋肉である。
将棋や囲碁ソフトはパソコンやスマートフォンでも動かせるが、ロボットを実際に動かすとなったら様々な部品を付けて各部分を動かす機構を作らなければないことは、簡単に理解が出来るだろう。当然、将棋や囲碁ソフトが使うエネルギーより、ロボットを動かすほうが大きいエネルギー(電力)の消費量は激しい。人間も同じで、頭で考えることより体を動かすほうが遥かにエネルギー消費量は大きいのだ。

そもそも体重というものは、飲食や排泄、または入浴や睡眠時の発汗などにより、1日の中でも(成人の場合)1kg程度の変化は常に起こっている。体重を計るタイミングによっては、もっと大きな変化もあるだろう。将棋や囲碁は開始か終局まで12時間を超えるなんてことがザラにあるため、対局前と終局後で体重が違っても何ら不思議ではないのだ。
そのため、極端に頭の使う仕事でなくとも、1kg程度の体重変化は起こっていると思われる。というか、他の仕事のほうが体重変化は大きいかもしれない。外回りの営業職や肉体作業者は、当然、仕事上でのエネルギー消費量が激く、事務職ですら将棋や囲碁の棋士よりは動き回るだろうから、1日で1kg~2kg程度の体重変化があっても不思議ではない。

プロ棋士における体重変化でそれ以外に考えられることは、過度の緊張状態で発汗するなどして脱水症状が起こっている可能性だ。
将棋や囲碁は持ち時間が無くなると秒読みという短時間で次の手を指す(打つ)ことになるが、考えがまとまっていない状態で指す(打つ)ときは、焦りなどから心拍数が上がり体も熱くなり、大量の汗が出ることがある。発汗すればその分体重は減るので、そんな状況が続けば体重が減るのは当然だ。しかし、短い時間に1kgや2kgもの汗はそう簡単にかけるものではないので、結局、プロ棋士における体重の変化は、1日の中で起こる自然な体重変化の影響のほうが大きいだろう。

結論としては、プロ棋士が対局日に1kg~2kgの体重変化があったとしても、それは深い思考しているからではなく1日の中で起こる体重変化が大半の要因であり、異常な緊張状態での対局が続いた場合などは、普段以上の発汗した影響で体重が減っている可能性が考えられる。
いずれにせよ、深い思考による脳のエネルギー消費という理由で痩せるということはないだろう。

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