将棋棋士の正しい呼び方(敬称)講座

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将棋棋士の呼び方(敬称)はとても複雑で、関係者ですら呼び間違えるほどです。
というわけで、将棋棋士の正しい呼び方をまとめてみました。テレビ番組やイベントなどに棋士を呼ぶ際にぜひ参考にしてください。

基本①

段位で呼ぶ。

例:森内俊之九段
※90%以上の棋士はこれで対応できます。
※棋士の昇段規定は複数あるので、棋士の段位は常に確認しておかなければ段位を言い間違えてしまう可能性があります。(段位を低段に間違えるのは失礼になる)

基本②

タイトル保持者はタイトル名で呼ぶ。

例:郷田真隆王将

タイトルを複数保持している場合

複雑なのはタイトルを複数持っている時の呼び方です。
これには、しっかりとした決まりがありますので、呼ぶ際には注意してください。

現在あるタイトルは、

竜王戦(主催:読売新聞)
名人戦(主催:毎日新聞、朝日新聞共催)
王位戦(主催:新聞三社連合)
王座戦(主催:日本経済新聞)
棋王戦(主催:共同通信)
王将戦(主催:スポーツニッポン新聞、毎日新聞共催)
棋聖戦(主催:産経新聞)

です。

パターン1:竜王と他のタイトルを持っている場合

竜王を優先的に呼ぶ。

例:竜王と王位を持っていた場合は、○○竜王と呼ぶ。

パターン2:名人と他のタイトルを持っている場合

名人を優先的に呼ぶ。

例:名人と棋王と棋聖を持っている場合は、○○名人と呼ぶ。

パターン3:竜王と名人以外のタイトルを複数持っていた場合

タイトル数の数を合わせ◯冠と呼ぶ。

例:王位と王座と王将を持っていた場合は、○○三冠と呼ぶ。

パターン4:竜王と名人を同時に保持している場合

竜王・名人と2つのタイトルを重ねて呼ぶ。

例:竜王と名人のタイトルを持っていた場合は、○○竜王・名人と呼ぶ。

パターン5:竜王と名人と他のタイトルを持っている場合

竜王・名人の2つのタイトルだけで呼ぶ。

例:竜王と名人と王将と棋聖のタイトルを持っていた場合は、○○竜王・名人と呼ぶ。

パターン6:七つのタイトルを独占した場合

正式には竜王・名人と呼ぶが、全てのタイトルを保持していることが分かるように七冠と呼ぶこともある。

例:竜王と名人と王位と王座と棋王と王将と棋聖のタイトルを持っている場合は、正式には○○竜王・名人と呼ぶが、○○七冠と呼ばれることも多い。

特例:主催者のタイトルを優先的に呼ぶ

王将戦の舞台では、たとえ竜王や名人などの上位のタイトルと王将を持っていた場合でも、王将と呼ぶ。
また、王将戦を主催するスポーツニッポン新聞社のイベントなどでも王将と呼ぶ。
他のタイトル戦もこれに準ずる。

例:棋聖戦のタイトル戦で竜王と棋聖を保持していた場合は、○○棋聖と呼ぶ。
例:竜王と王将を所持している棋士が王将戦の予選を解説する場合は、○○王将と呼ぶ。
例:名人と王座を所持している棋士が、王座戦の主催者である日本経済新聞の紙面に出るときは、○○王座と記載される。(ただし名人戦の記事では○○名人と呼ぶ)

棋戦優勝している場合

タイトル化されていない棋戦(防衛戦がない棋戦)で優勝した場合は、その後1年間(次の棋戦優勝者が決まるまで)棋戦優勝者である称号を名乗る場合があります。

現在ある棋戦の称号は

叡王戦→叡王
朝日杯将棋オープン戦→朝日杯選手権者
銀河戦→銀河
NHK杯将棋トーナメント→NHK杯選手権者
JT将棋日本シリーズ→JT杯覇者

です。
その他の、新人王、上州YAMADAチャレンジ杯、加古川青流戦などの若手や低段位限定の棋戦では、棋戦優勝者に対する称号が使われることはほぼありません。

通常

棋戦優勝はタイトルではないので名乗らない。

例:七段の棋士が昨年度のNHK杯選手権者の場合は、○○七段と呼ぶ。
例:名人が昨年度の朝日杯選手権者の場合は、○○名人と呼ぶ。

主催者の棋戦やそれに関するイベントなどでは名乗る

NHKの番組に昨年度のNHK選手権者が呼ばれた場合は、たとえタイトルを保持していてもNHK選手権者と呼ばれる。
また、他の棋戦もこれに準ずる。

例:叡王戦を主催するニコニコ生放送に昨年度の叡王が呼ばれた場合は、名人であっても○○叡王と呼ぶ。

特殊パターン

朝日杯選手権者は、主催者の朝日新聞が名人戦の主催者でもあるので、朝日杯選手権者と名乗るのは朝日杯将棋オープン戦とそれに関連するものに限る。

例:昨年度の朝日杯将棋オープン戦優勝者は、朝日杯将棋オープン戦の舞台では朝日杯選手権者(選手権者)と呼ぶ。
例:昨年度の朝日杯将棋オープン戦優勝者であっても、朝日新聞の朝日杯将棋オープン戦関連以外の記事では朝日杯選手権者とは呼ばない。

※詳細な基準は分かりませんが、朝日新聞内で朝日杯選手権者と呼ばれるのは、朝日杯オープン戦に関する記事だけです。

【その他】

以下、その他の特別なパターンについての解説です。

段位戦の場合

タイトルを保持していても段位で呼ぶ。

例:竜王のタイトルを保持し段位が八段の場合、○○八段と呼ぶ。
※主催者の意向次第でタイトル名で呼ぶこともあるかもしれないが、現在段位戦は叡王戦の1棋戦しかなく叡王戦ではタイトル保持者も段位で呼んでいる。

前竜王・前名人

竜王と名人の前タイトル者は、前竜王、前名人と名乗ることができる。

例:名人の前任者は、前名人と呼ぶ。
※期限は次のタイトル戦が終わるまでで、本人が辞退した場合は呼ばれない。
※近年は、前竜王、前名人の称号を名乗る棋士はいなくなっている。

永世タイトル保持者

永世タイトルの保持者は、引退後にタイトルの称号を名乗ることができる。

例:永世棋聖の資格保持者(通算5期獲得)は、引退後に○○永世棋聖と呼ぶ。
※永世タイトルの基準や呼び名は各タイトルによって違う。
※複数の永世タイトルを保持している場合は上位のタイトルを名乗り、主催者のタイトルは優先されて呼ばれる。
※同レベルの永世タイトルを保持している場合は本人意向のタイトルを名乗り、主催者のタイトルは優先されて呼ばれる。
※現役時代に抜群の成績を得ていたものは、主催者の意向により引退前に名乗る場合がある。(例:大山康晴、中原誠)

まとめると

以上の内容をまとめると、

第1優先事項:主催者への配慮
第2優先事項:タイトル名(竜王・名人)
第3優先事項:タイトル名(王将、王位、王座、棋聖、棋王)
第4優先事項:段位

で呼ぶこととなります。

段位が九段で竜王・名人・王座のタイトルを保持し、前年度のNHK杯選手権優勝者だった場合。

基本は竜王・名人と呼ぶ。
王座戦や日本経済新聞(王座戦の主催者)では王座と呼ぶ。
NHKの番組ではNHK選手権者と呼ぶ。
段位戦では九段と呼ぶ。

どうしても呼び方が分からない場合は?

○○先生と呼びましょう。

分からない場合は、○○先生と呼んでおけば問題ありません。

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