今の時代、データ管理はパソコンなどの電子機器を使って行うのが当たり前の時代になっている。一方、50年前のオフィスや役所では紙と筆記用具を使ってデータ管理を行っており、使う電化製品はせいぜい電卓ぐらいのものだった。個人商店などでは、そろばんを使う人もまだまだ残っていたほどだ。このような電子機器の普及・発展は、テクノロジーの進歩とほとんどの人が考えていることだろう。
しかし、本当にそうだと言い切れるだろうか?
パソコンがかなりの熱を排出することは、ほとんどの人が知っているはずだ。パソコンを使っている際には、本体から常時熱い風が吹き出ている。そんなパソコンがオフィスや役所で大量に起動するとなると室内は相当暑くなり、夏場は確実に冷房を使用せざるを得なくなる。元々の暑さにプラスしてパソコンからの排熱分も冷まさなければならないわけだから、冷房の使用量は相当なものになることは明白だ。
そんな熱が外気に排出されるため都市部の気温は上がり、結局そこに住む人達も冷房を使わざるを得ない状態となってしまうため、外気温度の上昇を更に促してしまう。結果、都市部における近年の夏は異常な高温を記録する日が多くなってきているのだ。これがヒートアイランドと呼ばれる都市部における異常な高温化の正体である。更には火力や原子力などの熱を使って電力も大量に発電しなければいけなくなり、まさに熱が熱を生む悪循環極まりない状況に陥っていくことになってしまう。
こんな非効率な人類の活動が、果たしてテクノロジーの進化と言えるのだろうか?
もちろん、電子機器によるデータ管理は紙の使用減少などという森の保全活動にも繋がるし、ヒートアイランド現象は電子機器の使用だけが原因ではない。しかし、ここ十数年における夏の暑さ、あるいは6月にも関わらず最高気温が連日35℃を超えた先月末の暑さを考えると、いずれにせよ正しくテクノロジーが進化した結果とは思えないのが実情である。テクノロジーの進歩と言えば1+1が3にも4にもなるイメージだが、これでは1-1で0になっているに過ぎないのだ。
電子機器の発展が現在の人類に様々な革新を与えたことは間違いない。しかし、電子機器の利用が都市部のヒートアイランド現象の一因になっていることも間違いないだろう。この問題を人類はどう克服するか、次回はこの点について考えていきたいと思う。
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