京都大学の上久保靖彦特定教授が新型コロナウイルスに対する新しい理論を発表し、メディアで話題となっています。
上久保教授の理論をざっくり説明すると、日本では昨年末以降、弱毒性の新型コロナウイルスが中国から流入し、既に日本人の80%~90%が新型コロナウイルスの抗体に類するもの(T細胞による免疫)をもっている状態で、新型コロナウイルスに感染しても重症化せず、集団免疫を獲得しているので感染が広がることもないとのことです。
中国からの旅行者が多いアジア圏などで新型コロナウイルスによる死亡者が少ないのも、同じ理由だそうです。
この理論には実証可能な科学的証拠があるわけではなく、疑問の声を上げる学者も多いのが現状で、いずれにせよ仮説ということになります。
この仮説が、マスコミを通じて国民の中で注目を浴びるようになってきたいるようなのです。
新型コロナウイルスのニュースは毎日同じような内容になって視聴者が飽きてしまうため、新しい切り口が欲しかったマスコミが一気に飛びついたのでしょう。
しかし現時点でこの仮説が事実であるかどうかなど、誰も確認のしようがありません。
こういった類のものは、新型コロナウイルスが終息してから長い時間をかけて検証し、証明できるかどうかという話かと思います。
仮説を言うのであれば、南海トラフや首都直下型の大地震が今後100年間は起こらないとする研究者もいます。
しかしそんな研究結果の元で安全基準を作っていたら、実際に首都圏で大きな地震が起こった際にビルが軒並み倒壊してしまうかもしれません。
災害や感染症などの対策は、最悪のケースで見通しを立てるのが大基本です。
現在、新型コロナウイルスにより世界で60万の人が亡くなりました。
新型コロナウイルスが武漢で流行したのは今年の1月でしたから、まだ新型コロナウイルスの流行が起こってからおよそ半年で、感染はまだまだ始まったばかりと言えます。
しかも人類史上初となるレベルの対策を世界規模で行ってこの結果なのですから、新型コロナウイルスが危険な感染症であることは間違いありません。
上久保教授の理論が当たっていようがいまいが、新型コロナウイルスが危険であることに変わりはないのです。
この危険な感染症に対し、現状では証明できない楽観論のもと対策を立てるわけにはいかないでしょう。
それでも、もしこの楽観論を支持したいという人は、地震対策や洪水対策をまるで行わない世の中で生きてもらいたいと思います。
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