今回は、吉本興業所属の芸人を中心に15人の芸人が反社会的勢力のパーティーなどで事務所を介さない闇営業を行い謹慎処分を受けた問題について考えていきたいと思います。
ここ最近メディアを騒がしているこの問題ですが、問題が起きた原因は極めて簡単です。
まずは、その答えを言う前に今問題に対して3点ほど苦言を呈したいと思います。
1点目は、この問題が発覚して以降、芸人側からちょこちょこ発せられているのですが、闇営業という言葉はない、もしくは闇営業とは言わないという主張についてです。
こういった発言は、吉本興業所属のナイティナインの岡村隆史さんや、サンミュージック所属のカンニング竹山さんがテレビやラジオを通してハッキリと行っています。
その影響からか、ワイドショーなども闇営業という言葉を使わず“直の営業”などと言い直しているケースも見受けられますが、闇営業という言葉がないなんて全くもって嘘です。
これは、認識不足ではなく意図的に嘘を付いている可能性が高いと思われます。
以下の動画をご覧ください。
今回の闇営業問題を起こした芸人と同じ事務所(吉本興業)の芸人が、何度も闇営業と発言しています。
また、今問題が発覚する2日前の6月5日に放送された『水曜日のダウンタウン』にて、同じく吉本興業所属の芸人であるコロコロチキチキペッパーズのナダルさんが、闇営業とハッキリ発言しながらその実態について語っているシーンが流されています。
以上のように、闇営業という言葉は芸人の中で一般的な言葉であり、直の営業などという回りくどい言い方のほうがよっぽどマイナーな言い方だったはずです。(メディアなどでこの手の問題を話すとき、芸人たちはほぼ100%闇営業という言葉を使っている)
2点目は、今回の問題を事務所を介さないで仕事をする闇営業の問題と、反社会的勢力からお金を受け取って仕事をする問題を分けて考えるべきだという意見についてです。
こういった意見は、国際政治学者でメディアによく登場する三浦瑠麗さんなどが主張していますが、これも間大きな違いがあります。
そもそも反社会的勢力からお金を受け取ることを問題にするのなら、反社会的勢力の人間が行ったレストランやスーパーまで全てアウトになってしまいます。
しかし現状そのようなことになっていないのは、店側の人間がお金を受け取った相手を反社会的勢力の人間と認識していなかったらどうにもならないからです。
なので今回の芸人の闇営業の問題も、本来なら相手の人間が反社会的勢力とは知らなかったで済む話のはずです。
では、なぜ今回の問題では知らなかったで済んでいないのか?
それは事務所を介せずに仕事をしているからです。
事務所を介していれば問題は会社側の責任になり、タレント側にここまで大きな影響はなかったのではないでしょうか。
つまり今回の問題は、事務所を介さないで仕事をする闇営業の問題と、反社会的勢力からお金を受け取って仕事をした問題が深く絡み合っており、分けて考えるべきではないのです。
3点目は、今回の闇営業問題を、お金を貰っていなかったと嘘を付いたかことが問題だったする意見についてで、この手のことは多くの芸人が発言しています。
これも大きな間違いで、論点をズラしているに過ぎません。
なぜなら、後から別件で追加処分となったスリムクラブの2人は、お金を受け取っていないなどという嘘の発言を行っていないのにもかかわらず、嘘を付いた雨上がり決死隊の宮迫博之さんや、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんたちよりも重い無期限謹慎という処罰を受けています。
これは明らかに矛盾しており、今回の問題が嘘を付いたかどうかでないことを示していると思います。
つまり、今回起きた問題は闇営業をしていたことが本質的な問題であり、嘘を付いたという問題は二次的なものでしかないのです。
さて、ここからが本題です。
なぜ、今回芸人たちの闇営業という問題が起こったのか?
それは、ズバリ吉本興業に所属している芸人の数が多すぎるからです。
現在吉本興業に約6000人の芸人が所属していると言われ、これは吉本興業の社員数を考えればとても管理しきれない数となっています。
以前、今回問題を起こした宮迫博之さんがメインMCを務める『アメトーーク!』で、『マネージャーほったらかし芸人』という回があったのですが、吉本興業の芸人は、仕事に行く際に若手芸人や売れてない芸人はおろか、テレビでよく見る中堅クラスの芸人ですらマネージャーが帯同しないケースが多いと芸人が語っていました。
このように、吉本興業では会社側が所属タレントを深く管理しないことが当たり前になっているようです。
これでは問題が起きて当たり前と言えるでしょう。
宮迫博之さんや田村亮さんクラスになれば当然マネージャーが付いているでしょうが、大半の所属芸人に対して管理が行き届かない状況を作り、闇営業が常態化していたのなら、このような問題がいつ起こってもおかしくなかったものと思われます。
そして、この問題は今年の1月に発覚し大きな話題となったNGT48にも共通していることです。
NGT48の問題は、メンバーとファンとの繋がりが根底にあると言われていますが、NGT48を含むAKB48グループも人数を増やしすぎて運営スタッフが管理が行き届かない状況が常態化していました。
わざわざ言うまでもありませんが、管理が行き行き届かない現場では問題が起こりやすくなるのは当然の話です。
こういった問題は、芸能の分野に問わずどこでも起こりえる問題であると、今回の件を通じて全ての日本人が認識し気を付けていかなければならないのかもしれません。
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