将棋界に5人いる中学生棋士を、タイトル歴からプライベートな部分まで徹底比較します。
※藤井聡太奨励会三段が2016年9月3日に最年少でプロ棋士(新四段)になることが決まりましたので大幅加筆しました。
※2021年1月11日データ更新!
中学生棋士とは?
中学生にしてプロ棋士になった超天才棋士のことで、過去に誕生したのは以下の5人だけである。
加藤一二三
棋士番号:63
生年月日:1940年1月1日
プロ入り:1954年8月1日
引退:2017年6月20日
谷川浩司
棋士番号:131
生年月日:1962年4月6日
プロ入り:1976年12月20日
羽生善治
棋士番号:175
生年月日:1970年9月27日
プロ入り:1985年12月18日
渡辺明
棋士番号:235
生年月日:1984年4月23日
プロ入り:2000年4月1日
藤井聡太
棋士番号:307
生年月日:2002年7月19日
プロ入り:2016年10月1日
5人の比較
以下、5人の中学生棋士たちを徹底的に比較する。
プロ入り
加藤一二三:14歳7ヶ月
谷川浩司:14歳8ヶ月(中学2年生棋士)
羽生善治:15歳2ヶ月
渡辺明:15歳11ヶ月
藤井聡太:14歳2ヶ月(最年少記録)
加藤一二三九段は60年以上にわたって最年少記録を保持していたが、2016年9月3日に藤井聡太二冠が最年少記録を更新。
藤井二冠が抜かなければ加藤九段は最年少記録と最年長記録を同時に保持することになったが、藤井二冠は最年少記録を狙える唯一1回のチャンスをものにしリーグ戦(三段リーグ)を突破した。
※渡辺明名人のプロ入りは高校進学と同時で、プロ入りを決めたのが中学生だった。
タイトル歴
加藤一二三:獲得8期、登場24回
谷川浩司:獲得27期、登場57回
羽生善治:獲得99期、登場137回
渡辺明:獲得26期、登場35回
藤井聡太:獲得2期、登場2回
タイトル歴は羽生善治九段が圧倒しており、前人未到の100期まで後1期に迫る。
若い渡辺明名人もまだまだ記録を伸ばせそう。
藤井聡太二冠は今後は末恐ろしい・・・
永世タイトル
加藤一二三:無し
谷川浩司:名人
羽生善治:竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖
渡辺明:竜王、棋王
藤井聡太:-
加藤一二三九段と藤井聡太二冠以外の3人は永世タイトル(引退後にそのタイトルを名乗れる特別な権利)を保持している。
タイトル歴27期の谷川浩司九段は、意外に名人位しか永世タイトルを獲得していない。
羽生善治九段は現状獲得し得る永世タイトルを全て保持している。
藤井聡太二冠は今後に期待。
名人位
加藤一二三:獲得1期、登場4回(最年少挑戦記録保持)
谷川浩司:獲得5期、登場11回(十七世名人資格保持者)
羽生善治:獲得9期、登場16回(十九世名人資格保持者)
渡辺明:獲得1期、登場1回
藤井聡太:なし
藤井聡太二冠以外の4人は、将棋界の最高峰である名人位を獲得している。
藤井聡太二冠は今後に期待。
A級昇格
加藤一二三:18歳(プロ入り後4期連続昇格)
谷川浩司:20歳
羽生善治:23歳
渡辺明:26歳
藤井聡太:-
藤井聡太二冠以外、全員順位戦のA級リーグ(10人しか入れない将棋界の最高リーグ)入りしているが、特に驚くべきは加藤一二三九段の18歳でのA級入りで、この件をもって加藤九段は神武以来の天才と称された。
藤井聡太二冠は順位戦で1回しか負けていない驚異の勝率を誇っており、A級入りが確実視されている。
A級在位
加藤一二三:36期
谷川浩司:32期
羽生善治:28期(現A級棋士)
渡辺明:10期(現名人)
藤井聡太:-
加藤一二三九段は62歳までA級棋士であった。
谷川浩司九段は現在B級1組(A級の1つ下のリーグ)なので、まだまだA級復帰の可能性が残る。←B級2組に転落しA級復帰が難しくなった
藤井聡太二冠は今後に期待。
初タイトル
加藤一二三:28歳(十段)※20歳で名人戦初挑戦
谷川浩司:21歳(名人)
羽生善治:19歳(竜王)※当時の最年少記録
渡辺明:20歳(竜王)
藤井聡太:17歳(棋聖)※最年少記録
加藤一二三九段は大山康晴永世名人の壁が厚く初タイトルが遅れたが、その他の4人はとても早くタイトルを獲得している。(加藤九段がプロ入りした時代はタイトル数が少なかった)
藤井聡太二冠は周囲の期待通りに最年少記録を更新。
最多連勝記録
加藤一二三:12連勝から17連勝の間
谷川浩司:14連勝
羽生善治:22連勝
渡辺明:12連勝
藤井聡太:29連勝※最多記録
加藤一二三九段はデビューが古すぎて情報を完全に把握できませんでした。
藤井聡太二冠の29連勝は、歴代の最多連勝記録。
プロ入り直後の連勝記録
加藤一二三:?
谷川浩司:0勝
羽生善治:6連勝
渡辺明:6連勝
藤井聡太:29連勝
加藤一二三九段の記録は古すぎて分かりませんでした。(T_T)
藤井聡太二冠の29連勝は、プロ入り直後と関係なく将棋界の最多連勝記録。
現在の立ち位置
加藤一二三:現役生活最長記録を更新した後に引退したが、面白いキャラがうけテレビ番組などでも人気者に。
谷川浩司:タイトル戦から離れた後は将棋界の顔である将棋連盟会長の職にも就いていたが、不祥事により退任。
羽生善治:タイトルを挑戦するなど第一線で活躍している。
渡辺明:タイトルを保持し続けるなど第一線で活躍している。
藤井聡太:歴代最強棋士を日々証明中。
学業
加藤一二三:大学中退(早稲田大学)
谷川浩司:高卒(滝川高校)※中高一貫の私立
羽生善治:高卒(上野高校通信科)
渡辺明:高卒(聖学院高校)※中高一貫の私立
藤井聡太:現役高校生
中学生で棋士になっているので、高校以降の学校に行く必要もないのかもしれないが、現役中学生の藤井聡太二冠以外の全員が高卒以上の学歴があり、特に加藤一二三九段は私立の難関である早稲田大学に入学している。
結婚
加藤一二三:20歳、相手は一般人
谷川浩司:30歳、相手は一般人
羽生善治:25歳、相手は女優の畠田理恵さん
渡辺明:19歳、相手は元女流育成会所属の伊奈めぐみさん
藤井聡太:まだ18歳です・・・
谷川浩司九段以外は早く結婚していて、特に渡辺明名人は十代で結婚している。
中学生棋士の直接対戦成績
以下、中学生棋士同士の公式戦における対戦成績です。
加藤一二三
vs谷川浩司:15勝30敗
vs羽生善治:6勝14敗
vs渡辺明:1勝0敗
vs藤井聡汰:0勝1敗
谷川浩司
vs加藤一二三:30勝15敗
vs羽生善治:62勝106敗
vs渡辺明:6勝9敗
vs藤井聡汰:0勝2敗
羽生善治
vs加藤一二三:14勝6敗
vs谷川浩司:106勝62敗
vs渡辺明:41勝38敗
vs藤井聡汰:1勝4敗
渡辺明
vs加藤一二三:0勝1敗
vs谷川浩司:9勝6敗
vs羽生善治:41勝38敗
vs藤井聡汰:1勝4敗
藤井聡太
vs加藤一二三:1勝0敗
vs谷川浩司:2勝0敗
vs羽生善治:4勝1敗
vs渡辺明:4勝1敗
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