海外の人には理解されづらい、と言うより日本人ですら理解しづらい日本人の宗教観についてのまとめです。
まずは、現在の日本人に影響を与えている3つの宗教の簡単な説明
神道(しんとう)
神道が分からないという人は『神社』をイメージしていただければ理解しやすいかと思います。
神道は古代日本に起源をたどることができるとされる宗教である。
日本古来の宗教であり、日本及び日本人にもっとも影響を与えていると思われる宗教です。
教典のようなものはなく、日本人は無意識的に神道を信仰しています。
山や川などの自然や自然現象を敬い、それらに八百万の神を見いだす多神教。
神道は自然を大切にする宗教です。
また、あらゆるものに神が宿ると考える宗教でもあります。
神道は多神教だが、祖霊崇拝性が強い。
神道は、先祖も大切にする宗教です。
また多神教ということで、他の宗教や神も認めています。
歴史的事実として皇室と神道は密接なかかわりを持つ。また、神道の信仰の対象としての天皇(その祖先神を含む)の存在がある。
天皇及び皇室とも深い関わりのある宗教です。
仏教(ぶっきょう)
仏教が分からないという人は『お寺』をイメージしていただければ理解しやすいかと思います。
紀元前五世紀(一説に前六世紀)に釈迦が開いた宗教。インドにおこり,ほぼアジア全域に広まった。
出典 仏教とは – Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ) Weblio辞書
発祥地はインドですが現在のインドでは衰退しています。
仏教においては、迷いの世界から解脱しない限り、無限に存在する前世と、生前の業、および臨終の心の状態などによって次の転生先へと輪廻するとされている。
このため、仏教徒の僧侶は厳しい修行をしています。
『日本書紀』によると、仏教が伝来したのは飛鳥時代、552年(欽明天皇13年)に百済の聖王(聖明王)により釈迦仏の金銅像と経論他が献上された時だとされている。
伝来は538年という説もありますが、いずれにせよ6世紀に日本へ伝来し、以降盛んに信仰されることとなります。
また神道へも大きな影響を与えて(逆に神道から影響を受けたりもしている)、日本独自の宗教観が生まれていきます。(このことを『神仏習合』と言う)
キリスト教
キリスト教が分からないという人は『教会』をイメージしていただければ理解しやすいかと思います。
1世紀中頃、イエスの死後に起こった弟子の運動(初期キリスト教運動)が、キリスト教の直接的な起源である。
キリスト教は、キリストが広めたわけではなくキリストの弟子が広めたんですね。
アダムとイヴの堕罪以降、子孫である全ての人間は生まれながらにして罪に陥っている存在であるが、人であるイエス・キリストの死はこれを贖い、イエスをキリストと信じるものは罪の赦しを得て永遠の生命に入る、という信仰がキリスト教の根幹をなしている。
一般の日本人には教義内容が少し難しいかもしれません。
世界における信者数は20億人を超えており、すべての宗教の中で最も多い。
このため、世界中のあらゆる国に大なり小なり影響を与える宗教となっています。
日本では戦国時代に伝来しましたが、厳しい弾圧によって大きな広がりは見せませんでした。
しかし、明治以降の西洋化の影響で日本でもキリスト教の影響が大きくなってきているようです。
年間行事から読み解く日本人の宗教観
1月1日:元旦(初詣)
年が明けてから初めて神社や寺院などに参拝する行事
初詣は神社にもお寺にも行きますが、どちらかと言えば神社に行く人のほうが多い模様です。
2月3日(2月2日):節分
節分の行事は宮中での年中行事であり、『延喜式』では、彩色した土で作成した牛と童子の人形を大内裏の各門に飾っていた。
元々は宮中行事(天皇や皇族が執り行う行事)ということで、神道的な行事であると言えます。
2月11日:建国記念の日
神武天皇が即位した日を日本の建国された日として祝うこと
建国記念の日は、神道を過度に崇拝していた明治期の国家神道時代に定められた紀元節を元にした祝日です。
2月14日:バレンタインデー
もともと、269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌスに由来する記念日
ウァレンティヌスはキリスト教の聖職者のため、バレンタインデーはキリスト教的な行事であると言えます。
旧暦の7月15日:お盆(盆踊り、夏祭り)
盆踊りとはもともとは仏教行事である。
お盆の時期はお墓参りを行うなど死者と弔う仏教との関わりがあります。
日本古来の豊作を祖霊に祈る祭(お盆)に、中国から伝来した女性が針仕事の上達を願う乞巧奠(きっこうでん/きこうでん)や佛教の盂蘭盆会(お盆)などが習合したものと考えられている。
お盆は、先祖供養を大事にする神道と仏教行事が融合してできたものです。
10月31日:ハロウィン
毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられている祭りのこと。
ケルト人は自然を崇拝する多神教者だったと言われています。
ケルト人が自然崇拝からケルト系キリスト教を経てカトリックへと改宗する過程でケルトの収穫祭に合わせてカトリック教会が諸聖人の日を11月1日に設定したとされている。
ハロウィンはキリスト教的な行事と言えますが、現在は宗教的な意味合いは薄れてきているようです。
11月23日など:秋祭り
秋祭り(あきまつり)とは秋に行われる祭りの総称である。主に農村地帯において収穫を感謝する祭りである。
秋祭りは、主にお米の収穫を祝って行います。
(新嘗祭は)収穫祭にあたるもので、11月23日に、天皇が五穀の新穀を天神地祇(てんじんちぎ)に進め、また、自らもこれを食して、その年の収穫に感謝する。
新嘗祭という収穫祭は、宮中行事ということで神道との関わりが深くなっています。
12月25日:クリスマス
クリスマスは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う祭(降誕を記念する日)。
クリスマスは、疑いようもないほどのキリスト教的な行事です。
今や、世界中で一大イベントとなったクリスマス。
現在のクリスマスは、宗教の垣根を超えて盛り上がる年中行事となっています。
生涯の行事から読み解く日本人の宗教観
お宮参り(初宮参り)
生誕約1か月目に、両親と父方の祖母が付き添って神社にお宮参りをする風習がある。
お宮参りは神社にお参りするということで、神道的な行事と言えます。
七五三
三歳の男女、五歳の男子、七歳の女子が11月15日にお宮参りをし、子供の成長を祝う行事
七五三も神社にお参りするということで、神道的な行事と言えます。
ただし最近では、お寺で七五三をすることもあるそうです。
元服(成人式)
おおよそ数え年で12 – 16歳の男子が式において、氏神の社前で大人の服に改め、総角(角髪(みずら))と呼ばれる子供の髪型を改めて大人の髪(冠下の髻(かんむりしたのもとどり))を結い、冠親により冠をつける。
成人式は神道的な行事であった元服が由来とされますが、現在では宗教的な意味合いは薄れてきているようです。
結婚
近年日本では、宗教にかかわりなく、教会式、神前式、人前(じんぜん)式、仏前式などの結婚式が自由に選択されている。
現在の結婚式は、主に神道的な神前結婚式と、キリスト教的な教会結婚式で執り行われることが多いようです。
還暦
還暦(かんれき)とは、干支(十干十二支)が一巡し、起算点となった年の干支に戻ること。
還暦は、紀元前の中国で起こった陰陽思想や五行思想が元となっていて、神道、仏教、キリスト教いずれの宗教とも関連は薄いようです。
お葬式
日本の葬儀の大部分は仏式(葬式仏教)で行われている。
日本の葬儀及びその後行われる死者を弔う儀式は、殆どの場合仏教にもとづいて行われます。
ただし葬儀終了後に行う振り塩は神道的な儀式です。
また、葬儀の日取りの際に重要視される六曜も仏教とは関連のない概念です。
1635年(寛永12年)ごろ、日本人全員を近くの寺に帰属させる寺請制度が始まり、1700年(元禄13年)年ごろには、位牌、仏壇、戒名といった制度が導入され、葬式に僧侶がつくようになった。
およそ400年ほど前には、殆どの日本人がお寺及び僧侶による葬儀を受けるようになっていました。
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