ヒートアイランド現象の原因と被害及びその対策一覧

科学
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ヒートアイランド現象の原因・実害・対策を1つ1つまとめていきます。
主に東京都を中心とした人口密集地帯を例として挙げます。

ヒートアイランド現象の要因

ヒートアイランド現象の要因となっている様々な事柄をまとめます。

人口の密集

人口の密集はヒートアイランド現象の根本的な問題で、以下に書く全ての原因に関わっています。
人の活動に欠かせない調理・入浴・電化製品の利用などは全て熱を使うため、人が多くなればなるほど熱を発してしまいます。
特に東京圏は世界最大の人口密集地帯なので、その熱の量は計り知れません。

車からの排熱

熱を出すものの代表的例が車からの排熱です。
特に都市部には車が集まり渋滞を起こすため、その排熱は凄まじいものがあります。

工場や発電所からの排熱

人の集まる場所のほど近くには大きな工業地帯があることが多く、そこからの排熱もヒートアイランド現象の要因になります。
東京近郊の場合は、主に京浜工業地帯からの排熱が問題となります。

エアコン(クーラー)の利用

エアコン(クーラー)で部屋の温度を下げると、同じ範囲の空間をそれ以上に温めることになります。
そのため、一般家庭やオフィスなどでのエアコン利用率が高まれば高まるほど、室外機からの排熱により外気温を高めることになります。

アスファルトによる蓄熱

アスファルトは土と違い保水力もなく、ひたすら熱を蓄え続けてしまいます。
東京の都市部では、地表面のほとんどがアスファルトかコンクリートという状態で、土や緑がある場所は限定的です。
そのため、東京では日中だけではなく夜もあまり気温が下がらなくなっています。

ビルの高層化

ビルの高層化には、2つの問題があります。
1つ目は、放射冷却現象の効果が低下することです。
放射冷却現象とは、地面から上空に向かって熱を放射するものですが、高層ビルが多いと反射の影響によりこの効力が弱まります。
2つ目は、浜風を遮ってしまうという問題です。
東京近郊では通常、東京湾からの浜風が吹き熱がこもり過ぎないようになっているのですが、高層ビルがこれを遮ってしまっているため熱がこもりやすくなります。

ヒートアイランド現象の実害例

ヒートアイランド現象よって引き起こされる、または引き起こされると考えられる被害をまとめます。

熱中症

ヒートアイランド現象とは気温が高くなる現象なので、当然、熱中症のリスクが高まります。

夏バテ

暑い日が続けば夏バテもひどくなります。
エアコンのかかった室内と室外の温度差が大きくなるので、クーラー病などの原因にも繋がります。

不眠症

ヒートアイランド現象は夜の気温低下も妨げるため、熱帯夜が続き不眠症になるケースもあります。

ゲリラ豪雨

気温が高くなると激しい上昇気流が発生し、急速に積乱雲が発達します。
その積乱雲が瞬間的な大雨を降らすわけですが、ヒートアイランド現象がひどくなると、この大雨がひどくまた頻度も多くなります。

熱帯性の蚊の媒介

東京近郊では、近年平均気温の上昇により今までいなかったような亜熱帯性の動植物が一部で繁殖しています。
特にマラリアを引き起こす熱帯性の蚊が媒介することは非常に懸念されています。

ヒートアイランド現象の対策

高層ビルを根こそぎ取り壊すなどの非現実的な対策ではなく、実行可能な対策をまとめます。

人口分散

ヒートアイランド現象の根本的理由は人口の過密にあるので、人口を分散化させればヒートアイランド現象は緩和されます。
特に東京都圏は世界最大の人口過密地帯なので、首都機能の移転など抜本的な対策が必要になります。

一般車の交通規制

車の排熱を抑えるには、効率的な道路作りなどの対策もありますが、根本的には車の通行量減らすしかありません。
車の通行量が減れば、単純な通行量の減少にプラスして渋滞も緩和されるため一石二鳥です。
対策としては、カーシェアリングの推奨などの消極的な対策から、ナンバープレートの末尾による曜日ごとの通行禁止などの積極的な対策まで考えられます。

エコカーの普及

電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド車などのエコカーは、現在の化石燃料を使った車より排熱が少ないため、これらの車が普及されれば車からの排熱は緩和されます。

街路樹を植える

木を植えれば日陰ができる他、保水力を持った土は気化熱の効果により気温上昇を防ぎます。
このように街の緑化はヒートアイランド現象に対し効果的なのですが、現在の都市部で緑化できる場所は街路ぐらいしかないのが実状です。

ビル屋上の緑化

都市部で緑化するスペースは現状ほとんどありませんが、唯一大規模に緑化できるとしたらビルの屋上です。
大都市ではビルの屋上面積が膨大になるため、そこを緑化できればそれなりの効果があるかと思います。
※東京都では、条件があるもののビル屋上緑化が義務化されている。

保水型道路

従来型のアスファルト道路ではなく保水性のある道路を利用すれば、土と同じように気化熱による温度上昇を防ぐ効果が期待できます。

※保水性道路の効果を表した資料

自然エレルギーの活用

火力発電や原子力発電は熱を発して電気を作っているためヒートアイランド現象を助長しています。
そのため、発熱しない自然エレルギーの利用率が高まればヒートアイランド現象緩和されます。

省エネ家電の普及

省エネ家電や省エネ型の電気設備が普及すれば電力使用率が下がり、発電所からの排熱を抑えることができます。

エアコン温度の調整

オフィスなどではエアコンで室内を冷やしすぎていることもよくあるそうです。
エアコンの設定温度を高めに調整することで、エアコン自体による温度上昇を緩和できると共に電力消費も抑えることができます。
また、自宅ではエアコンをできるだけ使わない生活も考える必要があるかもしれません。

エアコンの効率化

ガラスや壁、床などの断熱効果を高めれば、エアコンによる温度低下が効率的になり、エアコンの使用率を下げることができます。

建築物の反射率を高める

黒いものは熱を吸収し、白いものは熱を反射する性質を持つため、白っぽい建物を増やせば熱が籠らなくなります。
ただし、白い建物ばかりになると光の乱反射という新たな問題が発生する可能性もあります。

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