現在の将棋界において脅威的な強さを見せる藤井聡太四段、そんな藤井聡太四段がタイトルを獲得する可能性について考えてみました。
藤井聡太四段
生年月日:2002年7月19日
プロ入り:2016年10月1日(最年少記録)
順位戦:C級2組
竜王戦:6組(5組昇級済み)
藤井聡太四段が打ち立てた記録
最年少プロ棋士
藤井四段は2016年9月3日に奨励会三段リーグを突破し、10月1日よりプロ棋士となりました。
プロ棋士になった年齢は14歳2ヶ月で、加藤一二三九段が保持していた14歳7ヶ月という最年少棋士記録の62年ぶりに更新しました。
プロ入り後すぐの連勝記録
藤井四段は2017年の44日にプロ入り後負けなしの11連勝とし、過去最高の10連勝の記録を超えました。(過去の記録保持者は松本佳介六段と近藤正和六段)
その後、藤井四段は連勝記録を26まで伸ばしており(2017年6月15日現在)、後2回勝てば歴代最多連勝記録に並びます。
今後の藤井聡太四段に期待される記録
最多連勝記録
藤井四段は、将棋界の最多連勝記録まで後2勝に迫っており(2017年6月15日現在)、近々この記録には結論が出ます。
記録更新の結果がどうなるかは不明ですが、最年少でプロ棋士になった藤井四段がプロ入り後1度も負けることなく26連勝したことは驚異的であり、藤井四段は史上最強棋士である可能性も高いものと思われます。
最年少タイトル
最年少記録は各スポーツなどの分野でも話題になる記録で、相撲界では1990年代に貴乃花(当時は貴花田)が、数々の最年少記録を樹立し一大相撲ブームを巻き起こしました。
将棋界では特に最年少でのタイトル獲得が期待される記録となります。
最速タイトル
最年少記録と共に最速・最短記録も話題となり、藤井四段には最短のタイトル獲得記録が期待されます。
現在の将棋タイトル最短獲得記録は1年10ヶ月であり、藤井四段がこの記録を超えるチャンスは2017年の竜王戦、2018年の棋王戦、王将戦、叡王戦、棋聖戦の5回となっています。
タイトルの独占
藤井四段には、羽生三冠以来となるタイトルの独占が当然期待されます。
今年からタイトル棋戦が増え八冠となったので、もし藤井四段がタイトル独占し八冠となれば、羽生三冠を超えたと大きな話題になることでしょう。
タイトル獲得数の更新
現在の羽生三冠のタイトル獲得数は97期であり、今後藤井四段が羽生三冠の記録を超すにしても、それはあまりにも先なことなので、この記録については現時点で期待されているわけではありません。
その後は、かつての羽生三冠のように徐々にタイトル独占の期待が高まっていくものと思われます。
更に藤井四段には、10代でのタイトル独占という前代未聞かつ不滅になるであろうの記録にも期待がかかります。
この10代でのタイトル独占(八冠制覇)という可能性については、以下でいろいろと考えていきたいと思います。
最年少タイトル及び最速タイトル
将棋タイトルにおける最年少、最速に関する記録は、全て屋敷伸之九段が保持しています。
この屋敷九段の前に最年少タイトル獲得記録を保持していたのは羽生善治三冠で、10代でタイトルを獲得したのはこの2人だけです。
ちなみに女流棋士の最年少タイトル獲得記録は14歳で、獲得したのはあの林葉直子さんです。
【屋敷伸之九段】
生年月日:1972年1月18日
最短タイトル挑戦記録:プロ入り1年2か月
最短タイトル獲得記録:プロ入り1年10か月
最年少タイトル挑戦記録:17歳10ヶ月
最年少タイトル獲得記録:18歳6か月
将棋のタイトルが2つ以上になった1950年以降、タイトルを独占したのは以下の3人だけです。
【升田幸三実力制第四代名人】
生年月日:1918年3月21日
独占タイトル数:三冠
独占時期:1956年
【大山康晴十五世名人】
生年月日:1923年3月13日
独占タイトル数:三冠~五冠
独占時期:1959年に三冠、1960年に四冠、1962年に五冠、以降1970年まで4回五冠制覇
【羽生善治三冠】
生年月日:1970年9月27日
独占タイトル数:七冠
独占時期:1995年
各棋戦ごとのタイトル獲得情報
ここでは、各タイトル棋戦ごとタイトル獲得に関する情報と、藤井聡太四段がタイトルを獲得するまでの状況などをまとめます。
叡王戦
主催:株式会社ドワンゴ
タイトル化された年:2017年
タイトル戦の時期:3月~5月
歴代最年少タイトル保持者:-
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2018年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:15歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:5回
※段位戦のため段位が上がれば有利
王座戦
主催:日本経済新聞社
タイトル化された年:1983年
タイトル戦の時期:9月~10月
歴代最年少タイトル保持者:羽生善治三冠(22歳)
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2018年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:16歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:4回
※後記する順位戦で昇級するか、前年度の成績が優秀だとシードとなる
棋王戦
主催:時事通信社
タイトル化された年:1975年
タイトル戦の時期:2月~3月
歴代最年少タイトル保持者:羽生善治三冠(20歳)
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2018年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:15歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:5回
※後記する順位戦で昇級するか、前年度の成績が優秀だとシードとなる
棋聖戦
主催:産経新聞社
タイトル化された年:1962年
タイトル戦の時期:6月~7月
歴代最年少タイトル保持者:屋敷伸之九段(18歳)
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2018年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:15歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:5回
※後記する順位戦で昇級するか、前年度の成績が優秀だとシードとなる
王位戦
主催:日本経済新聞社
タイトル化された年:1960年
タイトル戦の時期:7月~9月
歴代最年少タイトル保持者:郷田真隆九段(21歳)
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2018年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:16歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:4回
※挑戦者決定リーグの上位者4名以外は一切のシードがない
王将戦
主催:スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社
タイトル化された年:1951年
タイトル戦の時期:1月~3月
歴代最年少タイトル保持者:中村修九段(23歳)
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2018年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:15歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:5回
※後記する順位戦で昇級するか、前年度の成績が優秀だとシードとなる
竜王戦
主催:読売新聞社
タイトル化された年:1987年※
タイトル戦の時期:10月~12月
歴代最年少タイトル保持者:羽生善治三冠(19歳)
※前身となるタイトルは1950年から続いている
タイトル獲得までの最短年数:1年目から参加し2年目で獲得可能※
藤井四段が最短で獲得できる年:2017年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:15歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:5回
※優秀な成績をあげクラスを昇級していけば、有利になるシステム
名人戦
主催:毎日新聞社、朝日新聞社
タイトル化された年:1937年
タイトル戦の時期:4月~6月
歴代最年少タイトル保持者:谷川浩司九段(21歳)
タイトル獲得までの最短年数:5年※
藤井四段が最短で獲得できる年:2022年
藤井四段が最年少で獲得できる年齢:19歳
藤井四段が10代でタイトルを獲得できるチャンスの回数:1回
※C級2組からA級までの5段階分かれたリーグ戦(順位戦)を1年ずつ昇級し、A級でトップになった棋士が名人に挑戦できるシステム
藤井聡太四段が名人のタイトルを10代で獲得できるチャンスは1回だけで、なおかつ順位戦(名人の挑戦者を決めるリーグ戦)で5年間好成績を残し続ける必要があります。
以上のことから、名人のタイトルは10代でタイトルを獲得することが圧倒的に難しくなっています。
C級2組からA級まで勝ち上がるの最低5年かかるため、最年少記録でプロ棋士になった藤井四段ですら、10代で名人を獲得するチャンスは1回しかありません。
当然10代で名人を獲得した例もなく、10代でA級棋士になったのも加藤一二三九段と谷川浩司九段の2人だけです。(加藤一二三九段がA級棋士になった当時は棋士の数が今よりだいぶ少なく、実力さえあれば昇級しやすい環境だった。また、谷川浩司九段はA級昇級後6日で20歳になっている)
藤井四段の10代タイトル独占の可能性は?
藤井四段が、10代(場合によっては最年少)でタイトルを獲得する可能性は高いと思います。
また、いずれはタイトルを複数獲得し、タイトル独占(八冠制覇)の期待が高まっていく可能性も十分あります。
しかし、10代で名人を獲得する条件が厳しすぎるため、10代でのタイトル独占の可能性は極めて難しいものと思われます。
とはいえ、そんな大方の予想を打ち破ってくれそうな雰囲気が藤井四段にはあります。
不滅の記録といわれた最年少プロ棋士の記録更新し、更にプロ入り後1度も星を落とすことなく最多連勝記録に迫っている現在の状況を考えても、藤井四段には常識を打ち破る力があると思われます。
結論
頑張れ!!
藤井聡太四段!!\(^o^)/
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