2024年の正月について、去年と明らかに違うと感じた人も多いことだろう。ここ数年間は新型コロナウイルスの流行によって生活に様々な影響を及ぼしたが、昨年の5月に2類感染症相当との分類が警戒レベルの低い5類感染症に切り替わって以降、今では新型コロナウイルスの報道もだいぶ少なくなった。
しかし厚労省の発表によると、2023年の夏に起こった新型コロナウイルスの流行(第9波)で亡くなった人は約17,000人、その内12,000人は新型コロナウイルスが直接的な要因だったらしい。インフルエンザによる死者数は2010年から2019年までの10年間で17,848人だから、新型コロナウイルスは1回の流行だけで10年分のインフルエンザの死者数を今でも計上しているわけだ。
感染症対策をやめたことが影響しているとは言え、この事実を踏まえれば新型コロナウイルスの流行は全く収まっておらず、むしろ悪化の一途を辿っているとも思える。
新型コロナウイルスで亡くなった人は、公式に確認された人以外も含め全世界で数千万人に上ると想定されている。現在において、新型コロナウイルスは人が命を落とす大きな要因になるなど、人類社会に大きな影響を与え続けているわけだ。
そして新型コロナウイルスの影響については、感染による諸問題だけではない。もっと大きい問題は世界各国で起こっている出生率の低下だ。
2019年に1.36だった日本の出生率は2022年に1.26まで低下、2023年には更に下ると想定されている。中国では2019年に1465万人だった出生数が、2022年に956万人と極端な減少が起こった。
他の国でも総じて出生率は低下しており、新型コロナウイルスにより人類の出生率は1割程度低下していると想定される。この影響は長期的なものではなく、時間の経過とともにある程度は回復すると思われるが、新型コロナウイルスの流行前に年間1億5000万人程度の子供が産まれていたことを踏まえれば、新型コロナウイルスの影響により世界で産まれるべき子供の数は2000万人以上減ったと想定される。残りの寿命という観点で考えれば、大半の死亡者が高齢者だった新型コロナウイルスの感染よりも、この出生率の低下のほうがはるかに影響は大きい。
つまるところ、新型コロナウイルスは世界の人口を減少方向へ進むように作用している。
このことにより、地球の環境問題などが解決に向かうと指摘する者もいる。確かに現在の人間が抱える問題の大半は人口の多さにあることは事実だろう。しかし、出生率の急激な低下は様々な社会問題を引き起こす可能性を秘めており容易に歓迎はできない。そもそも新型コロナウイルスの感染で命を落とすことを喜ぶ人などいないはずだ。
ハッキリ言って、新型コロナウイルスの状況は2024年現在も全く良くなっていない。そしてその影響は今後も長く続くと思われる。
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