行動規制を伴うコロナ対策が経済活動を阻害するという考えは間違いである!

経済
この記事は約5分で読めます。

主に関西圏で放送されている情報番組『正義のミカタ』にて、医師で厚生労働省の元医系技官である木村盛世(木村もりよ)氏が、新型コロナウイルスの流行に対し、都市封鎖などの強力な対策をしたニューヨークとほとんど対策をしなかったスウェーデンを比べ、現在はどちらもほぼ収束していることを説明していました。
そして、同じように収束に向かうのなら、都市封鎖などの過度な対策を行わずに経済を回したほうがいいのではないかということで話が締められていたのです。
私はこの考えに大きな違和感を感じたので、以下で詳しく説明していきます。

まず、スウェーデンにおける今年の経済成長率は-5.3%との予想が出ています。

【スウェーデン周辺国の2020年経済成長率見通し】

ポーランド:-4.6%
デンマーク:-5.2%
スウェーデン:-5.3%
ドイツ:-6.3%
フィンランド:-6.3%
ラトビア:-7.0%
リストニア:-7.1%
エストニア:-7.7%

資料:https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=30491753

この数値は他のEU諸国に比べれば低くないものの、新型コロナウイルスの対策を徹底的に行ったドイツの経済成長率-6.3%と比べて、著しく良い数字ということもありません。(ちなみに2019年における日本の経済成長率は政府の見込みでは-4%台半ば)
結局、行政による強制的な自粛要請がなくとも、人々は恐怖を感じ自ずと自粛行動をするので経済活動は停滞するのです。

一方で、スウェーデンの新型コロナウイルスによる人口当たりの死者数は、世界最高レベルとなっています。

スウェーデンの新型コロナウイルスによる人口当たりの死亡率はアメリカやブラジルよりも高く、2020年8月1日現在、ミニ国家を除き世界6位。
スウェーデンより死亡率の高い国は、イギリス、イタリア、スペインなどの大規模な医療崩壊を起こした国だけである。

木村盛世氏はニューヨークとスウェーデンの例を挙げ、新型コロナウイルスの感染が同じように収束するのなら、スウェーデン方式のほうが良いと主張していましたが、私は同じヨーロッパ北部のドイツとスウェーデンを比べ、経済の停滞状況が変わらないのなら死者数を低く抑えたドイツ方式のほうが良いように考えます。(ドイツの新型コロナウイルス死亡率はスウェーデンの5分の1程度)

そしてそもそもの問題として、福祉大国であるスウェーデンでは、介護施設や高齢者専用住宅などで暮らす高齢者の割合が多く若者や労働者などとの社会的距離がとられていたり、家族に迷惑をかける前に福祉施設に入るという考えが広まっています。
日本はスウェーデン以上の高齢化社会ですが、福祉の充実や高齢者の考え方がスウェーデンと全く異なっているので、世界的に見て極端な対策を行ったスウェーデンの例を日本に当てはめることには大きな疑問を感じざるを得ません。

現在の日本では、緊急事態宣言などといった外出自粛を伴うような対策をしないことが、経済優先の対策になっていると考える人が多いようですが、それは全く違います。
上記した通り、自粛活動をほとんどしなかったスウェーデンでも経済の状況は大きく悪化しており、新型コロナウイルスの感染者数が減らない以上、経済は上手く回らないのです。
普通に考えて、今のように新型コロナウイルスの感染者が増加している状況で外食や旅行に行く人は、普段の半分もいないでしょう。
以前書いたように、日本の飲食業界はそもそも厳しい世界なので、客足が50%減ればかなりの数の飲食店が閉店するはずです。

新型コロナウイルスの流行で見えた日本の飲食店の問題点
新型コロナウイルスの流行及びそれに伴う自粛要請で、飲食店の状況がとても厳しく、テレビなどでもレポーターが店主にインタービューして苦しい現状を聞く姿が度々流れています。 こういった映像を見て飲食店が新型コロナウイルスで大変だと思い、...

旅行業者だって、国内からの観光客が半分以下になれば大変な状況になることは明確で、更に海外からの観光客がほとんど0になっている現状では、とても持ちこたえられるとは思えません。
つまり、緊急事態宣言や各自治体による自粛要請があろうがなかろうが、今のように新型コロナウイルスの感染者が増えてしまえば、経済はかなり厳しい状況に陥るということです。

であるのなら、新型コロナウイルスの感染者数を減らすしか道はありません。
そしてここまで増えてしまった感染者数を減らすには、緊急事態宣言の発令以外に手はないと思います。
上記したニューヨークやスウェーデンは、新型コロナウイルスの感染拡大が終息するのに3か月程度の時間がかかっていますが、今から3か月後となるとウイルスが活発になる冬の一歩手前にまで突入してしまいます。
そうなれば、第二波の収束を待たずに新たな感染拡大(第三波)が起こってしまう可能性も考えられるのです。
ですので、今の時点で新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込む対策をしっかり行い、感染者数の増加を抑え込まないといけないわけです。
今は、感染症対策的にも経済対策的にも、新型コロナウイルスの感染者数を減らすことが第一優先かと思います。

そしてこれは次の記事で詳しく書こうと思いますが、来年に延期した東京オリンピックだって、こんな状況ではできるわけがありません。
1日1000人を超える新規感染者が出ているにもかかわらず、政府がこれといった対策をしないとなると、国際社会は日本の新型コロナウイルス対策が十分ではないと見なすでしょう。(既に東アジアの国々からはそう見なされている)
そんな国でオリンピックなどといった世界的なビックイベントができるでしょうか?

いずれにせよ、今は新型コロナウイルスの感染者数を抑え込むことがあらゆる面で重要であり、その具体的な案は緊急事態宣言の発令以外にはないと私は思います。

スポンサーリンク
『とある日本人の社会問題批評』の最新記事
スポンサーリンク

コメント

Translate »
タイトルとURLをコピーしました